こちらかぶき町特別警察真選組ファイヤー!   作:花空想保持老

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第三訓 お出かけにはトラブルがつきもの

 

1

「最近活発になっている攘夷志士について……」

 

真選組の朝の会議は、今日も滞りなく進んでいた。真選組特別隊長の両津勘吉は、重苦しい空気の中で必死にあくびを噛み殺しながら、報告を漫然と聞き流していた。

 

「……であるからにして……」

 

「1番隊は……2番隊は……」

 

「最近の桂一派の動向として…」

 

「…本日の会議は終了。じゃあ解散!」

 

ようやく長い会議に終止符が打たれると、両津は我慢していたあくびを盛大に吐き出した。

 

「ふわあ、じゃあパトロールにでも行ってくるか。」

 

「おい待て。あんたサボりに行くつもりだろ。」

 

伸びをしながら部屋を出ようとした両津の肩を、土方ががっしりと掴んで引き止めた。

 

「いやだな副長、わしはただ、総悟といっしょにパトロールに行こうと…」

 

「そうですぜ土方さん、まったく人間ってやつは性根が腐るとこんなにも人を信じられないもんかねえ。」

 

隣にいた沖田も皮肉たっぷりに加勢したが、その手にはしっかりとアイマスクが握られていた。

 

「お前のその手のものは何だよコラ。」

 

「さ、あんなマヨネーズ中毒ほっといて行きましょ両さん。」

 

「そうだな総悟。」

 

「てめえら無視してんじゃねーぞこら!」

 

背後で吠える土方を尻目に、両津と沖田は名目上のパトロールへと繰り出した。

 

2

「お~い、みんな~」

 

「あ、マサオ君だ、遅いよ~」

 

「ごめん、ごめん。遅くなっちゃった。」

 

「じゃあカスカベ防衛隊の会議を開こう!」

 

「お~!」

 

昼下がり、いつもの公園にカスカベ防衛隊の5人が顔を揃えていた。

 

「今日は何する?」

 

「リアルおままごと!?」

 

「それはちょっと…」

 

「う~ん、なんかないですか?ボーちゃん。」

 

「ボ…」

 

しんのすけに話を振られたボーちゃんは、少しの間、思案するように沈黙した。

 

「…ボ、隣町に化け物が住んでいると言われる森がある。化け物の正体はまだ分かってないらしい。」

 

「ほうほう、じゃカスカベ防衛隊で正体を突きとめようってことですな。」

 

「ボ」

 

「さすがボーちゃん。」

 

二人が意気投合し始める一方で、それを聞いていた他の三人は一気に顔を青ざめさせた。

 

「やめたほうがいいよ~」

 

「そうよ!危ないわ!」

 

「ケガしたらどうすんのさ!」

 

しんのすけは三人の制止を振り切るように、力強く立ち上がった。

 

「みんな、カスカベ防衛隊の出番だぞ!」

 

「化け物の正体をオラ達が突きとめて、困ってる人達をお助けするんだゾ!」

 

その言葉を聞いたネネちゃんとマサオ君は、互いに顔を見合わせた。その瞳からは、いつの間にか怯えの色が消えていた。

 

「それいいかも!」

 

「さんせい!」

 

「じゃあそうとなれば早速隣町にレッツゴー!」

 

「オー!」

 

「隣町行きのバスに乗ろうか!」

 

「ちょっと待ってよ!危ないよ!」

 

ノリノリになった4人を止めようと風間君が奮闘したものの、結局は押し切られる形で、5人は隣町行きのバスへと乗り込んだ。

 

3

「いや~わくわくしますなあ。」

 

路線バスの最後尾にある長い座席に、カスカベ防衛隊の面々は腰を下ろしていた。車内を見渡しても、5人以外には運転席のすぐ後ろに一人の乗客がいるだけで、車内はがら空きの状態だった。

 

「そうね、私たちカスカベ防衛隊が化け物の正体を暴いてみせるわ!」

 

「ボ!」

 

