魔法科高校の魔術師達   作:兼永一真

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追憶編:沖縄海戦の終結

「何者なんだ?お前たちは」

それが先ほどの話を聞いた達也の第一声だった。長い沈黙の後に放たれたその一言は様々な意味が込められているだろうことは想像に難くない。

だが、今は余裕がない。

「私たちは人類の味方です。それ以上でも以下でもありません」

すぐさま基地内の医療従事者と連携を取らねばならない。医療品のストックもどれだけあるか

今はそのことで頭が一杯だった。

 

 

 

「水際防衛は一応できてるな」

防衛に当たっていた軍人の死体が海岸のいたるところに転がっている。だが、その奮戦によって、上陸部隊は未だに陸に上がってすぐのところに居る。

上陸作戦の第一陣、今では30人ほどとなった兵士たちにナポレオン魂の能力で召喚されたかつての戦友。彼らが放った砲弾が襲い掛かる。

フランス革命時代の大砲とはいえ砲弾は砲弾。歩兵の兵装程度では相手にならない。しかし相手にも魔法師はいる。対物障壁を展開し、砲弾を防いでくる。

 

「なら、行くぞ!ノッブ、ナポレオン」

『おう!』

『あいつら皆殺しでいいんじゃろ?』

サングラスラッシャー・ガンモードへと武器を持ち替え、ノブナガ眼魂とナポレオン眼魂をセットする。

 

『マブシー!マブシー!』

『是非も無し!!』

『勝利は前進するってなぁ!』

メガシェイドをおろし、眼魂のエネルギーを増幅させる。

 

『ダイカイガン!』

『三千世界に屍を晒すがよい。 ――天魔轟臨、これが魔王の』

『人よ願え!お前たちに不可能は無い!何故ならば……俺がいる』

敵へと狙いを定め、トリガーをひく。

 

 

『|凱旋を高らかに告げる虹弓《アルク・ドゥ・トリオンフ・ドゥ・レトワール》!!」

三千世界(さんだんうち)じゃあっ!!」

『オメガフラッシュ!』

三千丁に分裂したサングラスラッシャーが虹色の光線を発射する。

神秘特攻を持った攻撃ゆえに砲弾を受け止めた対物障壁すらも突き破り、大きな爆発が起きる。

一帯はしばらく煙に満ちていたが、それが晴れると、敵兵の死体がそこかしこに転がっていた。

 

『敵兵はまだまだ来るよ。あと千はいるね』

念話に通知が入り、清明が敵の兵力を報告してくる。

「了解。ノッブとナポレオンと沖田、土方、近藤(新選組)と。あ、川中島コンビも行ける?」

『俺をコンビ芸人みたいに呼ぶな』

「OK行けるね。じゃ、顕現しといて。ここは任せる」

そう言って俺は海上戦力の対処へと移る。

 

 

 

フローレンスへと念話を繋ぐ。

『そっちはどう?人手が足りないならダヴィンチ送るけど』

『今は足りています。防衛が成立しているおかげで市民の怪我は避難時の物のみにとどまっています。しかしこれからはどうなるか』

『人手が必要になったら言ってくれ。ダヴィンチは待機させとく』

 

「行くぞ龍馬!」

『ようやく出番だよ、お竜さん』

『久しぶりだな龍馬』

リョウマ眼魂をドライバーにセットし、トリガーを引く。

「変身!」

『カイガン!リョウマ!目覚めよ日本!夜明けぜよ!』

パーカーゴーストの効果で周囲のエネルギーをコントロールし推進力に変化させ、空を飛ぶ。

 

 

 

「わしらも動くかのう」

「お前が仕切るな」

「何を話し合っているんですか、信玄。私たちには魔法も銃も効きません!突撃あるのみです!」

「…一理ある。」

「そうでしょう。なら突撃あるのみです!」

そう言って謙信は走り出す。それを追いかけるように新選組も走り出す。

「あいつを連れもどすぞ!」

「普通に突撃が最適解じゃろ。是非も無いよね」

「言いたいことは分かるが、この状況はあちらが正しい。」

流石に一人反対し続けるわけにもいかない。それに攻撃が効かないのなら突撃というのも理解できる。

結局、あいつらを追いかけるために走り出す。

 

 

