旧聖杯戦争 fate/ OLD NEW (仮名) 作:tase
「コラーーー!!またんか!カイト〜〜〜!!!まだまだお祈りが終わっておらんぞ〜!」
「はん!そんなめんどくさいことやってられっかよ!」
「なんたる冒涜!またんかー!!!」
「捕まえてみろや!クソジジイ!」
中東ある地方に存在する街、アルテジアにある教会の外にてに二つの声が響いた。
一人は、中学生くらいの男の子と一人はカソックを着た神父らしき初老の人。二人は鬼ごっこのように走っていた。
「捕まってたまるかよ。また長い説教を正座で聞くのは勘弁だ!」
と走り男の子は教会の角を曲がると、何かに躓き前向きに倒れた。走っていた為勢いがついておりズザザザッと派手に転んだ。
「いてぇなんだ!」
と振り返ると角の死角に大きめの本を持った女の子が座って足を前に出し読んでいた。
男の子がつまづいたのはこの足によるものだということがわかる。
「おい!レイラ何しやがる!」
と男の子が言うと同い年に近い女の子、レイラが言う。
「いい加減捕まりなよ。あんまりうるさいと読書の邪魔よカイト。」
と男の子、カイトに向かって言う。
「いつも読書ばっかで静かすぎる奴に言われたかねぇよ!てかこんな隅で本を読んでいてコミュ障のやつに言われたかねぇよ!」
「私のことを貶すのはいいけど。いいの?逃げなくて。」
と、レイラがカイトの後ろを見る。カイトは後ろからくる威圧感にギギギギと鳴るかのように後ろを見ると鬼の形相をした神父がいた。
「捕まえた。」
と言うとカイトの頭を片手でヘッドロックをするように掴み上げる。逃げようと暴れるが神父の腕は微動だにせず意味がなかった。
「離せ〜!怪力ジジィ!」
暴れるカイトをヘッドロックで持ち上げたまま教会の中に入っていく。それに釣られてレイラも本を読みながらついていった。
「ばかもん!」
神父の声が教会に響き渡った。その声で近くに止まっていた鳥たちが一斉に飛び立つ。
教会の真ん中にてカイトは正座させられ目の前には神父が立っている。レイラは教会の椅子にて座って相変わらず本を読んでいた。カイトは耳を塞ぎながら言う。
「うるせぇ。」
「まったくお前は何回言わせれば気が済むんじゃ!ご飯の後には必ず全ての恵んだ方への礼の言葉を言うと言ったるじゃろう!まったく食べたらすぐ出て来おって!」
「だってすぐ遊びに行きたかったから。」
「しっかりとやることやってから行け!それならこうは怒られんのに!」
「どうせあんたのことだからその後に掃除とか言うだろうが!」
「当たり前じゃろう!今日はお前の当番じゃろが!まったくお前と同世代の子たちはすでに新たな生活をしてるって言うのにお前は!」
「他の奴らは関係ないだろ!」
と言い合っていると教会の奥からシスター服を着た20代女性が出てくる。
「まあまあゼンゼ神父。そのくらいにしましょう。カイトも十分理解したでしょうし。」
「まったく!シスターシィラ!お前が甘やかすからこうなるんじゃぞ!少しは厳しくせんと!」
女性シィラは言う。
「それより街の皆さんから新鮮な野菜が届いたんですよ。今日の夜ご飯に使おうと思うんです。」
「ああこれはいい野菜じゃ。ありがたく頂こう。」
と言い神父はシスターが抱える野菜を見て言う。
「カイト。もう良いお前への罰はしっかりと掃除をする事にして不問としよう。しっかりとするんじゃぞ!」
「へいへい。」
と言ってカイトは立つと。
「何?まだ罰が必要か?」
「あー聞こえない!掃除行って来まーす!」
と言って走るように掃除場へと向かった。それについて行くようにレイラも出ていった。
「まったく。あやつももうちょっとしっかりしてくれんかの。」
と言ってゼンゼ神父はため息をつく。
「それより神父このような便りが届いておりました。」
と言いシスターは一つの封筒を渡して来た。
「聖堂教会から?」
と言って封を切り中の内容を確認する。神父の目が一通り内容を見ると畳んでしまう。
「何か書いてありましたか?」
「近々本部に来てほしいとのことだ。恐らく今回の聖杯戦争についてじゃろう。」
と、真面目な声になり言うとシスターシィラの顔も険しくなる。
「遂に間近になりましたか。」
「ああ。この教会に何かないといいのだが。」
「まったく。本当の父親でもないのにジジイめんどくせぇ。」
教会の裏山にてカイトは道にある石を蹴りながら歩いていた。掃除を終えて遊びに来ていた。
「しっかりとやらないからだよ。カイト。やることはしっかりとやってからやりたいことをやるこれ常識。」
後ろをついてくるレイラが言う。
「ってかなんでお前俺について来てんだよ。いつも教会で本読んでるじゃねーか。」
「なんとなく。」
「どっか行け、俺は一人でいたいんだよ。」
