恋と三角と召喚獣   作:藤の星

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バカテスト
第一問

問 以下の問いに答えなさい。
『調理の為に火にかける鍋を製作際、重量が軽いのでマグネシウムを材料に選んだのだが、調理を始めると問題が発生した。この時の問題点とマグネシウムの代わりに用いるべき金属合金の例を一つ挙げなさい』

姫路瑞希、姫野穂里(みのり)の答え
『問題点……マグネシウムは炎にかけると激しく酸素と反応する為危険であるという点
合金の例……ジュラルミン』

教師のコメント
『正解です。合金なので「鉄」では駄目という引っ掛け問題なのですが、姫路さん、姫宮さんは引っかかりませんでしたね。』

土屋康太の答え
『問題点……ガス代を払っていなかったこと』

教師のコメント
『そこは問題じゃありません。』

吉井明久の答え
『問題点……マグネシウムは炎にかけると激しく酸素と反応する為危険であるという点
合金の例……ステンレス鋼やアルミニウム合金(特にAI-Mn系合金やAI-Mg系合金などが適している)ジュラルミンは腐食しやすいので適さない』

教師のコメント
『正解です。それと今回の問題は先生が間違えていたので特例で全員に点数をあげます。』

Fクラス男子(一部を除く)
『合金の例……未来合金(←すごく強い)』

教師のコメント
『すごく強いと言われても。』


第一問

 桜の花びらが舞い散る暖かな日に僕らは一年間慣れ親しんだ道を歩いていた。

 

「ではこれはどうですか?CH3COOHとは何ですか?」

「えっと確か…。」

「酢酸、ですね瑞希ちゃん。」

「正解です、穂里ちゃん。」

「ああ、そうだった。酪酸と勘違いしてたや。」

「酪酸はC3H7COOHです、明君。」

「テストでは間違えないようにしないと。」

「ちょっとややこしいですからね。」

「そうですね。そろそろ学校も近いですし、わたしからの問題で最後です。ゾロアスター教の神は何ですか?」

「えっと、確か火、でしたっけ?」

「違うよ、瑞希ちゃん。神はアフラ・マズタだよ。火は神聖な象徴として見ているものだからね。拝火教とも呼ばれてるからそこで間違いやすいんだ。」

「正解です、明君。ちなみに主神と対するものは?」

「アーリマンだね。ゾロアスター教の特徴が善悪二元論だから善神対悪神って構図で表せられてるんだよ。」

 

僕らが問題を出し合ったり雑談をしているうちに見慣れた門の前に浅黒い筋肉質の人物が見えてきた。

 

「おはよう吉井、姫路、姫野。」

「「「おはようございます、西村先生。」」」

「うむ、今日も早いな。」

 

この人は西村先生。趣味トライアスロンという事で、一部の生徒からは『鉄人』の異名でよばれている。

 

「吉井に姫路、姫野。ほれ、これを受け取れ。」

 

西村先生が傍に置いてある段ボールから長方形の封筒を渡してくる。

 

「?なんですか、これは。」

「お前たちのクラス分けの結果が入っている。」

「いちいち手渡ししてるんですか?こんなめんどくさい事…。」

「掲示板に張り出したりしないんですか?」

「それなんだがな、うちの学園は最新のシステムを搭載しているからな。逆にクラス分けは古風でいこうと学園長の指示でな…。」

「「「お疲れ様です…。」」」

「ありがとうな。それだけで少し報われる。」

 

僕らは西村先生と話しながら封筒を開けていた。苦戦しながらもようやっと開けられると隣で瑞希ちゃんや穂里ちゃんも開けていた。まぁ結果を見なくてもクラスは分かってるけどさ。

 

吉井明久 Fクラス

姫路瑞希 Fクラス

姫野穂里 Aクラス

 

実際文字で見ると意外とショックだなぁ。なんて思っていると。

 

「吉井、姫路、すまなかった。」

 

突然西村先生が頭を下げて謝罪をしてきた。

 

