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人間の村崩壊か!? 惨劇を引き起こした犯人とは
───文々。新聞より抜粋
地獄回帰の話
不明
地霊殿、地底の統治者*1を主人に構える、数多くの動物が住むこの館に何人かの妖怪が館の執務室に集められた。
「で、私達は何で集められたんだろうねぇ」
土蜘蛛、黒谷ヤマメ。
「私が知ってるわけないじゃ無い」
橋姫、水橋パルスィ。
「それにしても綺麗な絨毯ね。妬ましい」
「そりゃあ、地底の統治者だもの。権威なんて見せびらかすのが当然さ」
そう軽口を叩き合う二人の他に、歓楽街を分割して統治する鬼達の姿も見える。その鬼達を仕切る鬼の姿は見えないが。
外から爆発音の様な音が聞こえる。おそらく誰かしらが戦っているのだろう、いつもの風景だ。
「それにしても派手に戦ってるねぇ。対戦カードはどんなもんか」
「どうせ鬼達の決闘でしょう。嗚呼、何て力なのかしら、妬ましい」
「それよりも呼んだ本人はいつくるんだ?」
そんな会話が交わされるほどには、地霊殿の主は客を待たせているらしい。
その時、
「待たせてごめんなさい」
執務室の扉を開け、この館の主、古明地さとりが入って来た。
そして、執務室窓側にある机の椅子に座ると、
「単刀直入に言うわ、もしかしたら、また地底を閉じるかもしれない」
「は?」
「何だと」
「また?」
登場早々放たれた一言を前に、固まる妖怪達。
「考えていることはわかるわ、けれど、今回は先の怨霊の件とは比べ物にならない程に、固く閉める」
「それよりも先に何故閉じるのかを言えっ!」
鬼の一人がさとりの胸ぐらを掴み、激しく問い詰める。前回の件に関して相当お冠らしい。*2
「嫌でもわかる事になる」
「そう言うことを聞いているんじゃない!」
「今は、何が起きているのか正確に伝えられる状況じゃない。だからこそ先に言っているのよ、また勝手に開けられたらたまったものじゃない」
「だから
「地底の住人の偽物が現れる、本物と同じ姿形で。こう言えば満足かしら」
「なっ」
何を言っているんだ? その言葉を聞いた妖怪達の胸中はそんな言葉で埋め尽くされた。
胸ぐらを掴んでいた鬼も、思わず手を離してしまう。
「はーい、質問」
「けほっ、けほっ、疑うなら証拠を見せてあげる」
手を挙げ質問をするヤマメの心を読み、咳き込みながらそう言うさとり。
「入って来て」
「わかったわ」
さとりの言葉と共に執務室に入って来たのは、さとりだった。
今度は驚きで埋め尽くされた妖怪達の心の中を見ながら、二人並ぶさとり。
「「これで信じてもらえたかしら」」
無言で頷く妖怪達。
「そう、良かった」
「じゃあ他の仕事してるわ」
そう言って片方のさとりは部屋を出ていった。
「あー、また質問で悪いんだけど偽物が出て何で閉じるの? 少なくとも友好的に見えたんだけど」
「私だからよ。鬼や怨霊達が友好的な訳がないでしょう」
「まぁ、確かに」
その言葉を聞いて、周りを見渡すヤマメ。目が合った鬼達は静かに目を逸らした。
「なら、何故私達を呼んだ?」
さとりの胸ぐらを掴んだ鬼とは違う鬼が、別の質問をする。
「貴方達にも協力して欲しい事があるからよ。それに関しては勇儀が来てから話すわ」
「それ以外に話せる事は無いのか」
「同じことを何回も説明したく無いの、それにもうすぐ来ると思うから寛いでいて良いわ」
そう言って椅子に深く座り込み寛ぐさとり。
他の面々もする事がないので静かに話し合う。
「で、どう思う?」
「そうね、他に聞きたい事がありすぎる、それにやりすぎじゃ無いかしら」
「何が?」
