「待てぇ~~い!!!ルパ~~~ン!!!」
「あばよ!とっつぁ~ん!」
「・・・ハー・・・ようやく終わりか」
「全くいい仕事したぜ!」
今日の標的は、ある富豪の残した遺産。
少しのスリルを味わいながらも、何時ものように無事に仕事を終える・・・
だが、今日は違った。
「んあっ!?バリケードォ!?」
「囲まれたでござるな・・・」
道の先にはパトカーで作られたバリケード。
そして両側には崖・・・つまりハメられていたのだった。
「オイオイ、どうすんだよ!」
「・・・しっかり掴まってな!」
「おいまさか・・・」
車は角度を90度変えると、そのまま崖へとアクセル全開で飛び込む。
着地したのは崖下にあった道路。これを見越してジャンプしたのだ。
車はオープンカー、勿論落ちたら唯では済まない。
「おのれルパン!!!」
「ハッハッハ!じゃあな~!」
「・・・ルパン・・・」
五右ェ門が青ざめた顔でルパンを見る。
「どした?ってオイ・・・」
「・・・次元がいない・・・」
「っつつつ・・・」
目が覚めると、眩しい朝日が差し込んでいた。
眩しい朝日・・・つまり外である。
「ったくルパンの奴・・・次会ったらどうしてやろうか・・・」
文句を言うにも聞く相手などいない。
いくら周りを見渡せど、木に、花に、草が生い茂るばかり。
建物の一つも見当たらなかった。
「んん・・・?ドコだ、此処・・・」
おかしい。少なくとも帰り道には、ビルの2本や3本も建っていた筈。
それに上から見た限り、ここまで広い森でも無かった。
一体どういう事だ?そう不信に思っていると、ガサ、と物音がした。
「!!」
そちらを見ても、何の姿も無い。
ゆっくりと近づいていくと、またガサ、と音がした。
(何か居るな・・・ルパンか、警察か・・・さあ、どっちだ?)
さらにその物音に近づいていく。
すぐ傍まで来たか、という所で銃を構え、一気に距離を詰めた。
そして顔の前に銃を突きつける。
「!?」
「・・・あれま、お嬢ちゃん」
目の前にいたのは、ルパンでも警察でもなく、・・・一人の幼い少女。
「・・・おじさん、誰?」
「ああ、おじさんは・・・次元って言うんだ。ちょっと道に迷ってね。」
「・・・へー。そうなのかー。」
少女は突きつけられた拳銃を指先で突っつき、首を傾げた。
常識のある人間ならそんな事はしないだろう。
その行為に度肝を抜かれていると、こう言われた。
「次元は、食べてもいい人類?」
「は?」
その瞬間、次元の帽子を黒い弾がかすめる。
弾は地面に着地し、ドン、という小爆発を立てた。
「さあ、逃げれば?逃げても食べるけどね。」
「マジかよ・・・」
次々と弾が打ち込まれる。
1分は経ったろうが、そろそろ体力が限界になってくる。
「うーん。当たらないなー。」
「ゼェ・・・ゼェ・・・どういう事だよ・・・」
先程からその少女は『宙に浮かび』、次元を追いかける。
どれだけ走ろうと、撒く事なんて出来ないのだ。
(とにかくまずい・・・アレに当たったら間違いなく死んじまう!)
(・・・気が引けるが、やるしかねえか)
「悪いな嬢ちゃん!くたばってもらうぜ!」
浮いている少女に標準を合わせ、鉛球を放つ。
弾は正確に少女の頭を貫き、少女は地面に落ちた。
「・・・胸糞悪りい事しちまったな」
「貴方」
「!?」
後ろから突き刺すように声が掛かる。
振り向くとそこには、金髪で赤いカチューシャをした女が顔色一つ変えず此方を見ている。
まずい、見られたか・・・そう思った時だった。
「大変だったわね。とにかく、家へ来るといいわ」
「・・・どうしてそうなる?」
こうして次元の幻想郷での生活は始まった。