【青学三次】青学最終兵器部部長、その名は── 作:向こう側に立つんは、俺か?
601:名無しの青学生
うわあ出てる! ユスティナ聖徒会出てるよ!
602:名無しの青学生
ミサイルの威力が原作よりも低くてどうなるかと思ったけど、なんとか原作通りに進んだか?
603:名無しの青学生
トリニティ、ゲヘナ側の戦力が原作より多かったけど、奇襲による混乱もあったからアリウスもなんとか戒律の守護者確保できたな。
604:名無しの青学生
いやーミサイル強化されるとか聞いた時はどうしようかと思ったけど、なんとかなって良かった良かった。
605:名無しの青学生
私よく知らないんだけど、ユスティナ聖徒会とか戒律の守護者って何?
ミメシスがなんかコピーお化け召喚システムみたいなのは知ってる。
606:名無しの青学生
なんでそこだけ?
まあいい、その説明をする前に今の銀河の状況を理解する必要がある。少し長くなるぞ。
607:名無しの青学生
長くなってもいいから聞かせろ定期
608:名無しの青学生
>>607 己の師に詳しく聞くといい。
609:名無しの青学生
ほんと強いなこの語録!
610:名無しの青学生
あー、簡単に説明すると……簡単に説明できねぇわ
611:名無しの青学生
俺馬鹿だからよくわかんねぇけどよぉ……馬鹿だからわかんねぇわ。
612:名無しの青学生
本当に信じられん馬鹿どもだヨ!!
613:名無しの青学生
あの場面ではマジでそう定期
614:名無しの青学生
まぁとにかく、考えるな感じろっていうか……
615:名無しの青学生
あー、昔ユスティナ聖徒会っていう戒律破るやつぶっ殺しチームが居て……今、エデン条約って戒律に違反するやつぶっ殺しミメシスになってるみたいな。
616:名無しの青学生
めちゃくちゃざっくりで草。
617:名無しの青学生
でもユスティナとやらゲヘナとトリニティ全部襲ってない?
その説明だと戒律……エデン条約に違反したやつしか襲わないのでは?
618:名無しの青学生
そこをこねくり回してるのがアリウス。
エデン条約にはETOっていう両校の問題を解決するための集団が作られる予定だったんだけど、そこにアリウスがスライディングで滑り込んでセーフを勝ち取った。
619:名無しの青学生
なんで野球風だよ
620:名無しの青学生
しかも別にスライディングするまででもなかった気がするが。
621:名無しの青学生
この世界ではスライディング必要だったろ!
622:名無しの青学生
それでETOになったアリウスが、ユスティナはん! あいつら戒律破ってますよ! ほんと頭に来ますよ! 一緒にやっちまいましょうよユスティナはん! ってやってるのが今。
623:名無しの青学生
クソ適当で草。
624:名無しの青学生
大体合ってる
625:名無しの青学生
合ってるか?
626:名無しの青学生
詳しくは原作読め!
627:名無しの青学生
原作ないんですけどこの世界
628:名無しの青学生
まあそんなわけでユスティナミメシスが猛威を奮ってるってわけよ
629:名無しの青学生
こいつら倒せないんだっけ?
630:名無しの青学生
倒せはするんだけど死なないっぽい? 大元なんとかしないと無限湧きし続けるギミックボス的なアレ。
631:名無しの青学生
大元はアツコだったよね?
632:名無しの青学生
そうそう。アツコがロイヤルブラッド……ユスティナの血縁だからFateで言うマスター的な役割してる感じ。
633:名無しの青学生
だからアツコ一点狙いが最適解なんだけど……
634:名無しの青学生
まあそんなことが初見で分かるわけもなく。
635:名無しの青学生
みんなまともにユスティナの相手してますね……
636:名無しの青学生
まあこれはしょうがない、実情知ってないと分かるわけないもん
637:名無しの青学生
それで実情知ってる俺らは別に共有する気無いって言う……
うん、これは悪評立ってもしょうがないな!