「そう言わないでよ。リューはシスターになるために違う町の教会に行ったし、ロイは家族を見つけて養子になっていなくなったし、もう私たちしか孤児院にいないんだから。」
「だからって来るんじゃねーよ。」
と言って走り出し運動が苦手なレイラを置いて行った。
暫く走ると山の中あるそこそこ大きい川が見えて来た。近くは少し開けており、複数人がバーベキューしても余裕があるくらいの空間が広がっていた。そこまで来て後ろを振り返るがレイラが来ることはなかった。
「まったくあいつがいたら修行に集中できねぇ。」
そこで一息をつきいつもの作業を始める。その場に座り右手を前に出し目を閉じて集中する。
「集中しろ。考えろ。イメージしろ。」
と言い集中する。すると右手の甲が光だし、甲にⅥの文字が浮き出すと同時に差し出した手の中にとある長細い光が出てその光が収束すると同時にその光の大きさと同じ物質が出てそれを掴むと同時にカイトは目を開ける。
「よし。悪くない出来だ。」
そこには一本の日本刀があった。
「はあ!」
立ち上がりその一振りを振り下ろす。ブォンという音と同時に刀が空を切る。数回空を切るように振り続ける刃の部分と手持ちの部分の接合部分が折れた。
「やっぱダメか。完成度は上がってるんだけどな。」
最初は、たまたま本で見たこの刀を作ったことから始まった。最初は投影魔術を試した時だった。最初はもっと脆かった。一振り振ろうと振り上げた時点で折れた。
あのジジイに見せると肩を掴み「これは絶対に人前で使うな!わかったか!」と普段なら絶対にしないような剣幕でこちらを見たジジイが言った。あまりな剣幕に頷いた俺はこうやって誰もいない静かな空間で練習しつつ練度を高めている。そして作る際に手の甲に出るⅥの数字が出るが意味はわからない。
「よしこのまま続けるぞ!」
と言い、続けた。
それを続けていると昼過ぎだった時から水平線まで陽が傾いていた。
「あぁ。やっちまったこれ帰ったら夜になるじゃん。またジジイに怒られる。」
と言いカイトは帰路についた。来た道を歩きふと左手のⅥと言う数字が出た手とは違う手を見る。
「にしてもこれなんだろうな?火傷?にしてはなんか形が詳しすぎるんだよな。」
暗くなり始めた空に向かって手を挙げその印を見る。
「ジジイには気にするなと夜になるまでには絶対戻ってこいと言われたけど。まあいいか。ジジイがそう言うなら問題ないって事だろ。」
と歩き続けた。
「なんかおかしい。」
歩き続けいつもならもう教会が見えて来てもおかしくないほど歩いた。だが、周りはまだ木が生い茂っていた。
「絶対なんか可笑しい。何が起きて。」
と言うと同時にまるで首元にナイフが突きつけられるような気配を感じ、後ろを振り返る。がなにもなかった。
「あら貴方は、サーヴァントをまだ召喚してないマスターかしら?かわいそう。」
とどこからでもない声が聞こえてくる。カイトは慌てて周りを確認するが誰もいない。
「誰だ!」
「あら失礼。私を見たいの?なら姿を現すわね。」
と言い周りから地響きが鳴り続ける。周りから木が倒れる音が聞こえる。カイトは目を一度瞬きで閉じたと同時にいきなり前にでかい目が現れた。
カイトは慌てて後退り尻餅をつく。
それはでかい蛇だった。体長は、普通の蛇の大きさの比にならずカイトを丸呑みしても満腹にならない下手なB級映画のアナコンダよりも大きいサイズだった。
「ひっ!」
「あらごめんなさい。驚かせちゃった?」
と、その口を三日月のように曲げ蛇の特徴でもある舌をシュルルルと出した。その声の主がこの蛇からであるのがわかった。
「な、なんだよお前!」
「私?私は見ての通り蛇よ。」
と、蛇は言った。いつのまにか蛇の体がカイトの周りを囲むように動き逃げ場がなくなった。
「そ、そんなデカい蛇がいてたまるかよ!」
「それもそうね。」
と言い蛇から笑い声が聞こえる。
「にしても貴方私を前にしてサーヴァントを呼び出さないなんてまだ呼び出してないのかしら?だとしたら残念ねサーヴァントである私に見つかるなんて。」
「な、なんだよ!さっきからサーヴァント?やマスター?なんて!」
と言う言葉に対して蛇はさらに笑う。その声と同時に蛇全体の体が揺れ動き地面は湧き立った。
「本当に何も知らないマスターなのね!貴方教会で何も聞かされてないのね!」
「?ウ、ウチがなんだってんだよ!」
「いえ?知らないのなら良いわ。私はマスターを見つけたら確認して帰ってくるようマスターに言われてるから・・・・けど、ここまで来たならいずれ殺すマスターを放置する理由にはならないわよね?」
と言い口を開け近づいてくる。
(やばいやばいやばい!こいつ俺を食う気だ!さっきから何言ってるかわかんねーし!サーヴァント?やらマスターなんて意味わかんねーし!逃げねーと!)
