一歩踏み出す 二度と戻れぬ
三千世界の 血の海へ
朝、目が覚める。
起き上がると、視界は見慣れた自室で満たされる。高校3年生の自分にとってはいつも通りの朝だ。眼鏡をかけ、眠い目を擦りながら朝食を作りに台所に向かう。今日は休日、学校に行くわけではない。しかし、暇を持て余すわけでもない。
最近あった出来事の後始末をしにいくのだ。
本来なら自分の父親としなければならないことだが、自分のプライドがそれを許さない。父親に頼るくらいなら、友人に頼る。
アイツのことを友人と呼ぶのは少し言いづらく、気恥ずかしさもあるが。
彼は軽口を叩きながらも引き受けてくれた。
中学生の頃はかなり喧嘩をすることが多かったらしいが、今の彼がそういうことをするような人間には見えない。
かなり常識人というか、周りの人間のツッコミ役にさせられている場面が多いように思う。
そうこう考えているうちに朝食が出来上がる。早めに家を出なければいけないので、簡単なものになってしまったが、今日は拘らなくてもいいだろう。朝食を終える。
自分は普通の人間とは違う種族だ。見た目に違いはないが、特殊な能力を持っているのだ。
そして自分はこの種族であることに誇りを持っている。種族の長とも言える人物は世界を死のない世界に戻したかったらしいが、なんとか止めることに成功した。
今日向かうのはその長が潜んでいた影の中の跡地だ。戦いは終わったものの、残留者の確認や回収作業はするべきだろう。
白地の衣装に身を包む。
種族の証である五角形の十字を衣服にしまう。
玄関で靴を履き、ドアノブに手をかける。
ドアを開けると少し目が眩む。
日光が強いからだろうか。
目線を下げ、そのまま一歩踏み出し、
西洋風の石畳が眼前に広がる。
は?
脳が一瞬理解を拒む。一旦落ち着くために家の中に入ろうと振り返り、
視界は西洋風の建物を映す。
どういうことだ。
自分の帰る家すら無くなっている。
この時点でかなり受け入れ難い状況なのだが、さらに現実が降りかかる。
知らない動物、恐竜のようなナニかが荷台を運んでいるのだ。上には人が乗っている。かなり中世ヨーロッパのような服装だ。
少しずつ目の前の現実を受け入れていく。周りを見てみると、かなり人が多くいる。店も多く並び、かなり繁盛しているようだ。
どうやらここは市街地らしい。
状況を受け入れる。
自分は現実離れしすぎている異世界に来たらしい。
しかし、ずっと唖然としているだけでは何も始まらない。
周辺を見て回ろう。
そう思ったところで、
「そこの君、少しいいかい?」
赤い髪の男に話しかけられる。
肯定の頷きを返す。
「見慣れない服装の人がずっと立ち止まっていたからね。
気になったんだ。
自己紹介させてもらおう。ラインハルトだ。
よろしく頼む。君は?」
悩んでしまう。
ここで自分の本名を言っていいものか。
しかし、自分はこの世界で迷子になっているようなものだ。できれば話を聞きたい。
それを頼む相手に嘘をつくのは気が引ける。
自分は、
「僕は、石田雨竜だ。
よろしく頼むよ、ラインハルト君。」
小説とか初めて書いたわ。
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