乙女ゲーの中で一人だけハクスラしてる奴   作:むりむりちきん

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小説書き慣れてないので読みにくいかもしれません。
読みにくいところがあったら指摘してくださるとありがたいです。


はじめてのてんせい

 かつて世に溢れていた人智を超えた化け物、『妖』。

 神々の力を借りることでそれらを滅する者、『御子』。

 そんな御子としての力に目覚めた主人公は、御子を育てる名門の学園に入学することになる、

 

 それが、この世界…『百鬼語』のストーリーだ。

 そして俺、『上泉 鏡花』はそんな世界に転生した。前世の死因は覚えてない。

 

 百鬼語というゲームは、一言で言えば乙女ゲーである。こういう類のゲームにしては珍しく、主人公の見た目を弄れたり、一人称や話し方を選べたりするなどの要素が備わっていたが、ストーリーは割と正統派な感じだった。

 

 一応戦闘や素材を集めて武器を作るハクスラ要素もあったが、まあ本筋が乙女ゲーなのであまりクオリティは高くない……という事は無く。このゲームのハクスラ要素は、この要素だけでゲームとして成り立つほどに完成度が高かった。

 そのせいか、乙女ゲーであるのにも関わらず、プレイヤーの四割が男性だった。もはや乙女ゲーの皮を被ったハクスラゲーだろ。

 かく言う俺も、ハクスラ要素に心を惹かれてこのゲームをプレイしていた者の一人であり。全ての武器を作成し、エンドコンテンツやDLCも全クリするくらいにはハマっていた。一応恋愛要素も一通りクリアした。

 そんな世界に転生したのなら、やる事は一つ。

 

 そう、ハクスラだ。

 この世界には大量のダンジョンが存在する。ストーリー本筋に絡むダンジョンは7つのみだが、寄り道用のダンジョンやエンドコンテンツ、さらにDLCで追加されたダンジョンも含めれば数え切れないほどダンジョンが存在するのだ。目指すは全制覇!

 

 とはいえ、ゲームのストーリーを全無視する訳にもいかない。バッドエンドを引き当てると世界が滅ぶからだ。この世界に存在するダンジョンを制覇するまで俺は死ねない。

 

 という訳で、ちょっとだけ主人公…『津国(つぐに) (ゆう)』の手助けをしようと思う。主人公は美少女(公式設定)なので探せば直ぐに見つかると思うんだが…。

 …周りに美男美女しかいないせいでわからん。モブまで顔が良いのおかしいだろ。俺への当てつけか???

 

「ごめん、ちょっといいかな?」

 

 お?

 

「良ければダンジョン攻略に付き合って欲しいんだ。もちろん、用事があるなら断ってくれていいんだけど…」

 

 主人公の方から話しかけてきた!?!?

 


 

「引き受けてくれてありがとう。あのままだったら一人でダンジョンに潜ることになってたよ」

「気にしなくて良いよ。俺も行く気だったし」

 

 主人公と話しながら迷宮内部を歩く。因みにこの世界の主人公は僕っ子のボーイッシュ系美少女だった。

 話を聞いたところ、他の人も誘ってみたが全て断られてしまったらしい。ここは原作通りだ。

 まあ、周りから見た主人公ってとんでもなく羨ましい存在だからなあ…。

 

 基本的に御子になるには神に力を示して認めてもらう必要がある。そのため、御子たちは血の滲むほどの努力を積んで神に認めてもらうところがスタートラインだ。

 そんな彼らから見ると、少し前までは普通の学生なのにいきなり神の加護を得て、特待生としてこの学園に入学してきた主人公は非常に恵まれているように見えるのだ。嫉妬するのも無理はない。

 本人からすると、平和に暮らしてたらいきなり「貴女には国のために戦ってもらいます!拒否権はありません!」って言われてるような感じだから、羨まれる筋合いは無いんだけどね。

 

「そういえば、鏡花さんはどんな風に戦うの?僕は基本的には遠距離から攻撃する戦い方なんだけど…」

「別に呼び捨てでいいよ?俺は近距離特化だよ。だから飛ぶ敵が出てきたら任せっきりになっちゃうんだよね」

 

 このダンジョン『小鬼の巣窟』は名前の通り小鬼…ゴブリンみたいな妖が沢山出てくるのだが、稀に黒影鳥という妖が出現する。そいつに飛ばれると、日本刀しか持っていない俺は何も出来なくなる。

 なので、主人公には是非とも頑張って黒影鳥を撃ち落として欲しい。

 お、早速小鬼が二匹出てきた。

 

「津国さん、気をつけて」

「わかった!」

 

 取り敢えず俺が前に出てヘイトを買う。そのまま俺が全員切り捨ててもいいが、津国がどれくらい戦えるか気になるので攻撃は出来るだけしないようにする。

 

「破魔の矢!」

 

 主人公が攻撃を放つ。この技はゲーム開始直後から覚えている弱めな技だが、小鬼程度なら容易く貫ける。

 放たれた三発の矢は二体の小鬼に命中し…

 

「ぐえっ」

 

余った一発は俺の体に激突した。

 

「わあーーッ!ごめん!!」

 

 さてはクソエイムだなオメー。

 

 

「本当にごめんなさい…!」

「全然大丈夫だからそんなに気にしないで?」

 

 この後十発ほど誤射された俺は、死ぬほど申し訳なさそうな主人公に謝罪されていた。マジで大丈夫だからそんなに気にしないでほしい。

 

「初心者なら誤射くらい誰でもやるよ。俺みたいに当てても問題ない相手と練習してる時は誤射なんて気にせずにどんどん撃った方がいい」

 

 別にダンジョン内なら死んでも生き返れるし。

 ダンジョン内で死んでも、『霊気』を失ってしまうだけなので特に問題ない。霊気というのは、ステータスを上げる時に使うやつだ。

 

「うん、わかった…。ごめんね…」

「そういう時はごめんじゃ無くてありがとうっていうもんだよ」

 


 

 その後は一時間ほどダンジョンに居座った。合計で三十発くらい誤射されたが、後半は誤射の頻度が少なくなってたので上出来だと思う。

 

「今日はありがとう!すごく助かったよ!」

「どういたしまして。俺の方も助かったよ」

 

 やっぱり誰かと二人でで潜ると楽だな。背後の心配をしなくてもいいし、飛ぶ敵への対処法があるのはありがたい。

 

「あ、あの!もしよかったら、次も一緒にダンジョン行かない…?」

 

 お゛お゛ん…。どうしようか。……まあ別にいっか。序盤から脱却したら攻略対象との絡みが増えるだろうし。

 

「うん、大丈夫だよ。じゃあ次もよろしくね?」

「うん!よろしく!」

 

 これから少しの間は楽できそうだ。




鏡花「そういえばなんで俺に声かけたの?」
優「身長が僕と同じぐらいだったのと話しかけやすい見た目だったから…(160cm)」
鏡花「……そっか(163cm、女顔)」
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