638:名無しの青学生
しょうがないじゃんここで教えてアツコ倒させちゃったらそこで第3部、完! になっちゃうんだから!
639:名無しの青学生
それだとアズサが自分は人殺しだって気に病むこともなく……私たちの物語が発生することもなく……アリウスももしかしたら全部捕まるか?
640:名無しの青学生
原作結構ぐちゃぐちゃになって草。
641:★七武生
だから絶対教えるなよ。
642:名無しの青学生
うわぁ七武! 急に現れるな!
643:名無しの青学生
七武生今後始末のための根回しだなんだかんだで走り回ってるんじゃ無いの?
644:★七武生
少し暇ができたから様子見に来た。
今どんな感じだ?
645:名無しの青学生
どんな感じも何も……見ての通り現れたユスティナと戦闘中だよ。
646:名無しの青学生
この後確か皆で先生逃がすんだっけか
647:名無しの青学生
ここは俺に任せてお前は先生を!
648:名無しの青学生
それで先生目の前で撃たれてヒナがトラウマ抱えるって言う
649:名無しの青学生
いやでも、原作よりもミサイルの威力低かったせいで結構皆戦えてるな?
先生が撃たれるような事態にならないんじゃないの? これ?
……いや別に撃たれて欲しいわけじゃないけどさ!
650:名無しの青学生
うーん確かに……でも先生が撃たれないくらいだったらまあ……あんまり影響無いか……? どうだろう……。
651:名無しの青学生
別にしばらく意識失ってればいい感じに進むんじゃないの?
652:★七武生
ふむ……細かい問題はあるが、良い感じに進んでいる感じか。
よし、このまま行こう。ゲヘナ・トリニティ両スパイはこのまま状況に流されてくれ。流れを変えないように。
653:名無しの青学生
細かいか? これ?
654:名無しの青学生
んーまーいいや! りょーかい、ティーパーティースパイこのまま長いものに巻かれまーす!
655:名無しの青学生
>>654それいつものことだろ
656:名無しの青学生
ゲヘナスパイもこのまま後ろからトリニティ狙ってまーす!
657:名無しの青学生
>>656 狙うな狙うな
658:名無しの青学生
>>656 こいつもうアリウスだろ
659:★最終部長
ちょっと待てよ!
660:名無しの青学生
何です?
661:名無しの青学生
何です?
662:名無しの青学生
何です?
663:名無しの青学生
お前らこんな状況でもネタには爆速で反応すんのなんなの?
664:名無しの青学生
それが〜1番〜
665:名無しの青学生
大事なわけねぇだろ
666:名無しの青学生
急な裏切り。
667:名無しの青学生
で、何なの?
668:★最終部長
なんか浮いてるミメシス居たんだけど、こんなの居たっけ?
669:名無しの青学生
ほんとだ……う……浮いてる……すげぇ……
670:名無しの青学生
あっなっ!? 身体がハリツケになってくよオォォ〜〜!? (アツコ)
671:名無しの青学生
デンジみたいなアツコやだな……
672:名無しの青学生
それはそれとして、浮いてるミメシスなんて居たっけ?
673:名無しの青学生
原作読んだの何年前だと思ってんだ、覚えてるわけないだろ。
674:名無しの青学生
何誇らしげに言ってんだ。俺もそうだけど。
675:名無しの青学生
水着のミメシス出てきたのだけは覚えてるんだけどなあ……
676:名無しの青学生
>>675 スケベ心逞しすぎるだろ。
んー見た感じ結構な高度にいる感じか。
数メートルとかの話じゃなく間違いなく数十メートル浮いてるよなこれ。
しかも浮いてて分かりづらいけどかなりデカい。
何これ?
