転生したら人類最後のマスター・伏黒津美紀だった件 作:ゲーマーN
灰色の空、見覚えのある街並み、そして自宅から学校へと続く道。
そんな――――――――記憶の何処か。懐かしい光景。
ありふれた日常の空を、二つの影が駆け抜ける。
「ふざっけんじゃないわよ!! この、私が!!」
片や、昆虫の数多の生体機能を流用・特化させた肉の鎧を身に纏う千年前の呪術師。名を万。呪術の総量・出力共に平安の猛者と遜色なく、現代の術師とは比較にならない実力の彼女は――昏い炎と西洋剣を操る一人の男によって、敗北の間際へと追い詰められていた。
「――欲せよ! 願え!」
それは牢獄。或いは、虫籠と言うべきか。黒炎を凝固させた複数の巨大な爪が、肉の鎧を砕きながら万を拘束する。溢れ出る呪力――否、魔力のほどに、鎧の下で万は顔を引き攣らせ――
「恩讐の彼方より見届けよ! これぞ! 浄化の炎なれば! 『
因果レベルでの命中攻撃に肉薄するほどの、必殺の一。黒き炎は、万の我を一欠片も残さずに灼き尽くす。残ったのは、純然たる力のみ。平安の猛者の呪力と、彼女の持つ構築術式のみが、濾過された水のように、疑似東京――伏黒津美紀の精神世界へと溶け込んでいく。
炎を振り払い、自らの前に舞い降りた男と、郷愁に安堵、多くの感情が見て取れる顔をした津美紀は、徐ろに口を開いた。
「貴方には、言いたいことが沢山あるけど⋯⋯まずは、ありがとう。私の共犯者」
「⋯⋯やれやれ、おまえには驚かされる。何事かと我が目を疑ったぞ」
「驚いたのは私の方だよ。⋯⋯まさか、また会えるなんて⋯⋯」
人理漂白を破却した、人類最後のマスター。その記憶を持ち合わせたまま2016年に戻ってきた伏黒津美紀は、抑止力によって召喚された巌窟王と共に己の死を乗り越えた。
これは、人理の運行に関わるような大きな戦いではない――けれど、取り戻した自らの日常を守るためには避けられない
「――待て、しかして希望せよ。天の星々の全てが見ている。おまえの行く先にこそ、光はあると知るがいい。また会おう――我が共犯者よ」
伏黒津美紀(成り主)
呪術廻戦の伏黒津美紀に転生してしまい、どうやって生き残ればいいのかと考えていたものの、
なぜか藤丸立香と同様の経緯でカルデアに行くことになり、二部終章まで駆け抜けた元人類最後のマスター。
転生特典なのか、しっかりと人理修復の旅路の記憶を持ち込んだまま終章後へ。
原作通りに呪われたものの、レムレムした精神世界でサーヴァントとして召喚されたイドモンと共に万を討伐。
構築術式を得た状態で呪術廻戦の本編が開始する――!