あなたは息を殺し、ゆっくりとオフィスの出入口へ近づく。
カーペットの上に積もった埃が、足跡となって残っていく。
静かすぎる。
風の音だけが、ビル全体を空洞みたいに鳴らしている。
扉は半開きだった。
あなたは指先でそっと押す。
ギィ……
嫌な音。
その瞬間。
「――ッ」
廊下の奥で何かが動いた。
反射的に身を引く。
暗い。
非常灯すら死んでいる。
だが、割れた窓から差し込む灰色の朝光で、輪郭だけは見えた。
人影。
背中を丸めている。
スーツ姿。
こちらに背を向けて、何かを床に這いつくばるようにしている。
……人?
同業者か?
いや。
違和感。
異様に細い。
肩幅がおかしい。
腕が長い。
そして――。
ぐちゃ……
ぐちゃ……
湿った音。
何かを食っている。
あなたは恐る恐る視線を下へ向ける。
床に倒れているのは、人間だった。
古びた作業服。
胸から下が、開いている。
内臓がない。
「……っ」
胃が縮む。
その瞬間。
廊下の人影が止まった。
ゆっくり。
本当にゆっくり。
首だけが180度近く回転した。
骨が鳴る。
ゴキ……ゴキゴキ……
見えた顔は、人間だった頃の名残をかろうじて残していた。
だが皮膚は灰色に乾き、眼球は白濁し、口元は裂けるほど開いている。
そして。
あなたと目が合った。
沈黙。
次の瞬間。
「――――ア゛ッ」
それは四足歩行のような姿勢で、異常な速度でこちらへ走り始めた。
速い。
人間じゃない。
廊下を爪が叩く音が響く。
ガガガガガガ!!
あなたの脳が警鐘を鳴らす。
逃げろ。
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緊急行動
1. オフィスに戻って扉を閉める
2. 近くの消火器を掴んで迎撃
3. 非常階段へ走る
4. 窓を使って別フロアへ移動を試みる
5. とっさに何か叫ぶ
6. 自由行動を書く
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〘2.近くの消火器を掴んで迎撃〙
あなたの視界の端。
壁際。
赤い消火器。
考えるより先に身体が動いていた。
「ッ、うおぉぉ!!」
あなたは消火器を掴み上げ、そのまま突進してくる“それ”へ叩きつける。
ゴッ!!
鈍い衝撃。
まともに頭へ入った。
普通の人間なら首が折れて倒れている。
だが。
「ギャッ……!!」
それは床へ転がりながらも、腕だけで這うように前進してくる。
速い。
気持ち悪い。
人間の動きじゃない。
白濁した目が、真っ直ぐあなたを見ている。
口から黒い液体を垂らしながら、裂けた喉で叫ぶ。
「ア゛ア゛ア゛ア゛――!!」
恐怖で身体が硬直しかける。
だがその瞬間。
営業マンとして培った、妙に現実的な感覚が働く。
(頭は効いてる……!)
あなたは反射的に安全ピンを抜いた。
そして。
噴射。
ブシュゥゥゥゥゥゥ!!
白い粉末が怪物の顔面へ直撃する。
「ギッ!? ギィィィ!!」
苦しむ。
目を押さえるように暴れる。
効いている。
粉末が呼吸器官か視覚器官を潰しているのかもしれない。
あなたはさらに押し込む。
噴射。
噴射。
白煙が廊下を覆う。
やがて。
怪物は壁へ激突し、そのまま動かなくなった。
静寂。
あなたの呼吸だけが荒い。
……勝った?
いや。
違う。
まだ分からない。
しかし。
少なくとも今は動いていない。
あなたは震える手で距離を取る。
その時。
廊下の奥から。
別の音。
ガリ……
ガリガリ……
何かを引きずる音。
ひとつじゃない。
複数。
そして、低い呻き声。
「ゥゥ……」
「ア゛……」
「……ァ……」
このビルには、まだいる。
かなり。
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状況更新
発見
“感染者”のような存在を確認
視覚・呼吸への刺激が有効かもしれない
打撃だけでは即死しない
入手
消火器(残量 小)
状態
恐怖
アドレナリン上昇
手が震えている
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廊下には、粉末越しに非常階段の案内灯が見える。
しかし、怪物たちの気配は下層から近づいている。
このフロアに留まるのは危険だ。
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どうする?
1. 非常階段へ向かう
2. オフィスへ戻って物資を探す
3. 倒した怪物を観察する
4. 窓から外への脱出経路を探す
5. 別の部屋へ侵入する
6. 自由行動を書く
〘4. 窓から外への脱出経路を探す〙
2.近くの消火器を掴んで迎撃
4. 窓から外への脱出経路を探す
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