「僕やっぱり怖くなってきちゃったな。」

 

「ねえやっぱり帰ろうよ。」

 

バスに揺られる5人の心境は、期待と不安で入り混じっていた。やる気に満ちた3人に対し、あとの2人は今にも逃げ出したい様子だ。

 

「化け物の正体が分かったら両さんに知らせるんだゾ。」

 

窓の外を流れる景色を眺めながら、しんのすけがのん気に呟いた。

 

「しんちゃん、両さんって誰?」

 

「むさえちゃんがバイトし始めた飲み屋さんによく来るおまわりさんだゾ。」

 

「しんちゃんおまわりさんの知り合いがいるの?すごいわ!」

 

しんのすけとネネちゃんがそんな会話を交わしていた、その時だった。

 

「ねえ…このバスおかしくない?」

 

風間君が落ち着かない様子で、周囲をキョロキョロと見回し始めた。

 

「どうしたの?風間君…」

 

マサオ君が不安そうに尋ねると、風間君は顔を引きつらせて答えた。

 

「さっきからこのバス…バス停に停まっていないんだ。」

 

「え」

 

4人が慌てて窓の外を確認すると、バスは停車するはずの停留所を、減速することなく通過していくところだった。

 

「それに…なんかこのバス異常に速くない?」

 

風間君に指摘され、改めて景色を見ると、流れるスピードが明らかに常軌を逸していた。

 

「やっぱりこのバス変だよ…僕運転手さんに聞いてくる。」

 

意を決した風間君は座席を立ち、ゆっくりと運転席の方へ向かった。

 

「あの~すみません、このバスどうした…」

 

風間君が声をかけようとした瞬間、降車口の床に何かが転がっているのが目に入った。

 

……それは手足と口を縛られ、意識を失ってぐったりとしている男の姿だった。

 

「え…」

 

風間君が戦慄したその瞬間、彼の首筋にひんやりとした金属の感触が押し付けられた。

 

4

「動くな!ガキども!」

 

事態は一瞬で暗転した。運転席の真後ろに座っていた男が、鮮やかな手つきで風間君の首筋にナイフを突き立てたのだ。

 

「え…」

 

「か、風間君!」

 

「ガキども!いいか!今から言うことをよく聞け!じゃないとこいつの命はないぞ!」

 

凍りつく子供たちを男が鋭い眼光で威圧する。

 

「まず、そのじゃがいも頭のガキ!こっちに来い!」

 

「ほっほい…」

 

しんのすけは恐怖に身を縮めながらも、促されるまま運転席の方へと足を進めた。

 

「この携帯でお前の知り合いとかいう警官に電話かけろ!」

 

男はしんのすけに向かって、一台の携帯電話を投げ渡した。

 

「ほい…」

 

しんのすけは震える指先で、記憶にある電話番号を打ち込んだ。

 

5

プルルル、プルルル、プルルル……

 

「お、着信か。」

 

パトロールという名のサボりを満喫し、沖田とともに河川敷で昼寝をしていた両津勘吉の携帯が鳴り響いた。

 

「もしもし…両津だが。」

 

「あ、両さんオラしんのすけ…」

 

「しんのすけか、どうした…」

 

「もしもし、おまわりさんですかな。」

 

幼い声から一転、受話器越しに野太い男の声が響き、両津の表情に緊張が走った。

 

「誰だ?お前…」

 

「私は愚螺丹生党(ぐらにゅうとう)四天王の一人、佐藤。」

 

愚螺丹生党(ぐらにゅうとう)だと!」

 

両津の叫び声に、隣で昼寝をしていた沖田がアイマスクをずらして身を起こした。

 

「今我々はかぶき町行きのバスをジャックし、ガキ5人を人質にした。」

 

「何だと!」

 

「今から我々は人質ごと警視庁葛飾署にこのバスで突っ込む。」

 

「何!ふざけるな!」

 