「突然どうしたんですか、西村先生!頭を上げてください!」

「そうですよ!私たち、謝られることなんて何もないですよ!」

「それなんだがな、お前たちのことを聞いて再試験ができないか学園長に掛け合ったんだ。」

「そんなことがあったんですね…。」

「だが規則だから無理だと断られてしまってな。本来お前たちならもっと上のクラスを目指せただろうに…。」

 

この先生は本当に生徒のことを第一に思ってくれる。厳しい一面もあるがそれは生徒のことを思っての行動だと知っている。だから。

 

「ありがとうございます、西村先生。今回のことは僕が僕の意思に従って行ったことなので、謝られる筋合いはありません。」

「そうですよ。それにFクラスになったのは私が体調管理をしっかりしなかったからです。先生は何も悪くありません。」

「それが明君の良いところですし、わたしや瑞希ちゃん以外の人でも明君は同じ事をしたと思います。ですから先生が頭を下げる必要は無いと思います。」

「…そうか。それならこれ以上は何も言わん。だがあえて最後に言うなら、吉井。お前の行動は人として素晴らしいことだ。誇りに思え。」

「ありがとうございます。」

「俺はまだここで仕事があるからな。お前らも早めに教室に行った方がいい。それではこれから一年、勉学に励みつつ、楽しめっ!」

「「「はい!それでは失礼します。」」」

 

西村先生に会釈をし脇を通り抜けて校舎へと向かう。その後ろから。

 

「そうだ、吉井!木下と土屋に会ったら伝えといてくれっ!教師を殴るとは何事かっ!と。」

 

それを聞いた瞬間、僕と瑞希ちゃん、穂里ちゃんから苦笑が漏れてしまう。

 

「分かりました。でも先生の方が先に会うかもしれないですね。」

「そうですね。校門に立っていますし、先生の方が先かも知れません。」

「優子ちゃんと見間違えないでくださいね。」

「む。それもそうだな。お前らはいつも纏まっているからつい勘違いしてしまった。姫野、俺は生徒を1人として見間違えたことはないぞ。ほれ、早く教室に行け。」

 

手で追い払うような仕草をする西村先生を視界の端に収めつつ再び会釈をして今度こそ校舎に向かう。

 

 

「さて、結構早い時間に学校に来ちゃったし、穂里ちゃん、Aクラスまで一緒に行くよ。」

「明君、良いんですか?」

「多分だけど、まだ誰も来てないと思うんだ。」

「そうですね。私達が早く来たのもありますし…。」

「誰か来るまで1人だと少し心細いでしょ?なら誰か来るまでは僕達と雑談でもしていようよ。」

「…でしたら、お願いします。」

「もちろんっ。」

「もちろんですっ。」

 

僕たちは新校舎のAクラスに向かって歩みを進めた。

 

 

目の前に現れたのは通常の5倍はあろうかという広さを持つ教室だった。

 

「「「………。」」」

 

あまりにも広すぎて僕らは言葉を発せなかった。

 

「…この教室、一体いくらかかってるんでしょうか。」

「…この学校の学費、それなりに安かったですよね。」

「…パッと見ただけでもプラズマテレビ、リクライニングシート、個人冷蔵庫があるよ。」

 

大きな窓から教室の中を見ていると、見慣れた人物が居た。その人物もこちらに気がつくとこちらに歩いてきて教室から出てきた。

 

「……おはよう、吉井、瑞希、穂里。」

「おはよう、霧島さん。」

「「おはようございます、翔子ちゃん。」」

 

この人は霧島翔子さん。僕の親友の雄二の妻「誰が妻だっ!」おっと、何処からか雄二の声が。じゃなくて彼女だ。

 

「……吉井は良い人。」

 

おっと、心を読まれたみたいだ。

 

「そうですよね、明久君は優しくて良い人なんです。でも鈍感すぎて困ってます。

「それが明君の魅力的なところですから。わたし達分かりやすいアピールをしてるんですけどね。

 

2人も褒めてくれたけど、最後の方は何を言ってるのか聞こえなかった。なんて言ったんだろう?