677:名無しの青学生
そんなもんより当然のように上空に陣取って迷彩しながら空撮映像届けてるやつがいるんですが
678:名無しの青学生
最終兵器部はルール無用だろ
679:名無しの青学生
ともかく、確かに浮いてはいるけど、銃弾は届くわけだし問題ないんじゃ……ツルギは怪しいかもだけどヒナなら届くっしょ
680:名無しの青学生
……ヒナが銃弾撃ち込んだら他のミメシスでバカガードしなかったこいつ?
681:名無しの青学生
しましたねえ……ってか今もやってますねえ……
682:名無しの青学生
ヒナに撃たれた瞬間に周囲にミメシス生み出してそいつに攻撃肩代わりさせて……そのミメシスはそのまま落として兵力にするって……何こいつ?
683:名無しの青学生
いや……ミメシスを産むミメシス? 何それそんなん居た?
684:名無しの青学生
流石に居なかったと思う……けど。
685:名無しの青学生
マジで覚えてねえ
686:名無しの青学生
ていうかあいつヤバくね?
上空に浮いててろくな攻撃届かない上に、撃ち込んでもバカガードしてくるとか
687:名無しの青学生
倒せなくね? アレ
ハジけるしかない?
688:名無しの青学生
ブルーアーカイブがギャグ漫画になってしまう
689:名無しの青学生
いやふざけてる場合じゃないでしょこれ
先生は……なんとか逃がせてるみたいだけど。
690:名無しの青学生
さすがトリニティとゲヘナのトップ戦力揃ってるだけはある……
原作より敵戦力多いはずなのに足手纏いきっちり逃がしきるなんて
691:名無しの青学生
足手纏いド直球で草。
692:名無しの青学生
実際今の状況では足手纏いなのはそう。
多分シッテムの箱落ちてるよな?
693:名無しの青学生
この状況でシッテムの箱取り出そうとしてないからおそらく
694:名無しの青学生
原作より威力落ちてたとはいえ、どっちにしろ先生にとっては致命傷だしな。
アロナが全力でバリア貼ったろ。
695:名無しの青学生
それで今無力な先生として皆に逃がされて……
無力な女先生……何されても抵抗できない……ハッ! 閃いた!
696:名無しの青学生
>>695 通報した。
697:名無しの青学生
別に先生の同人作ることは止めないけどタイミング見計らえよ
698:名無しの青学生
>>697 いや止めろ。
699:名無しの青学生
……なんか、あの浮いてるミメシス、どんどんミメシス産み落としてね?
700:名無しの青学生
産み落とす(物理)
701:名無しの青学生
どっちもミメシス呼びだと分かりづらいな
702:名無しの青学生
いやほんとどんどん増えてんだけど?
原作でもこんな数いた?
703:名無しの青学生
いや流石に居なかったと思う……?
704:名無しの青学生
……しかもなんか……ミメシスが淡く光って……強化されてない?
705:名無しの青学生
こちらトリニティスパイ! 急に敵がかったくなった!
706:名無しの青学生
こちらゲヘナスパイ! 多分耐久だけじゃなく攻撃力も上がったっぽい? 攻撃痛ったい!
707:名無しの青学生
博士! これはいったい!?
