IGLOOinC.E.75 作:124
ジャガンナート派旗艦ブルクハルトにて
「接近する機影あり!!機種識別……ザク、6機です!!」
「迎撃体制…!!」
「待ってくれ!!アンタ達の決起を聞いて馳せ参じたんだ、ここまで抜け出して来るのに無線機もイカれちまって……」
酷いノイズまみれで、音声のみの通信が入り、ブルクハルトに安堵の雰囲気が広がる。
「それで、コイツの弾は有るか?」
そう言って隊長機らしきザクウォーリアがMMI-M633 ビーム突撃銃を掲げて見せる
その時、ジャガンナートには、ザクにやや違和感を覚えた。
振った銃口を目で追った際に視線に入った細部に、通常のザクウォーリアとは異なる部位が見受けられるのだ。
その事を問えば、前の戦争以来、応急修理のまま治す余裕が無いという。
国防委員長としての権限を利用し、各地の部隊の装備の配備、補給状況は全て確認している
━━何かがおかしい、疑念が深まる
「前の戦争では何処に所属していた?」
言葉では、そう言いつつも手では部下に攻撃態勢を指示する。
「そりゃぁ」
「地 球 軍 だ よ」
ザクがビーム突撃銃を艦橋に向けると同時に、対空射撃がザクに向け発砲、機体にこそ命中しなかったものの、ライフルを弾き飛ばし、続く2発目が粉砕する。
「チィィッ」
ザクのパイロットが悪態を突き、それと同時に強力なジャミングが戦場を覆う。
「野蛮なナチュラルが卑怯な本性を現したぞ!撃て、撃て!!」
数刻前
ヨーツンヘイム格納庫で、フェデリコは数奇な再開を果たした。
「まさか、こんなところで再会するたぁな」
馴れ馴れしく話し掛けているように見せながら、他のクルーから気付かれぬように、拳銃を抜き突きつける
「言い訳はしないわ」
真っ直ぐに一点、相手の目を見据え、エンマ・ライヒは答えた。
エンマ・ライヒ
かつて連合軍に所属していたが、後に脱走
今はプラントに身を寄せていた
「……当時の上層部の、お前に向けられていた評価は知っている」
彼女は“白いジン”乗りだった。
“白いジン”
それはすなわち連合に所属していたコーディネーターと言う事だ。
貴重なMSを扱える人材にして━━同時に、いつ裏切るかわからない宇宙のバケモノ
そんな中、奇跡的な適正でMSを操縦できたフェデリコと組む事もあった多くあった。
しかしその度に、自分の惨めを思い知ることとなった。
自分達はロクな補給の与えられないまま、転戦に次ぐ転戦。
潤沢な補給に正確な情報を与えられるフェデリコ達とは天と地の差だ。
連合がMSの実用化に成功すれば、それはより顕著だった。
苛酷な戦場に放り出して、厄介払いに戦死させる。
それがありありと透けて見えた。
だから脱走した。
━━━━だが、何も変わらなかった。
ザフトから与えられた待遇は、連合以上に酷いものだった。「“一度裏切ったのだから、また裏切るのだろう”」
何もかもが馬鹿馬鹿しくなった。
だから、なにも感じなくなった。
心を圧し殺し、表面を取り繕い、73年の戦いではDP推進派、歌姫の騎士団、どちらにも付くことなく、静かにやり過ごした。
そして流されるまま、厄介払いにザフトから放り出される形で外部組織であるコンパスに放り込まれるのも当然の結果だったのだろう。
そして、ここで最悪の再会を果たした訳だ。
───彼の片眼を奪ったのは私なのだから。
IGLOOとしか指定されて居なかった為、2話「遠吠えは落日に染まった」より、ヒルドルブのenemy、セモベンテ隊と、漫画版よりゲム・カモフ隊の「偽旗作戦」を1チームとして登場させました。
これ以降スレが落ちた為どう執筆するか悩み処ですがですエンマ・ライヒの経歴に関してはスレでは好評でしたね。
【挿絵表示】
セモベンテ隊仕様のザクウォーリアです
ウィザードはイージーにも似た、特徴の無い四角い追加ブースターを背負っています。
また、一部パーツが連合製に代わったため、脚部が角張り、頭部がモノアイスリットの上下方向の切り込みがなくなって宇宙世紀ザクっぽくなっています。
この発想に思い至った経緯ですが
漫画IGLOOでジオン移籍後にMS乗れる→C.E.ではMSに適性が必要&コーディネーターはナチュラルに強い差別感情でナチュラルの移籍は難しい=連合時代からコーディネーターなら良いのでは?
と言う点から執筆しました。
そうしたら、脱走理由がスゥーっと入り込みました。