Akeenohi -アケノヒ-   作:大化

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第十六話 集う旗の元

爆煙が地を覆い尽くす。空は、紅く裂けたまま閉じることを忘れたように燃え続けていた。

 

徳川の戦艦群は、七田土佐のアレックス率いる船団によって封じられている。

 

だが――それでも曽是の守りは揺るがない。

 

瀬名姫、そして二機の人型絡繰は以前健在。

 

それに加え、山本勘助による呪術の指揮の下、地上の兵たちは勢いを増していた。次々と送り込まれる絡繰兵と死者を操る呪兵。

それはまさに、圧倒的な暴力の波。

 

無限の兵団に、ミーハオ・トリニティを退けた夜刀達が応戦する。

 

「ッ…!参ったねぇこれは…!これじゃカエデちゃん達を助けるどころじゃないよ、頭領!」

 

「泣き言言ってる暇があんなら1体でも多くぶった斬るんだな、芳ニ!」

 

芳ニが瞬時に呪術兵の首を飛ばし、50銭が蹴散らす。

それでもやはり、兵の数は増える一方であった。

ミネは内心焦りを感じながらも、命令を飛ばす。

 

「殲滅する必要はありません!深追いせずリスクの低い戦法を取り、足止めに徹しなさい!ここで戦い続ける事が重要なのです!ワタクシ達が引き付けた分、助かる命があると心得なさい!」

 

「そういうこと⭐︎どっちがぶっ倒れるか…耐久勝負なら得意〜⭐︎」

 

しかし、夜刀達が新たに湧き出た軍勢に斬りかかろうとした、その時。

 

地が鳴る。空気が震える。空からではない。地下から何かが這い出すような、不気味な地鳴り。

前方の丘を突き破るようにして巨大な骸骨武者の軍勢が姿を現した。

 

一体、また一体――まるで地獄の底から現れた亡者のような武者たち。その先頭に立つのは、一人の偉丈夫。

 

漆黒の鎧に身を包み、大太刀を肩に担ぎ、髑髏の仮面をつけたその男が、咆哮する。

 

「久しいな、曽是の小僧。年貢の納め時だ」

 

その声だけで、戦場が凍りつく。

 

薩摩国領主――イシン。

 

彼の背後には、山二つ分はあろうかという超巨大なガシャドクロが控えている。

 

「いつまでも骨のねぇ戦、続けてんじゃねぇ。情けも、義理も捨てた戦に意味なんざねぇだろうが!」

 

ガシャドクロの大軍勢が、イシンの号令と共に地響きを立てて突進を開始する。

 

徳川の兵達が次々と粉砕される。その様子は、まさに死の突風だった。

 

次いで、轟音と共に戦車部隊が戦場を斜めに横切った。

 

地面が抉られ、砲塔が火を噴く。

 

ミネ達の視線が向いた先――戦車の上に立つのは、サーフェイス。

 

戦車の砲身を徳川の陣へ向けながら、肩にガトリングを構えるその姿に、かつての迷いを持った男の面影はない。

 

「今こそ、豊臣の恩義に報いる時!!行くぞ、野郎共!!」

 

砲撃の嵐が始まる。戦車の機動力を活かして、挟撃を仕掛けるように徳川の兵達を囲み、砲火で制圧する。

 

「な、なんと…」

 

「これは…デビ?何故武器を収めるのです?」

 

「そりゃあね。あれだけの援軍が来れば流石にアタシ達はお役御免でしょ⭐︎」

 

そう言ってデビが背後を示すと、イシンやサーフェイスとはまた別の軍勢がこちらに迫っているのがわかった。

 

その数ーー

 

「ざっくり見て4、5万ってとこかな?なかなかやるねぇ、『北条』も⭐︎」

 

地を埋め尽くす大軍勢。

その先頭には重厚な守りに身を包んだカザミの姿があった。

 

「遅ればせながら、我らが北条軍!カエデ殿への恩義へ報いる為、助太刀致します!!」

 

号令と共に北条の軍が突撃を開始する。

 

3国の連合軍がここに集い、遂に戦況は動いた。

 

そして、最終決戦の扉が、ついに開かれようとしていた――。

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