「あいつら随分と派手にやってるな」

あの魔力は風林火山かなどと考えていると対空射撃が飛んできたので体をひねり躱しきる。

「アブねぇな」

サングラスラッシャー・ガンモードで射撃を行い、対空砲を破壊する。するとその船は巨大な鉤爪によって転覆させられる。

「アルキメデスか。」

あいつらもしっかりと働いていているらしい。

近くにいたもう一隻の船へと着地する。

「なんだおまe」

そんな言葉を言われるがはやいか、首を切り落とす。

「お竜さんも頑張るぞ」

「お竜さんは大砲破壊しといて。艦砲射撃できなくなれば時間かけられるから」

「わかったぞ」

そう言ってお竜さんは持ち前の怪力で大砲を次々と折り曲げていく。そうして船を制圧していくと砲弾が飛んでくる。

「制圧されてるとはいえ味方のいる船に撃つかよ普通」

流石に砲弾が当たるとまずいので船から飛び出す。

「お、ナイス」

ペリーの宝具、サスケハナ号を発見し、着地する。

「残りは4隻。このまま制圧しきるぞ」

その時、海岸からとんでもない魔力反応が巻き起こる。あれは達也か?

いずれにしろ戦略級魔法だろう。さすがの俺達でも戦略級魔法は不味い。

「ジャンヌ、頼むぞ」

『任せてください』

『カイガン!ジャンヌ・ダルク!神の導き!聖女の反撃!』

ガンガンセイバーをナギナタモードへと変形させドライバーとアイコンタクトさせる。

『ダイカイガン!』

『主の御業をここに』

『我が旗よ、我が同胞を守りたまえ!』

船へと突き立て、トリガーをひく。

我が神はここにありて(リュミノジテ・エテルネッル!)

『オメガストリーム!』

天使の祝福によって味方を守護する結界を船全体に展開する。

「何とかなったか」

熱量にして0.2メガトン程度、だいぶな威力だ。

 

黒船で近づいていく。警戒されているようだが攻撃はされていない。今時帆船持ってるのもおかしいからな。

「あいつらはお前の仲間か?」

達也が指さした先を見ると、奴らが酒盛りをしている。なに戦場で酒吞んでんだ、という言葉は抑えてやる。まぁ活躍してるからな

「お前らは戻りな」

そう言って顕現を解き、帰ってもらう。

 

かくして後に沖縄海戦と呼ばれる戦闘は終結した。死傷者も決して少なくはない。それでもこの規模の侵攻作戦がこの程度の被害に終わったのは誇っていいだろう。

「そういや、なんであいつらが俺の仲間だと気づいたんだ?」

「かけられていた魔法がフローレンスと同じだったからだ」

やはり達也はいい眼をしている。

 

基地に戻ると穂波が倒れたことを聞いた。俺たちだけで2隻沈めたとはいえ残りは艦砲射撃を加えている。それを防いでいたらしい。魔法力は低下するだろうが死相が出ていてその程度なら儲けものだ。

「神無木さん」

「司波さん?何か御用でも?」

「あなたと話したいという人がいます」

 

そう言って通信機を渡される。嫌な予感がしつつも通話に応じる。

『はじめまして、神無木千草さん。私はそこにいる司波深夜の姉、四葉真夜です』

「あぁ、四葉の当主の」

『ご存知でしたか』

「それで何の用ですか?まさか妹と姪のお礼のためにかけてきたなんて言わないでくださいよ」

『単刀直入に言います。四葉の一員になりませんか?』

「それはまた、どういった意図で?」

『私たち四葉はあなたを雇いたいのですよ』

「なにか理由でも?」

『あなた、()()()()()()()()()()()()でしょう?』

「はい」

即答にさすがに困惑しているのか声色が少々変わる

『戦略級魔法をまじかで見てそうとは…随分と自信がお有りなのですね』

「当たり前でしょう?ですがその話はお断りします」

『…理由を聞いても?』

「意味がないので」

そう言うと通信が切れる。

 

「フローレンス、大丈夫か?」

「はい。治療は終わっています」

「じゃ、帰るよ」




宝具について
◆黒船は夜明けをもたらす(サスケハナ号)
ランク:B種別:対軍宝具 レンジ:1〜30  最大捕捉:100人
鎖国していた日本に夜明けをもたらした黒船。サスケハナ号を召喚とその乗組員を召喚する宝具。
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