708:名無しの青学生
残念だったなあ、トリックだよ。
◇
「……凄いね、これがマダムに渡された聖遺物とやらの力?」
「ああ、そうだ。名は"複製偽典"。偽物……本物が存在し、複製されたモノに対してのみ力を与える聖遺物。ミメシスとの相性はこの上なく良い」
銃撃音が鳴り響く戦場。
調印に成功し、ユスティナ聖徒会のミメシスをその手中に納めたアリウススクワッドは、さらにそのミメシスに聖遺物の力を注ぐ。
それによって生み出された自分たち優位の戦場に、スクワッドの1人、戒野ミサキが思わず、と言った感じで出した問いかけに律儀に返答し、スクワッドのリーダー、錠前サオリは戦況を見定める。
問題はない、サオリはそう判断する。
強化されたミメシスの力は強大だ。
トリニティとゲヘナの2大校の人員を相手にしても全く引けを取らない。作戦開始前の想定より敵戦力が多いのは気にかかるが……イレギュラーが無ければこのまま制圧できるはず。彼女はそう考えた。
「皆さん苦しそうですね……辛そうですね……。でも仕方がないですよね……全ては虚しいモノなんですから……」
そんな彼女のそばでそんな言葉を口に出すのは、スクワッドの狙撃手、槌永ヒヨリ。
そのスコープを覗き、戦場を見渡し……己に下された任務通り彼女の動向に注意しつつ、そう口に出す。
「ヒヨリ、優勢だからと言って気を抜くな。お前は奴から目を離すんじゃない──要注意戦力、空崎ヒナ。奴は自由にしてはならない。マダムからの命令だ」
「分かってます……えへへ……。でも、何ででしょうね……? あの人、確かに強いです……。ですが要注意と言われるほどではないと思うんですが……」
「私たちが考えることじゃない。命令に従え」
「……了解です、リーダー」
そう言い残し、再び監視に戻るヒヨリ。
それを見送るとサオリも戦場に加わっていく。
勝利を確かなものにするために。
◇
714:名無しの青学生
いやなんか皆どんどん分断されてね?
715:名無しの青学生
敵に(おそらく)強化入ってからは一体倒すのにも結構手間がかかるようになったな
716:名無しの青学生
いやまあゲヘナとトリニティで連携とか取れるわけないんだから離れて戦うのは合理的っちゃ合理的だけど……
717:名無しの青学生
ゲヘナ同士、トリニティ同士でも離されてますね……
718:名無しの青学生
かなり押されてる
719:名無しの青学生
本来はここに原作より大幅強化されたミサイル喰らうはずだったってマジ?
720:名無しの青学生
いやーすり替え……やっといて良かったですね……やらなかったらパーフェクトゲームだったよこれ
721:名無しの青学生
やっといたからこそ押されてはいるけどギリギリ戦線は維持できてるしね……
722:名無しの青学生
維持してるこっちは必死なんですけど!?
723:名無しの青学生
ちょっと最終部長上空にいるんでしょ!? 無敵の神秘でなんとかしてくださいよォォ──ッ!
724:★最終部長
ごめん、許可出てないから……
725:名無しの青学生
ンィ──ッ!
726:★最終部長
まあでも心配しなくていいよ
727:名無しの青学生
は!? なんで……ってうわっ!? ……え?
728:名無しの青学生
なんだなんだどうしたどうした
729:名無しの青学生
いや、今……ミメシスが数体抜けてきて私に飛びかかってきたんだけど……飛びかかってきた勢いのまま頭から地面に突っ込んでそのまま消えてった……
730:名無しの青学生
草
731:名無しの青学生
草
732:名無しの青学生
草
733:名無しの青学生
この緊迫した場面でふざけてんじゃないよ
734:名無しの青学生
いやほんとだって!
735:★最終部長
>>729は本当だよ。
こっちがやったから
736:名無しの青学生
はい?
737:★最終部長
さっき心配しなくて良いって言ったのはこれやってるからだよ。
上空からどうしてもヤバそうな時だけ光落としてミメシス倒してる。
738:名無しの青学生
無駄に上空に居たことに理由あったんですか!?
739:名無しの青学生
バカとなんとかは高いところが好きってアレだと思ってた……
740:★最終部長
>>738 >>739 酷ない?
741:名無しの青学生
ってか……最終部長が送ってくる空撮映像ずっと見てるけど光落ちてる様子とか無くない?
742:★最終部長
そりゃあ万が一にもバレないように超極細にしてるから。
肉眼じゃまず見えないよ。
743:名無しの青学生
超うすほそ!?
744:名無しの青学生
とにかくうすほそにはご退場願う……子供と間違われてリスクしかないからな……
745:名無しの青学生
>>744 なんだぁ? テメェ……
746:名無しの青学生
>>745 キレた!