「おっと言うのを忘れていた。このバスには爆弾が積まれている。バスの速度が時速50キロを下回ると自動的に爆発する仕組みだ。つまり道中で我々を止めれば人質ごと爆発する。それでは」

 

「あ!おい、待て!もしもし!もしもし!」

 

一方的に要件を告げると、電話は無残にも切れた。

 

「おい、総悟!真選組に連絡だ!わしは葛飾署に連絡する!」

 

6

「あ、いたいた、お~い中川~!」

 

「あ、先輩!待ってました!」

 

両津からの緊急連絡を受け、葛飾署は蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。庁舎から全職員を避難させ、駐車場には急造の対策本部が設置された。機動隊から交通課に至るまで、署を挙げての対応が始まっていた。

 

「どうだ、犯人の足取りは分かったか!?」

 

「はい、かぶき町方面から不審なバスの目撃情報があり、その車内に指名手配中の佐藤とバスの運転をしている男、人質の5人の子供たち、そして運転手と思われる男性が縛られているのを確認しました!」

 

「犯人から連絡は!?」

 

「ありません!ただ、先輩に掛かってきた電話番号は盗難被害にあっていたケータイの番号でした。」

 

「クソ~どうすれば…」

 

「とんでもないことになったもんだ。」

 

中川と両津が深刻な顔で言葉を交わしているところへ、大原部長と屯田署長が足早にやってきた。

 

「過激派攘夷浪士団体、愚螺丹生党(ぐらにゅうとう)。近年鳴りを潜めていたが……このバスジャックの手口はかつてやつらがよく使っていた手口だ。」

 

「先月、やつらの一人を逮捕した。恐らく、その報復だろう…」

 

二人はこれまでの情報を整理し、犯人の動機を推察した。その時、署の敷地内に和風のパトカーが次々と滑り込んできた。真選組の到着だった。

 

「真選組局長、近藤勲です!真選組で応援に駆け付けました!」

 

「これはどうもありがとうございます。葛飾署の署長屯田です。」

 

「大原です。」

 

「おお、近藤!来てくれたのか!」

 

戦友の顔を見て、両津が安堵の声を上げた。

 

「両さん、当たり前だ。は俺たちがずっと追いかけてた過激派攘夷浪士団体。それにこんな非常事態だ。真選組総出で駆け付けたぞ!」

 

近藤の後ろには、土方や沖田といった精鋭たちが顔を揃えていた。

 

「おお、これは心強い!」

 

強力な助っ人の登場に署長と部長は喜んだが、依然として解決の糸口は見えず、有効な策も打ち出せないままだった。

 

「そうだ、中川!ヘリだ!」

 

「ヘリを使って走行中のバスにワイヤーをつけて引っ張れば…」

 

「ムリですよ!ヘリが持ちません。」

 

「とにかくヘリを出動させろ。位置をモニタリングし続けるんだ!」

 

両津が中川に指示を飛ばしていると、沖田がひょいと手を挙げた。

 

「両さん、名案があるんですがねえ。土方さんをそのヘリに乗せてバスの上からたたき落としてください。そうすれば中の犯人は土方さんが片付けるでしょう。で、そしたら土方さんがバスの運転をし、その間にガキどもをヘリを使って救出させます。」

 

沖田にしては珍しく、理に適った作戦のように聞こえた。

 

「おお!すばらしい!」

 

署長が感銘を受けたように声を上げたが、

 

「しかし、土方どのはどうされるおつもりですか?土方どのがバスを運転しているのなら、土方どのはどうやって撤収するのですかな?」

 

大原部長が冷静に、かつ最もな疑問を呈した。すると沖田はさらりと言ってのけた。

 

「大原部長、土方十四郎を舐めないでいただきたい。土方さんは安全な場所で停車したのち自分一人で爆発するでしょう。土方さんはその命をもってバスを止めてくれます。」

 

「てめえそれは俺に犠牲になれってことか!?ああ!?」

 

あんまりな言い草に、土方が激昂して沖田に詰め寄った。しかし沖田は涼しい顔で受け流す。

 

