「着いたか」
トレードセンター最上部102階の展望室。エレベーターで行けるのはここまでだ。
「随分と変わっちゃったわね」
窓から外を眺め、リリスがつぶやく。それはこの町に住んでいるからこその感想だろう。
大型の悪魔と無数の爆発音、それと戦闘を繰り広げる者たち。とても正常な光景ではない。
「…だから俺たちが全部終わらせんだろ?」
「…そうね」
突然、背後から真性悪魔に匹敵する魔力を感知する。
武器を構え振り返ると、蝙蝠の翼と黒い角が生えた銀髪の美女が立っていた。
「スターズ、アイマン、そして英雄たちよ。ようこそ」
「…何者だ?」
「この空間の主だ」
その言葉を聞いた瞬間に全員が戦闘態勢に入る
「…一応聞くが何が目的だ?」
「我らをこのような場へといざなった異界の神の討伐の手助けに」
「あのクソ繭野郎の犠牲者か。いいだろう」
「もっともこれは契約だがね」
「対価は?」
「我らの平穏。数多の炎で焼かれることに比べれば囚人になることすら価値がある」
「…一旦、仮契約だ。あの繭野郎を倒すまでのな。その後のことは改めて考えるとしよう」
「承知した。だが奴の周囲はもう一つの異界に覆われている。我の能力があろうと送れるのは二人までだ」
「…なら俺は確定。あとは、」
誰にするか。神殺しなら全員出来ようと力不足だ。ならば運にかけることにした
「…リリス、行くぞ」
「あなた正気?彼女は市民よ?」
「ここまで戦い抜いてきたやつのどこが一般人だって?シリウス」
「…私は行くわ」
「…リリス」
「安心しなさい、シリウス。まだ切り札があるから」
そう言って悪魔の前に出向く。その手を取り、屋上へと至る
そこは今のマンハッタンの空と同じブラッド、血の色とも称すべき赤色をした空間が広がっていた。
「あれね」
「あぁ」
その中央に黒い楕円形の立体、繭があった。
「....え?」
気づけば、鼻から、目から、耳から出血している。何が原因なのかはすぐに分かった。瘴気とでもいうべきものが空間に満たされている。
「時間がねぇ。とっとと終わらせるぞ」
リリスの出血を見てそう言う。俺は神代の人間だから大丈夫だがこいつはそうじゃない。
「えぇ、いくわよ」
「”
「”
「”
「”
「”
「”
「”
「”
その詠唱と同時に夜空に星辰が渦巻く固有結界が展開される。
「”ーーー
『グレイトフル!』
アイコンドライバーGを腰へと巻く。
「”あの遠き日々へと至るため俺たちは進み続ける”」
『ガッチリミーナー!コッチニキナー!』
右側のスイッチを押し待機状態へと移行。それと同時に100体のパーカーゴーストがあたり一帯を舞う。
「”永久なる旅の果てには”」
『ゼンカイガン!』
もう一度スイッチを押し、パーカーゴーストたちを体中に纏う。
「”きっと祝福が待っている”」
『ケンゴウハッケンキョショウニオウサマサムライボウズニスナイパー!』
「”故に”」
『ダ~イ~へ~ンゲ~~!!』
「”
俺の最高到達点、グレイトフル魂へと変身する。
「決めるぞ。」
俺と契約した100体の英霊。彼らの力を収束させ、跳び蹴りを放つ。
『グレイトフル!オメガドライブ!』
「えぇ。」
固有結界内の全ての
「”
無限の剣と、100体の英霊の総攻撃。それを食らえば不完全な神は耐えることなどできはしない。
巨大な爆発と、それとともに起きた魔力の霧。
それが晴れるころにはマンハッタンの空は青く青く澄み渡っていた。
次回でもう1人の追憶編が終わるんで次の次から入学編に入ります。