万事屋の居間。銀時と新八と神楽は前に座っているヲ級に震えていた。
「おい、なんでだよ。なんでこんなことになるんだよ。聞いてねぇぞ。まさかこの万事屋から江戸を攻め落とす気じゃねぇだろうな(小声)」
「」
「てめっ新八!なに震えてんだ。こうなったら俺達の力でこいつを捉えるしかねぇだろ(小声)」
「そんなこと出来るんですか銀さん!?」
「バッカお前声デケェよ!聞こえてたら全部おじゃんだろうが!」
「あんたの方が声でけぇよ!」
「バカメガネの方が声デカイアル!って言ってる私もさ!」
なんてギャーギャー騒いでると、空母ヲ級が声を出した。
「アノ……イイデスカ?」
その瞬間、銀時と新八はギュルンッ!と音を立てて空母ヲ級に振り返った。
「は、はい!こちら万事屋銀ちゃん社長坂田銀時です!どうぞ!すいまっせん!さっきはこの駄眼鏡が錯乱してマジすいまっせん!あとで俺がボコボコにしとくんでマジ怒らないで!」
「ア、アァ…私ハ深海棲艦ノ空母ヲ級デス。サッキノコトハ気ニシテナイノデ大丈夫デス。ソレデ、ソノ…依頼ヲ…オ願イシタインデスガ」
「「は?」」
思いの外、ちゃんとした依頼だった。
「で、ど、どんな依頼、ですか?」
新八が若干、緊張気味に聞いた。その新八を引っ張って銀時は新八に聞いた。
「バッカお前なに勝手に聞いてんだよ!引き受けられるわけねぇだろ!失敗なんてした暁には俺達があの真っ白い変なのになってるかもしんねぇんだぞ!」
「だ、大丈夫ですよ!なんか割とコミュニケーション取れる人みたいですし!」
「人じゃねぇだろ!なんで頭にでっかい口付けてんだよ!ていうかあれ食われてね?あのでっかい口取ればあいつ、人間に戻るんじゃねぇか?」
「…………」
三人はジッとヲ級の頭を見る。それに反応して困った顔をするヲ級。
「そういえばさ、あの頭少し魚っぽくね?」
「……そーですね」
「美味そーアル」
で、邪悪に笑う三人。冷や汗を流すヲ級。
「ヲ級狩りじゃあぁぁぁぁぁっっっ‼︎‼︎‼︎‼︎」
「「うおぉぉぉぉぉッッ‼︎‼︎」」
「イヤアァァァァッッ‼︎‼︎」
銀時の号令で新八と神楽は飛び掛かった。反応が遅れるヲ級に構わずシャーこのヤロー!とか言いながら三人で頭のデッカいのを掴んだ時だ。万事屋の玄関が吹き飛ぶ音。四人で振り返ると、軍服を着た男とピンクの髪を後ろに束ねた女の子と頭にスリッパみたいなのを着けて眼帯した女の子が立っていた。
「不知火に天龍……っ!」
ヲ級が声を漏らす。
「知り合いか?」
と、銀時が聞くと頷くヲ級。が、そんなの御構い無しに向こうの軍服を着た男が言った。
「万事屋さんだったかな?私は鎮守府の提督だ。そいつは深海棲艦だ。こちらに引き渡してくれると助かる」
「はぁ?てめー人ん家の玄関吹き飛ばしといてなに言ってんだ。ていうか用があるならキチンとインターホンを押しなさい。親にどういう教育受けて来たんですかこのヤロー」
「もし、断ると言うなら…」
「無視ですかあーそうですか」
「この江戸に君達の居場所はなくなると思いたまえ」
と、ニヤリと笑って言う。どうするか悩んでる銀時の裾をキュッと握るヲ級。
「オ願イ…逃ガシテ……」
すると銀時はため息をつき、言った。
「定春ッ!」
定春が噛み付いた。銀時を。
「いやそうじゃなくて…もういいから逃げるぞ!」
そのまま銀時と神楽はヲ級を抱えて定春に飛び乗り、新八は相変わらず尻尾である。