俺は、亜鐘学園に通うことになった高校一年生だ。この亜鐘学園に通う生徒には前世に関する記憶がある。この学園は、そんな人を集め世界の驚異となっている存在から守る者を育成するために作られた学園である。
そして、今日はその学園の入学式というわけだが、どうやら俺は眠ってしまったらしい。
なぜ自分が眠っているのがわかるのかって?それは、夢を見ているからだよ。
この学園に通う生徒は、前世の記憶を夢という形で見ることが出来る。前世に関わることは、人によって多い少ないはあるが、それぞれが前世のことを見ること出来る。
(俺に関しては、転生という形で前世を与えられているんだけどな)
芳野竜一は、転生者である。彼は、この世界のいわゆるイレギュラーなのだ。
俺は、前世の、記憶をあまり多く見ることが出来ない。見るのは、大抵戦場で闘っているところばかりだ。日常に関しての記憶が全くない。故に、|前世においての自分がどんなだったのかが良くわかっていない《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》。
「王よ、お疲れ様です」
ふと、後ろから声を掛けられた。そちらを向けば、流れるように綺麗な金色の髪を持つ女性が立っていた。
「アナティアか、終わったよ。これから城に戻る」
「ええ、そうね。みんなあなたの帰りを心待ちにしているはずよ。何といっても貴方は、わたしたちの国の王様なんだもの」
そう、いたずらな笑みを浮かべながら言ってくる彼女には、とても愛くるしい物を感じる。
「そう言うなら君もだろう?何といっても君も円卓の騎士の一人。ランスロット卿なのだから」
「そうね、でも今の私があるのも全ては貴方が居てくれたからよ」
そう言って私のほうに体を寄せてくる彼女。
「民が待っているのであろう?こんなところでゆっくりしていてもいいのか?」
「お願い。もう少しだけこの状態でいさせて・・・」
私は、その言葉を聞きしばし彼女のことを優しく抱きしめた。
・
・
・
・
「・・・・・・ありがとう。もういいわ」
「そうか、アナティアよ。私はこれからも国のために先陣立っていくつもりだ。これからも、私と共に付いてきてくれるか?」
「ええ、貴方が望むならいつまでも付いて行くわ」
それから、私たちはどちらともなく顔を近づける。彼女の潤んだ瞳が近くなりお互いの吐息が感じられるほど近づいた。その時、突如に強い衝撃を受け夢はそこで終わった。
「・・・・てぇ、誰だよまったく」
そう言って痛む頭を押さえつつ顔を上げる。するとどうだろうか?目の前には、先程までの夢で隣にいた彼女と瓜二つの少女がいるではないか。未だに、夢の中なのかと一瞬疑ってみたものの頭の痛みがこれが現実であることを物語っている。
彼女の顔に見とれているとさらに顔をこちらに近付けてきた。
(まさか、こんな形で夢の続きが!?なんて大胆なんだ・・・)
そう思って、目をつむると衝撃が来た。唇・・・・・ではなく額に。要するに、彼女がしたのは、キスではなく“頭突き”だったのだ。
「っ!?!!!?!?!??ってぇぇぇぇぇえぇえぇえええぇえぇえ」
まるで石の直撃を受けたような痛みだった。
「ふんっ!あなたも、此処にいるということは前世では英雄だったのでしょう?それなのに、入学式でこうも堂々と爆睡するのはどういうことなの!?」
「んなこといってもな、校長の話とか聞いててもつまんねえし」
俺がそう言うと、目の前の彼女は、右手で拳を作り今にも殴ろうとしているのが視界に移る。
「!?まてまて、これ以上は勘弁だ。さすがに、これ以上頭を殴られたらバカになっちまうだろう!」
「知らないわよ!?なんで、あなたみたいな人がここにいるのよ」
そんなこと言われてもなあ、此処に来たのは前世の記憶があるからって理由だしな。そんなことを考えていると唐突に彼女は語りだしていた。
「貴方みたいな人は私が尊敬する人には程遠いわ。彼は、自分の国と民を守るために先陣を切って戦っていたわ。その戦う様は、まるで地上に墜ちし星の様だったわ。彼は、私に言ってくれたわ。『私と共にこれからも付いてきてくれないかって』だから、私はそれからもすっと彼のそばに居続けたの」
彼女の話はとても信じられないほど懐かしいと感じるものがあった。それに最後のほうなど、まさに先ほど見ていた夢の内容と酷似していたのだから。俺は、無意識にある言葉を発した。それは、自分の持つ希望であるかのようにしかしそんなことはあり得ないと思う自分が居るのかとてもか細いものだった。
「・・・アナティア」
「!?今何て言ったの?」
「ああ、悪い。君の話を聞いてたら無意識のうちに言っていたようだ。アナティアって言ってね。俺の前世で俺のことを支えてくれたとても大切な存在なんだ。すまないな、君の話を聞いていたらついな」
そう言うと彼女は、今にも泣きそうな顔へと変わっていた。
「!?おい、急にどうしたんだよ」
「・・・と・・・・・えた」
「?」
彼女の言葉をうまく聞き取れなかったため聞き返してしまった。
「やっと・・・会え・・た」
えっ?それって・・・
「ここに来れば会えるんじゃないかと期待してここにきて本当に会えた。ひさしぶりです、アーサー」
彼女の言った言葉は、とても信じられなかった。しかし、彼女の表情を見る限り間違いないだろう。
前世というはるか昔に一緒だった彼女が時代を超え、世界を超えまた逢うことが出来た。これを奇跡と言わずに何と言うのか。しかし、今の俺はそんなのはどうでもよかった。ただ、彼女との再会を大いに喜びあうほうが今は大切なのだ。
「アナティア」
「アーサー」
2人して周りのことを気にしないで抱き合っていた。
今日、この場所で俺は前世で大切だった彼女との再会を果たした。
みなさん、」1年間お疲れさまでした。後十数分で新年となりますがこれからも更新に時間がかかってしまうと思いますがこれからも宜しくお願いします。
乾燥も随時待っていますのでよろしくお願いします。