と思い立つと踵を返すように後ろに走り出した。
「あら気づかなかった?もう貴方には逃げる道は無いわよ?私の体が周りを囲ってるし。」
と言い余裕があるように笑う。
走りながら前にある2メートルはあろうかと言う蛇の体を見て右手を前に出し集中する。
(イメージしろイメージしろイメージしろ!)
さっきと同じようにすると手が光だし手に刀が現れる。
「あれは令呪?いやサーヴァントは召喚されてないはずなら魔術かしら?」
と言う言葉を背にカイトは、遠投げするような動作をする。
「あら?貴方のそのちっぽけな刀ではアタシの体を片付けられないわよ?」
と、余裕のあるように蛇は言う。
(俺の目的はそっちじゃねぇ!)
刀を投げるとその刀は蛇の体の前の地面に突き刺さり直角になる。そして俺はその刀の前まで来るとジャンプし、その刀を踏み台にすることによってその2メートルは超えるサイズの体の上に乗ると同時にその上を走り出しジャンプし乗り越えた。
後ろから驚いたような声が聞こえるがそれを無視して走り出す。
(普段山の中を走り回って体力つけといて良かった〜!!)
走り続ける俺の後ろから木が倒れる音が聞こえる。蛇が踵を返して追ってくる気なのだろう。
無我夢中で走り続けると急にガクンと足が止まる。足場を見ると斜面になっており、真っ直ぐの地面を踏もうとした足は空振り斜面を転がり落ちるように回り続けた。
「うわぁ〜〜〜〜!!!!!」
と、回り続けるうちに意識を失った。
「はっ!」
気づくと俺は地面に倒れていた。どのくらい寝ていたのだろう。わからないが考えるよりも先に足を動かす。転がるうちに足を怪我したようで走るたび痛みが出て来たが気にしないようにしながら走る。
しばらく走ると少し開けた場所に出た。前には山小屋のような家が立っていた。
(よし!一旦あそこで休憩しよう!)
と思いながら中にに入った。
中は、山小屋に必要な物しかなく簡単なベッドと一晩だけ過ごせるようの物があった。山登りする人が来るような場所だった。
そこで気が抜けるようにへたり込んだ。
(っ!痛い。)
足を見ると転がっている最中に擦りむいたであろう傷がたくさん出来ていた。
「ってそんな暇はなかった!あの蛇が来た時ように何か準備を!ってなんだこりゃ?悪魔召喚のサークルか?」
床を見ると硬い床にまるで悪魔を召喚するようなサークルができていた。
「って、気にする暇はなかった!急げ何か刀を!」
と、集中し手が光出す。目を閉じて集中するといつもの光とは違いさらに強い光を放っていた。目を開けると手だけではなく下にあるサークルも光出した。不思議に思っていると外で音がする。
「あら、こんな所に隠れて逃げたつもりかな?」
と、先ほどの蛇の声が聞こえる。その声に驚き再び集中する。
「イメージしろイメージしろ!これまで見て来た中で最強の武器を!あのデカい蛇にも勝てる武器を!」
更に床のサークルが光出す。まるでカイトの思いに呼応するように。
「何?この光、まさかサーヴァントを召喚しようと!させるものですか!」
と言う声と同時に地響きが起きる。
「イメージしろ早く早く!」
光が強くなり辺り一体が光に包まれるそして蛇の体によって建物が壊された。
「ケホケホ!一体どうなったんだ?」
周りを見渡す。蛇の攻撃によって半壊した建物の中で俺はいた。まるでサークルだけを残して全てが消えていた。
周りを見渡すと蛇の大きな体が建物を囲うようにいた。その先に見える蛇の顔は驚愕となっていた。
何故なら建物を横に薙ぎ払うように動かした体がサークルのところで止まっていたからだ。
すぐ目の前に壁のようにある蛇の体は、ある一つの手によって止められていた。
止めていたのは少女だった。少し長めの赤い髪を一まとめにして凛と立つその華奢な姿は蛇の薙ぎ払いを止めたとは思えないような姿だった。
と同時に少女は止めていた蛇の体を手で押すとそれは飛んでいき遠くで地響きを立て落ちた。
尻餅をついた俺はその姿をただ見ることしかできなかった。こちらに背を向けるように立っていた少女はこちらに向いた。
前から見るとその優しい風貌と、カイトと同年代に見える姿はとても今さっきのようなことができたとは思えなかった。
カイトは呆然としていると少女は声を上げた。
「サーヴァント、セイバー召喚に応じ参上しました!所で一体これはどう言う状態なんでしょうか?」
と元気はつらつそうな声で戸惑ったような顔をしていた。