「私たちを呼んだと言う事は、地底に入ろうとする者を止めるためでしょう。つまりは閉じるのに時間がかかるのよ、前は何も言わずに時間をかけず閉じれていたのに」
「要は本気で閉じるつもりだと?」
「そう言う事ね」
「ま、勇儀が来ない事にはわからないけど」
そう結論付けた時、部屋の扉が開いた。
「悪い、遅くなった」
「想起「聖白蓮」」
扉の音と共に入って来た勇儀目掛けて、目にも止まらぬ速度で体当たりをするさとり。
体当たりをまともに食らった勇儀は、扉を突き抜け向かいの部屋も巻き込みながら地霊殿の外へと吹っ飛んでいく。幸いにも、巻き込まれた者はいなかった。
いきなりの出来事に動きを止める妖怪達。今日は驚いてばかりな気がする。
「何してんだ!」
「あれは偽物よ」
「何でわかる!」
「本物の方は、
そう言ってさとりは、大きく空いた穴から飛び降りた。勇儀を追うつもりらしい。
突っかかった鬼はタイミングを逃したのか、掴む者のない手を開け閉めしている。
「じゃあ、観戦、する?」
「するか」
それ以外の妖怪達は空いた穴から外を見下ろし、特等席から観戦し始めた。
吹っ飛んでいった勇儀は、温泉街の建物に突っ込み勢いを止めた。
「くそっ、さとりの野郎いきなり何しやがる」
「想起「エイジャの赤石」」
愚痴を溢していると、さとりから放たれた赤いレーザーが直撃する。
「ぐおっ!」
顔面に直撃するも、対してダメージを負っている様には見えない。
「想起「バタフライディルージョン」」
まだ目がチカチカするうちに、大量の蝶が飛んで来て勇儀の周りを飛び回る。
「何だ?」
蝶達は少しの間周りを飛び回っていると、一斉に勇儀に向かい取り付く。
「効かん!」
無論、幻覚など鬼に効くはずもなく、勇儀が身じろぎしただけで蝶は霧散する。
「想起「スカーレットマイスタ」」
その直後、大弾とそれに付随する大量の小弾が勇儀を襲う。
「ぐっ!」
少しは応えた様だが、やはりダメージを食らっていそうにない。
しかし先程から、ちくちくちくちくと攻撃されて、苛立ちが募っている。もうほんっと、イライラしてる。どちらかと言うとフラストレーションかも知れない。まぁ、そんなのは関係ない。自分の体を動かせないのに、相手だけが攻撃してくる、しかも大したダメージでは無い。苛々して当然である。
「あーもう! 洒落臭ぇ! さっさとかかって来いよ!」
そして勇儀は激昂する。相手が何を企んでいようと関係が無い、全て叩き伏せてくれるとばかりに。
そして、
「じゃあ、遠慮無く」
「想起「幽明求聞持聡明の法」」
「「想起「フォーオブアカインド」」」
『想起「ナインズヘッド」』
八つの体と、七十二の頭に増えたさとりは勇儀の周りを囲み、
「想起「三歩壊廃」」
「想起「三歩必殺」」
「想起「ベリーインレイク」」
「想起「スピア・ザ・グングニル」」
「想起「ジャック・ザ・ルドビレ」」
「想起「完全なる墨染の桜-開花-」」
「想起「生と死の境界」」
「想起「胡蝶夢丸ナイトメア」」
「想起「ブリリアントドラゴンバレッタ」」
「想起「花鳥風月、嘯風弄月」」
「想起「浄頗梨審判 -星熊勇儀-」」
「想起「デリューヴィアルメア」」
「想起「風神様の神徳」」
「想起「五爪龍の珠」」
「想起「無念無想の境地」」
「想起「昔時の針と痛がる怨霊」」
「想起「十凶星」」
「想起「正義の威光」」
「想起「ブラフマーの瞳」」
「想起「過剰ゾウフォルゥモォ」」
「想起「グセフラッシュ」」
「想起「喜怒哀楽ポゼッション」」
「想起「チェンジエアブレイブ」」
「想起「ウォールオブイッスン」」
「想起「サイコプロージョン」」
「想起「最後の日曜日に見る悪夢」」
