東方ニセモノ異変   作:そこけせ

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次回新章です
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あはははははははははははははははは!

              ───とある戦いの一幕



偽物が起こす影響の話

 顔を上げると、霊夢と魔理沙の二人が何かを喋りながら寛いでいた。

 

「ほらな、私の言った通りだろう」

「何の話?」

「最後の決め技」

「私はキノコの話を聞いていたはずなのだけれど」

「10倍美味しくなる方法は言った事があるはずだがな」

「30倍美味しくなる話は聞いていないわ」

「何言ってるんだ? 10倍美味しくなる方法を3回繰り返せばいいだろう*1

「それもそうね」

 

二人のもとに歩み寄り、問いかける。

 

「あの死体どうしますか?」

「ほっといたら勝手に回収されるわ」

「そうですか」

「案外一瞬だったな、お前の事だから怖気付くとでも思ってたぜ」

「流石にあそこで怖気付いていたら、剣士として生きていけません」

「お前剣士だったのか」

「あんた剣士だったのね」

「剣士ですよ!」

 

何故か罵倒された。本当に酷い。

 

その後も喋り続けていると、

 

「ん?」

「なっ」

「えっ」

 

 空が暗闇に包まれた。

 

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 同時刻

 人里周辺の森、いつもなら猟師や数多の妖怪が跋扈する薄暗い普通の森に、一つの暗く細く巨大な十字架が突き刺さっていた。

 

 その十字架は、天を衝くかの様な大きさの割にはまるで枯れ木の様な細さに見える。

 しかしその太さは並大抵の木より太い。しかも近づけば、突き刺さっているのは二本の足であることに気付くだろう。

 

 十字架は突き刺さっているので無く、地面を踏み締め()()()()()のだ。

 

 そしてその十字架が空を暗闇に包んだ張本人である。

 

 暗闇に包まれた空の下、細い顔をニヤリと歪ませた。

 

 同時刻

 人間の村、数多の魑魅魍魎が天下を取るこの幻想郷において、稀有な存在である人里から抜け出した者たちが作る楽園。

 しかし、そんな楽園は今、一人の神の手によって支配されていた。他ならぬその神が撒き散らす恐怖によって。

 

 一般的に厄神とされるその神は、その身に溜め込んだ厄を思う存分放っていた。

 

 外に逃げようとした人間は、()()()()濡れていた地面で足を滑らせ、()()()()倒れた方向に尖った石があり、()()()()首に刺さり、死んだ。

 

 それを見て家に閉じこもった人間は、()()()()家の棚が崩れ、()()()()其処にしまってあった包丁が、()()()()急所に刺さり、死んだ。

 

 その神がもたらす厄は、若き者、老いた者、立ち向かう者、逃げ出す者、閉じこもる者、祈る者、考える者、庇う者、庇われる者、強き者、弱き者、賢い者、愚かな者、優秀な者、愚鈍な者、好かれる者、嫌われる者、富める者、貧しき者、健康な者、病める者、潔白な者、罪を犯した者、全員を差別することなく、満遍なく行き渡った。

 

 全ての者が、平等に、運が悪かった。

 

 同時刻

 妖怪の山、個人主義の幻想郷では珍しく、組織的な営みが築かれるこの場所で白狼天狗が戦っていた。

 

 相対すは、虫。大量の、虫、虫、蟲、蟲、蟲!

 

 ある場所では、大量の蝗が立ち向かうものを食い尽くしていた。取り付かれた者から順に、肉片一つ残さず生きたまま貪り尽くされた。

 

 ある場所では、大量の蛾が微小な針を巻き散らせていた。刺さった者は、あまりの痛さに悶え苦しんで発狂しながら死んでいった。

 

 ある場所では、見えない虫が猛威を振るっていた。外の世界で言う、芽殖孤虫の様な性質を持つその虫は、哨戒中の白狼天狗の体内に入り込みその肉体を喰らっては増えを繰り返し、外傷の無い綺麗な遺体を増やしていった。

 

 いくら殺しても増え続ける虫を相手に、白狼天狗達は絶望的な戦いを繰り広げていった。

 

 同時刻

 地底、繁華街が立ち並び、退廃的な印象を抱かせる嫌われ者の行き着く果て。

 

 喧嘩が絶えないこの場所で、至る所から悲鳴(歓声)が聞こえてくる。

 

 中心街の建物は、軒並み吹っ飛び最早更地となっている。鬼達が殴り合い、怨霊同士で罵り合う。かと思えば太陽と見紛う程の光球が打ち上げられ、何者かによってかき消される。地面が揺れれば、今度は人影が打ち上げられる。

 

 地割れ、轟音、落石落盤、立ち上る土煙に、至る所に転がる妖怪達の死体の山。

 

 そもそもが喧嘩っ早い地帯の住人が二倍に増えたのだ。こうなるのは当然と言うしか無いだろう。

 

 天井にヒビが入り始めたことにすら気付かず、呑気に楽しく殺し合っている。

 

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 いきなり暗くなった空を他所に、私達は異変解決への準備をしていた。

 

 私はお祓い棒とお札、封魔針に陰陽玉のフル装備を準備する。

 

 魔理沙は八卦炉の燃料を取りに全速力で魔法の森へと向かっていった。

 

 妖夢は冥界へ帰り何かの準備をするらしい。

 

 ここからでも見えるほどの大きさの十字架を目指し出発しようとしたその矢先、

 

「待て」

 

 目の前に九尾の狐、八雲藍が現れる。

 

()()は放って置いて良い。可及的速やかに、地底に行ってもらいたい」

「何言ってるの。空を暗くしたのは()()に決まっているでしょう? 何で態々地底くんだりまで行かなきゃならないのよ」

「早く地底をどうにかしなければ幻想郷が滅ぶ」

 

 そう、苦々しげに言い放つ藍。

 

「どう言う事⁉︎ 何で滅ぶのよ、だったらあんたか、紫が行けば良いじゃ無い」

「紫様は寝ている、それに私も行けない事情がある」

「あー! もう! 何なのよ!」

 

 境界を越える偽物が現れたと思ったら、今度は滅ぶ⁉︎ しかもこんな時に限って紫の奴は寝ているだなんて。今日は本当に面倒臭い事しか起こらない。

 

「分かったわよ、行くわ」

「有難う、助かる」

「で、何すれば良いの」

「さとりに聞いてくれ、説明する時間は無い」

 

 そう言って、スキマを開くと、私をその中に放り投げた。

*1
※1000倍になります




Explanation:偽物
現在既出情報:偽物は本物を殺そうとする
現在判明情報:偽物は本物と同じ姿とは限らない
真偽不明情報:偽物の姿は本物に抱かれている印象によって変わる

Q:何か偽物の方向性が違う気がする
A:一応理由はある。ルーミアとかリグルに関してはバグみたいなもんだし。あと、ルーミアとリグルやばいよ
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