「じゃあ他に案があるっていうんですか?」

 

「それは…」

 

土方は助けを求めるように周囲を見渡したが、その場にいた全員が申し訳なさそうに目を逸らし、沈黙を守った。

 

「おい!全員こっち向けコラ!」

 

そんなやり取りをしている間にも、無情な報告が響き渡る。

 

「署長!バスがあと1キロで葛飾署に到着するそうです!」

 

「そ…そんな!」

 

猶予はもうなかった。対処法も見つからぬまま、巨大な爆弾が目の前に迫り、葛飾署はパニックに陥った。

 

一方その頃、バスの車内では誰も予想しなかった事態が起きていた。

 

7

「さて、ガキども一人ずつ持ち物をこちらに渡せ。まずはそこのじゃがいも頭のガキだ。」

 

「ほ…ほい。」

 

「よしよし、いい子だ。」

 

「ふふふ、何を持ってきたのかな…」

 

佐藤はしんのすけから没収した手提げかばんを受け取り、嘲笑いながらチャックを開けた。

 

「水筒に、おやつ、カンタムロボにアクション仮面のフィギュアか…ん?なんだこれ…」

 

中身を物色していた佐藤の手が、かばんの底に眠っていた妙な布切れに触れた。

 

「何だこれ…靴下か?」

 

彼がその靴下を引き上げた瞬間、凄まじい「兵器」が解き放たれた。発酵臭、加齢臭……あらゆる不快な匂いを濃縮したような、地獄の悪臭が車内に充満した。

 

「う…臭!」

 

あまりの衝撃に、佐藤の意識が遠のく。

 

「今だ!」

 

しんのすけはその千載一遇のチャンスを逃さなかった。

 

「トウ!」

 

しんのすけはひらりと佐藤の股下に潜り込むと、そのまま垂直に跳躍した。硬い頭部が、佐藤の急所にクリティカルヒットする。

 

「ほわああああ!」

 

内股になり、膝から崩れ落ちる佐藤。

 

「まだまだ!」

 

しんのすけは佐藤の手からこぼれ落ちた靴下をひっ掴むと、そのまま彼の鼻に全力で押し付けた。

 

「お!おわああああ!」

 

断末魔のような叫びを上げ、佐藤は白目を剥いて気絶した。

 

「しんちゃん!」

 

「しんのすけ!」

 

窮地を脱し、4人がしんのすけのもとへ駆け寄る。

 

「おのれガキども!」

 

運転していた仲間は、バックミラー越しに起きた予想外の事態に激しく狼狽した。しかし、運転から手を離すわけにはいかず、手出しができない。

 

「さらにこれだ!」

 

しんのすけはカバンからさらなる凶器を取り出した。それは、革靴の片方だった。

 

しんのすけは運転席へ突撃すると、男の体に身軽によじ登った。

 

「な、何だ!?このガキ」

 

肩まで登り詰めたしんのすけは、迷うことなく革靴の履き口を男の顔面に被せ、鼻と口を完全に封じ込めた。

 

「な、これは……ぐわあ!」

 

靴の中に凝縮されていた絶望的な臭いに襲われ、運転手の男もまた、崩れ落ちるように意識を失った。

 

8

「…しんちゃん、これって?」

 

「オラの父ちゃんの靴と靴下。」

 

「なんで持ってきたんだよ…」

 

「いや~探検するから汚れてもいい恰好って聞いたから~」

 

マサオ君と風間君の至極真っ当な疑問に、しんのすけは何の悪気もなく答えた。

 

「とりあえず…これで大丈夫だよね…」

 

ネネちゃんは念には念を入れ、佐藤の顔面に靴下を当てたまま、後頭部でしっかりと玉結びにして固定した。

 

「ネネちゃん、エグいね…」

 

その徹底した仕打ちに、マサオ君は引き気味に呟いた。

 

「これなら起きることはないでしょ。」

 

その時、前方を凝視していた風間君が悲鳴を上げた。

 

「あっまずい!前、前!」

 