747:名無しの青学生
まあまあ、うすほそも良いものだよ……
でも私はデカ盛りが好きです。(鋼の意志)
748:名無しの青学生
>>747 なんだぁ? テメェ……
749:名無しの青学生
>>748 キレた!
750:名無しの青学生
キレすぎ
751:名無しの青学生
禁断のキレ芸"2度打ち"
752:名無しの青学生
それより言われてから集中して見てるけどマジで見えねぇ。
そんなもんが上空から狙いすまして降ってくるとかクソゲーすぎる。
753:名無しの青学生
これその気になれば一切痕跡を残すことなく狙撃してヘイロー破壊とか出来るんじゃ……味方でよかった……
754:名無しの青学生
でも戦況には影響してないな。
いややばいとこにしか撃ち込まないんなら当然だけど。
755:名無しの青学生
いやーどんどん数増えてないミメシス?
756:名無しの青学生
どんどんどんどん増えている!
757:名無しの青学生
アツコ以外にも浮いてるミメシス……分かりづらいなミメシスロードとでも呼ぶか。
あいつが産むせいでかなり増えてるし。
758:名無しの青学生
しかも一体一体が強化されてるせいでさっきまで一蹴してたのがそれなりに手間取ってるし。
759:名無しの青学生
一蹴出来てたのはネームド生徒だけでこっちはキツイんですけど!?
760:名無しの青学生
>>759 ガンバ。
どうしてもヤバい時は助けてもらえるんだし良いじゃん。
761:名無しの青学生
ンィ──!!
762:名無しの青学生
ん? なんだ? なんかミメシスが一気にヒナに突撃して行って……?
763:名無しの青学生
……自爆したんだけどお!?
◇
戦場に爆発音が鳴り響く。
発生源は……自分。
「げほっ……げほっ……!」
受けたダメージと周りを覆う砂埃に思わず咳き込む。不意を突かれ防御が間に合わなかった。いや、間に合っても数十体規模での自爆、ダメージは避けられなかっただろうが。
(まさか……自爆するとは……)
大きく舞った砂埃故か追撃は止まっている。今のうちに息を整え態勢を立て直す。
「すぅー……ふぅー……」
状況は悪い。息を整えても失った体力が戻るわけでは無く、受けたダメージが癒えるわけでもない。しかし、あの厄介な青白い発光体たちを相手するためにはやらなければならない。
(本当に面倒で……厄介……)
心の中でそう毒づく。
数でもって押してくる発光体。それ自体はまだなんとかなる脅威だ。味方戦力とは分断され援護はないとはいえ、時間さえかければ自分なら倒し切れる。問題は……。
(問題はあの……宙に浮いている発光体。私がどれだけ雑兵を倒しても、あれが即座に補充して、あまつさえ……私の感覚が間違っていなければ強化さえしている)
そう。
今も空中からこちらを睥睨しているであろうヤツ。
アレがいる限りおそらくこの戦いに終わりはない。
(まるでこの前姉さんとやったゲームみたい。後衛から前衛を支援して、何度も復活させてくる……ヒーラー、だったかしら)
ついこの間姉と遊んだことを思い出し、息を整えながらもくすりと笑う。
あの時、姉も言っていた。ヒーラーは真っ先に狙うことがセオリーだと。故に、何度も隙を見つけては狙ってみたが……。
(ダメだった。アレは即座に雑兵を生み出し、遠距離からの攻撃に対して身代わりとして使う。私では距離が離れていてはその守りを突破できない。……姉さんならこの距離からでも問題無く貫けるのに……)
ダメージがかさんでいることもあってか、思考はネガティブに向かう。その思考を首を振って無理やり元に戻す。
(ともかく、アレを倒すためには近づくしかない。けれど……そのための手段がない。この周辺には高度のある建物はないし……思い切り跳んでもあそこまでは届かない。トリニティの土地勘なんてないから高い建物があるであろう場所も分からない。……だめ、打つ手が無い。せめて……建物とは言わない。信号機なんかでも良い。せめて何か踏み台があれば……)
そこまで考えたところで、閃く。
(踏み台……踏み台は、ある。アレは、雑兵を補充、身代わりにする時、空中から産み落とす。上手くそれに乗ることが出来れば……!)