 

「……それよりも3人ともAクラス?」

「ううん、僕は途中退室しちゃったからFクラスだよ。」

「私も途中退室してしまったのでFクラスです。」

「わたしはAクラスです。」

「……そう。」

 

霧島さんが少し残念そうな表情している。よく見ると穂里ちゃんも残念そうな表情だ。

 

「霧島さんもいる事だし僕達も教室に行くね。」

「あっはい。行きましょうか。」

「それじゃあ穂里ちゃん、また昼休みに。霧島さんもまた。」

「またお昼休みにですね、穂里ちゃん。翔子ちゃんもまた。」

「はい、またお昼休みにですね。明君、瑞希ちゃん。」

「……うん、また。吉井、瑞希。」

 

僕らは穂里ちゃんと霧島さんと別れて新校舎の廊下を歩く。

 

「瑞希ちゃんが羨ましいです。同じクラスで。」

「……大丈夫、吉井も瑞希もすぐにAクラスに来れると思う。だって、雄二が…」

 

後ろから2人が話している声が聞こえる。何を話しているか分からないけど。

 

 

「……ねぇ、僕たちはいつ山に迷い込んだんだろか。」

「……迷い込んでないですよ。Aクラスから真っ直ぐここまで来たんですから。」

 

僕たちの目の前には古びた壁と扉、木製のクラスプレートがあった。

 

「ま、まあ外観だけボロくて中は普通かもしれないし…。」

「そ、そうですね。早く、入りましょう。」

 

ガラッ

 

「おっ、おっす明h…」

 

ガラッパタン

 

「「………。」」

 

一度開けた扉を閉めた。沈黙が辺りを漂う。なんていうか想像以上の教室だったのは間違いない。途中で親友に似た声が聞こえたけど。瑞希ちゃんの方を見ると瑞希ちゃんもこちらを見ている。視線を交えて同時に頷くと覚悟して再び扉を開けた。

 

ガラッ

 

「「………。」」

 

開けた先は先程見た景色と一緒だった。井草の匂いがするちょっと古くなった畳、使い古されたちゃぶ台、草臥れた座布団、煤けた窓ガラス、古くなった黒板。そんなちょっとした昭和の風景が目の前にあった。そしてガタが来ていそうな教壇に雄二が立っていた。

 

「何で開けたのに閉めるんだ、明久。」

「おはよう雄二。」

「おはようございます坂本君。」

「おう、おはよう。」

 

朝だからとりあえず挨拶しないとね。一瞬間を空けて。

 

「「どうして雄二(坂本君)がFクラスにいるんだ(ですか)!?」」

「うおっ、同時に叫ぶなんて、流石だな。」

「そういう事を聞いてんじゃない。霧島さんと一緒じゃなくていいの?」

「そうですよっ。翔子ちゃん、一緒のクラスになれるって喜んでましたのにっ。」

「ああ。翔子にはちゃんと説明してあるし、納得してくれてるから大丈夫だ。……まぁその代わり処女を捧げられたけどな…

 

雄二が最後の方なんか言ってたけど、小さくて聞かなかった。

 

「ま、まぁ俺も目的があってこのクラス(Fクラス)に来たんだ。」

「そうなんだ。ところで座席ってどうなってるの?」

「自由だぞ。」

「…流石は最低クラスだね。」

 

座席すら決まってないなんて。

 

「本当ですか、坂本君っ!座席は自由なんですねっ!」

「あ、ああ。本当だぞ、姫路。」

「分かりましたっ!明久君、一緒に座りましょう!」

 

珍しく雄二が瑞希ちゃんに気押されていた。じゃなくて。

 

「瑞希ちゃん、自由ってのはそういう事じゃなくて。」

「場所が自由なだけだぞ、姫路。」

「…分かってます。」

 

ちょっと興奮状態だったから顔を赤らめていて、気まずそうに目を逸らしている。そういう顔も可愛いけどさ。

 

「たく。天然がすぎるぞ、姫路。」

「…すみません。」

「まあ良いじゃ無いか、雄二。霧島さんもたまに天然でしょ?」

「それもそうだがな…。まぁいい。ところでお前ら、この後どうするんだ?」

「そうだなぁ、とりあえず勉強かな?ちょっと苦手なところも克服しときたいし。」

「私も苦手なところがあるので勉強ですね。」

「お前ら2人とも勉強か。俺も混ぜてもらって良いか?俺も伸ばせるところを伸ばしときたいし。」

「もちろん。」

「もちろんです。」

 