意識を失った男のせいで制御を失ったバスの先に、ガードレールと建物が迫っていた。

 

「ぎゃあああああああ!」

 

「ボ!」

 

皆が悲鳴をあげるなか、ボーちゃんが素早く男の膝の上に乗り込み、ハンドルを力一杯切った。

 

バスは猛スピードのまま、間一髪で激突を回避した。

 

「ボーちゃんすごーい」

 

「園長先生が運転してたの見てたから分かる。」

 

幼稚園児とは思えぬ観察眼で、ボーちゃんが冷静に告げた。

 

「あれ?アクセルは?」

 

「この人の足がアクセル踏みっぱなしみたい。でも、足元に二人、ギアチェンジに一人入って。」

 

「分かった!」

 

ボーちゃんの的確な指示に従い、マサオ君、しんのすけ、ネネちゃんがそれぞれの配置につく。

 

「風間君、カーナビでどこか停車させるのにいい場所を探して!」

 

「分かった!」

 

焦りながらも風間君はカーナビのパネルを操作した。その時、指が滑って「登録済みの場所一覧」が表示された。

 

「ああ、違う!どうすれば……ん?」

 

慌てて画面を戻そうとした風間君の目が、ある登録地点に釘付けになった。

 

「ん?これって…」

 

そこには、はっきりと「本拠地」の文字が記されていた。

 

「もしかして…ここってやつらの本拠地なんじゃ…」

 

「え!?」

 

「カーナビに本拠地って登録してあるテロリスト集団って…」

 

あまりのお粗末さに、ネネちゃんが呆れたように突っ込んだ。

 

「じゃあさ、このバス返しに行こうよ。」

 

ギアチェンジを担当していたしんのすけが、突拍子もない提案をした。

 

「ええええ!」

 

「だって母ちゃん言ってたぞ。物はちゃんとあるところに戻さなきゃダメだって。」

 

あまりにぶっ飛んだ提案だったが、今の彼らには他に選択肢もなかった。

 

「…確かに止めたら爆発するなら安全に停まる場所なんてないな…」

 

「確かに…じゃあいっそのこと開き直って行きましょ!」

 

「じゃ、ナビを本拠地にしてしゅっぱーつ!」

 

「おーー!」

 

信じられないことに、5歳児たちの総意によって、バスはテロリストの巣窟へと向かうことになった。

 

9

上空のヘリから監視を続けていた中川は、バスの挙動に違和感を抱いていた。

 

速度こそ維持されているが、その動きはどこかぎこちなく、カクカクとしている。先ほどまでの運転とは明らかに性質が異なっていた。しかも、バスは葛飾署へ向かうルートを外れ、大きく方向転換して「かぶき町」方面へと逆戻りを始めたのだ。

 

「先輩!こちら中川!バスの様子が変です。動きに異変あり!しかも進行方向を葛飾署方面から大きく変え、かぶき町方面へ逆戻りしています!」

 

「何!」

 

中川の報告に、葛飾署の対策本部は騒然となった。

 

その時、再び両津の携帯が震えた。

 

「もしもし、両津だ。」

 

「ほっほ~い両さん。」

 

「しんのすけか!今どうなってる!?」

 

「悪者はオラたちがやっつけたゾ。で、みんなで話し合って、このバスを悪者さんたちのところに返すことにしたんだゾ。」

 

「何!?バスは誰が運転してるんだ!?」

 

「えっへん!もちろんオラ達だゾ。」

 

「何!?」

 

通話の内容を聞いた葛飾署と真選組の面々は、一斉に顔を見合わせた。そして次の瞬間、誰からともなく叫んだ。

 

「これはまずい!急いで止めるぞ!」

 

「真選組出動だ!子供たちを救出しに行くぞ!」

 

白バイとパトカーの群れが、物凄い轟音とともに署を飛び出した。前代未聞の「5歳児が運転する爆弾付きバス」を止めるべく、空前絶後の追跡劇が幕を開けた。

 

続く

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