考え付きはしたが、相当に苦しい策だ。
産み落とされた雑兵を完璧なタイミングで踏み台にして空中を駆け上る。
タイミングをミスした瞬間終わりだし、1度失敗すれば、ヤツはもう2度とこの策にはかからないだろう。1発で決める必要がある。
(それでも……このまま戦い続けるだけじゃジリ貧。賭けるしか……ない!)
そう決意し、ヒナは整え終わった息を鋭く吐き、勢いよく砂埃の中から飛び出して行った。
遠い勝機を目指して。
◇
776:名無しの青学生
……出て来た! 煙の中から飛び出して来た!
傷は増えてるけど……無事っぽい!
777:名無しの青学生
いや傷増えてる時点で無事じゃないけどな。
でも戦闘続行は出来てるみたいで良かった……。
778:名無しの青学生
いや流石にヤバかったらのんきしてる最終部長が助け舟出してるでしょ
779:名無しの青学生
あ、そうじゃん! 姉なのに妹助けようとしないなんて恥ずかしくないんですか!?
780:★最終部長
は……恥ずかしく……ないっ!
781:名無しの青学生
マジで恥ずかしそうなやつやめろ
782:★最終部長
まあ冗談はさておいて。
戦場に介入する許可も降りてないし、何よりヒナ自身に助けを求められたわけでもない。なら動かないよ。
783:名無しの青学生
助けを求められてないなら動かないってちょっと薄情じゃな〜い?
784:名無しの青学生
命の危険がない限りはって話だろ? 別に人それぞれじゃない?
それより……
785:名無しの青学生
それより自爆だよ自爆! ミメシスってあんなんしてくんの!?
786:名無しの青学生
いや……ふわあっと消えるのは知ってるけど……
787:名無しの青学生
ミサイルといいこれ明らかに原作より難易度上がってない?
788:名無しの青学生
多分マダムがなんかしたと思われるが……
789:名無しの青学生
なんかってなんだよ
790:名無しの青学生
いやでも一応押されてはいるけど戦えてはいるし……
791:名無しの青学生
この後アズサがアツコ襲撃して一時的にユスティナの盟約の機能不全起こすんだっけ? そこまで耐えられれば……
792:名無しの青学生
アツコ襲撃であの浮いてるやつ……ミメシスロードだっけ? も消えるなら良いけど消えなかったらどうすんの?
793:名無しの青学生
どうしましょうねえ……
794:名無しの青学生
いや流石に消え……消え……
795:名無しの青学生
こう原作からズレちゃってると断言できませんねえ!
796:名無しの青学生
所詮俺らは原作知識で未来を予知した気でいるだけの敗北者じゃけぇ……
797:名無しの青学生
ハァ……ハァ……敗北者!?
798:名無しの青学生
いやもうまったくもって……おっしゃる通りです……!
799:名無しの青学生
草。
800:名無しの青学生
……ん? なんかヒナが大きく下がった?
801:名無しの青学生
え? 勢いよく飛び出した後雑兵蹴散らしてたでしょ? 手こずってはいたけど。
なんかあった? もしかして本当は傷が深かった?
802:名無しの青学生
いや今まで戦えてたし、別に大きなダメージ受けた様子も無かったけど……
803:名無しの青学生
……ってなんだ!? なんか急にミメシスロードに大量に弾丸撃ち込み始めた!
804:名無しの青学生
数撃ちゃ当たるって? 流石に無理だと思われるが……
805:名無しの青学生
てかやるならやるで最初からやってれば良いのに
806:名無しの青学生
結果は……うん。
807:名無しの青学生
大量にミメシス産み出してバカガードしてますね……
808:名無しの青学生
全弾防がれて1発も届いてない……
809:名無しの青学生
しかも大量に産み出させたせいで、順調に減らしてたミメシス雑兵が補充されちゃ……うぅ!?