「想起「ストライプドアビス」」
「想起「ピュアリーバレットヘル」」
「想起「ブラッディマウンテンマーダー」」
「想起「ブリージーチェリーブロッサム」」
「想起「フレイマブルレイン」」
「想起「ミスチャンススキャッター」」
「想起「熟練騎馬兵埴輪」」
「想起「リニアクリーチャー」」
「想起「天馬行空乱舞」」
「想起「無道のバレットドミニオン」」
「想起「呪われた血液の追憶」」
「想起「カースドデビル」」
「想起「亡羊のキングダム」」
「想起「ストリーミングマリオネット」」
「想起「錦の上のイマジナリー」」
「想起「信仰心増大祈願の儀」」
「想起「嵐のアンサンブル」」
「想起「ビハインドフェスティバル」」
「想起「捨て身のリフレクション」」
「想起「十七条のカタストロフ」」
「想起「土着蝶ストーム」」
「想起「オンバシラ裁判」」
「想起「墜落する壺中の有頂天」」
「想起「蓬莱の大きな弾の枝」」
「パーフェクトマインドコントロール」
「想起「式神大星」」
「想起「雷雨の中のストーカー」」
「想起「正体不明のドンドコ太鼓」」
「想起「盗撮者調伏マスタースパーク」」
「想起「結界中のESPカード手裏剣」」
大量の大弾小弾、魔法にナイフ、レーザー、鎖、御柱、石油、血液、光球、音波、雷、精神攻撃、多種多様な攻撃を勇儀目掛けて撃ち込む。
「良いねぇ、燃えてくるじゃあないか」
辺り一体が弾幕で埋め尽くされた絶望的な状況を前に、不敵に笑い、待ち構える勇儀。
飛び交うナイフを叩き落とし、大弾を殴って吹き飛ばす。向かって来る槍を摘み取りバットの如く扱い、光り輝く光球を弾き返す。避ける事などせず、全てを受け止め、弾いて、捻り潰す。
美しさもへったくれもない、力に物を言わせ全てを叩き伏せる、その姿は鬼神の如く。正に怪力乱神である。
あらゆる方向から攻撃が加えられようと、それが彼女の身体を傷つけることは無い。目の前の弾幕を蹴り飛ばしながら、本体と思しきさとりの方へと歩みを進める。
身体を持っていたのは八人、直接攻撃をして来たのが三人、それらは叩き伏せ他の身体に向かって投げた。そうしたら両方とも姿が掻き消えたので残りは二人。そして、一人だけ攻撃をせず、安全圏から眺めている。そいつが本物だろう。
「見せてやるよ、本物を!」
"本物"に向かい、腰を落とす。
「四天王奥義「三歩必殺」!」
一つ
戦闘によって砕けた建物の破片を踏み締め、力を溜める。
二つ
さらに奥に踏み込み、一歩目の勢いをそのまま二歩目に乗せる。
三つ
溜めた力を解放し、さとりへと一歩で突き進む。
そして、拳を構え…
「ちょっと待ちな」
誰かに顔面を掴まれ、地面へと叩き伏せられる。
「
顔にかかった手をどかされ相手の姿を見ると、思わず笑みが溢れた。そこに居たのは…
「私とだ」
星熊勇儀であった。
Explanation:古明地さとり
種族:覚妖怪
二つ名:怨霊も恐れ怯む少女
能力:心を読む程度の能力
概要:嫌われ者が住む地底の妖怪にすら嫌われる妖怪。誰だって心を読まれたくは無いだろう。しかし、性格は図太く正直者である。自分の能力に自信を持っており、嘘をつくことのリスクを誰よりも知っているから正直に物事を言うのだ。
一言:推しです。半目なのがかわいいね。
Q:偽物の方の三歩必殺、本物が受け止めてたけど偽物の方が弱いの?
A:違うよ。さとりは兎も角、勇儀の方はお遊びみたいな物だったし。さとりの方は色々と無理したけど、ダメージほとんど入ってないじゃん。
Q:あと、想起って本人の記憶からしかできないんじゃなかったっけ?
A:そうだよ。だからさとりは無理してます。具体的には自分の心を読んだ。