僕らは他のクラスメイトが来るまで勉強をするのだった。




〜グダグダコーナー〜

藤「ここではこのシリーズの登場キャラを1〜3人呼んで本編とは関係なく雑談するコーナーです。初回という事で今回は明久と瑞希、穂里のこのシリーズの幼馴染みたちを呼んじゃいたいと思いまーす。それでは、どうぞっ!」
「初めまして、吉井明久です!」
「は、初めまして、姫路瑞希でしゅ!」
「初めまして、姫野穂里でしゅ!」
藤「はい、初めまして。瑞希さんと穂里さんは緊張している?」
「「は、はい。」」
「瑞希ちゃん、穂里ちゃん、落ち着こう?」
藤「ここはゆったり雑談するコーナーだから緊張せずいこう?甘い物でも食べながらさ。はい、高級チョコ。」

コトリ←小包のチョコが入った置き物を置く。

藤「ほら食べなよ。それと普段通りの喋り方でいいからさ。」ぺりぺり
「「うう、噛んじゃいました。あ、ありがとうございます。」」ぺりぺり
「ありがとう。それで雑談って何話すのさ。」ぺりぺり
藤「何でもいいよ。このシリーズの結末とかこの先の展開とか。気になった事を聞いてもいいし、話題があるならそれについてでもいいし。和気藹々と話しててもいいくらいだよ。」
「「………。」」ぺりぺり…もぐもぐ…
「それならこの先の展開かな?どのくらいまで思いついているのさ。」
藤「とりあえず夏休み辺りまでかな?そこから先はまだ未定だよ。」
「「………。」」ぺりぺり…もぐもぐ…
「ふぅん。そこまで思いついてるならスラスラ書けそうだね。」
藤「実はそこまででもないんだ。アイデアはあってもそれを書く文章力が乏しいからね…。」
「「………。」」ぺりぺり…もぐもぐ…
「うわぁ。それは悲惨だね。…って瑞希ちゃん、穂里ちゃん、さっきから静かだけどどうしたの?」
藤「本当だ。それに顔が赤いよ?」
「ほんとだっ!瑞希ちゃん、穂里ちゃん、熱でも出てき「になることが…」た…。んっ…?」
藤「なになに、なんて言ったの?」
「そこっ、食いつくな作者!」
「気になることが…あります…。」
「何が気になるの、瑞希ちゃん?」
「はい…とても大事な事です…。」
「何が大事な事なの穂里ちゃん?」
藤「どーぞ、何でも聞いてよ。」
「「このシリーズは、私(わたし)と穂里ちゃん(瑞希ちゃん)がヒロインなんですよね…?なら。」」 

顔を赤らめて蕩けた表情でこちらを見る。

「「どちらが明久君(明君)と付き合うんですかっ!」」
「うわっ勢いが凄いっ!?てか少しアルコールの匂いがする?」
藤「あちゃー、ウィスキーボンボンが混じってたみたいだね。」
「何呑気に言ってるんだ、作者!」
「そうですよっ!どうなんですかっ!」
「真面目に答えて下さいっ!」
藤「どっちだろうね〜。」
「作者、答えなくていいからねっ!?気になるけど。」
「「分かりましたっ!今から明久君(明君)にちゅーするので決めてください!」」
「ちょ、ちょっと待って、2人とも。とりあえず落ち着k…。」
「「いきますよっ、明久君(明君)!」」
「まっ、待って…うわっ!」
藤「女の子2人乗られるなんてやるね、明久。」
「ちょっ「んっ…」と、作者見て「んっ…」ないで助け「んっ…」「んっ…」2人とも落ち着こう!?作者もなんか言って…。」
藤「次回も宜しく〜。」
「助けろよっ、作者ぁ!」
藤「嬉しいくせにぃ。」
「「さぁ明久君(明君)まだまだ終わりませんよ?」」
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