810:名無しの青学生
ヒナがぁ!? 産み落とされたミメシスを踏みしめてぇ!?
811:名無しの青学生
飛んだぁ!!
◇
大きく助走をつけ、空中に浮かぶヤツ目掛けて突っ込む。
地上の戦力を大きく減らし、空中には大量の足場が産み出された。
チャンスはここにしかない。
空中のミメシスを踏み台にして、空へ一気に駆け上る。
(5体。5体経由すれば私ならあの高さまでたどり着ける)
空中から乱れ降って来るミメシスを視界に入れ、そう算段をつける。
目をつけた5体を完璧なタイミングで足場に出来たなら、ヤツの至近に到達できる。
チャンスはたった一度。
失敗すればもう二度と通らないだろう危険な賭け。
だけどもう踏み出した。
行くしかない。
1体目。
その背に助走の勢いを乗せた右足を突き刺し、横方向のベクトルを上へと転換する。
2体目。
その肩へ左足で着地。さらに加速しながら上へ。
3体目。
その腹を右足で思い切り踏みつける。
しかし、ここでヤツが私の狙いに気付いたのか、陣取っていたその場所から離脱しようとする。
──させない。
デストロイヤーによる発砲。
防御態勢を取らせ、ヤツをその場に縫い留める。
4体目。
先の発砲の反動で軌道がズレ、当初予定していた四体目には到達できず。
咄嗟に目の前に落ちて来ていた雑兵に左足を引っ掛け……身体をひねる。
デストロイヤーによる反動も使いながら体をひねり切り、位置を入れ替え……跳躍。
5体目。
速度は犠牲になったが、目をつけていた5体目に到着。
その頭に右足で着地し……渾身の力を籠め、最後の踏み込み。
ドンッ!
成功。
──踏み込んだ瞬間、確信が胸を満たす。
これなら届く。ヤツはその場から動けていない。
1回限りのチャンスを通した。
(取っ──)
──ダァンッ……!
その瞬間。
頭に衝撃。
そして……遠くから聞こえた銃撃音。
(狙……撃……? 誰が……どこから……?)
意味のない思考が頭を巡る。
傷は無い。この程度の狙撃で傷は負わない。
だが……致命的だ。
体勢が崩れていく。
ヤツに到達するはずだった軌道がズレていく。
掴んだと思った勝機が手のひらからこぼれていく。
そして私は……何もない空中に投げ出される。
「くっ……あぁッ!!」
苦し紛れに悪あがく。
落下しながらも、ヤツに渾身の銃弾をばらまく。
だが……。
ガガガガガッ!
当たったのは親玉ではなく雑兵。
産み出しによるガードが間に合う。
そしてその生み出された雑兵たちはそのまま、銃撃の反動で加速している私よりもさらに速く落下。
そして地面に着く直前、私との距離が限りなく近づいたタイミングで──自爆した。
再び、戦場に爆音が響く。
「……空中に生みばらまかれたミメシス。そのどれを踏み台にして、どのルートで跳んでくるのか。それは正直予測できませんでした……」
狙撃のため止めていた息を大きく吐き、呼吸を整えながら……ヒヨリは呟く。
「ですが……最後だけは予想できます。複製偽典に強化され、ミメシスを産み出せるようになったユスティナ……ラケル。そこにもっとも近い、もっとも高い位置にいるミメシス。そことラケルを繋ぐ直線。そこだけを見ていれば……狙撃は可能です」
呼吸を整え終え、スコープをミメシスが再び自爆した場所へと向ける。
そこから何かが飛び出してくる様子は……無い。
「にしても、ミメシスたちを足場にしてあそこまで駆け上ろうとするなんて……。要注意戦力と言われるだけありますね……。ですが、結局はその奮闘も……虚しいものでした……」