「銀さァァァァァん!」
上陸した新八が叫ぶも返事はない。その新八に桂が声をかけた。
「先へ急ぐぞ新八くん」
「でも、銀さんが……!」
「奴はこれしきのことで死ぬような男ではない。それは君もよくわかってるはずだ」
た、確かに……と、言いかけた新八。すると、足元にザザァァァン……と波に乗せられて、銀時の財布が流れてきた。
「いやいやいやいや!これ死んじゃってるよね確実に!」
「あ、ちょうどいい機会アル。今までの給料抜いとこう」
「お前はこんな事してる場合かァァァッッ‼︎‼︎」
財布を拾い上げた神楽に怒声を浴びせてると、自分たちの後ろの鎮守府の壁に砲弾が直撃した。海から艦娘が迫って来ていた。
「! 追っ手が……!」
「早く行くよろし」
「ワンッ」
指をコキコキ鳴らす神楽と定春が三人の前に立った。
「神楽ちゃん!」
「ここは私が食い止めるから、全員先へ進むネ」
「頼むぞリーダー。他の者は俺について来い!」
桂の号令で走り出す新八、エリザベス、加賀。鎮守府の中は加賀が案内して、突き進む。そして、執務室の手前まで来た時だ。艦載機のようなものが飛んできた。
「っ⁉︎」
北方棲姫とその他深海凄艦が執務室の前で立ち塞がっていた。
「深海棲艦……⁉︎やっぱり……手を組んでたのか……!」
『ココカラ先ヘハ、行カセナイ……』
北方棲姫がそう言うと、桂とエリザベスが前に出た。
『ここは俺と桂さんが引き受けた。新八くんとヲ級殿は先へ急いでくれ』
エリザベスのボードだ。
「エリザベスさん……!」
「新八くん。この先におそらくマムシはいる」
で、桂は新八に言った。
「頼んだぞ」
「! ………はい!」
そして、桂とエリザベスは剣とボードを持って深海棲艦の群れに突っ込んだ。その隙を見て新八とヲ級は執務室に突入した。
『人間ゴトキガ……私達ニ、勝テルト?』
「貴様らの前にいるのは誰だと思っている。狂乱の貴公子、桂小太郎だ」
執務室の中に入ると、マムシの舌が赤城の背中から胸を貫いていた。
「ア、赤城サンンンンンッッ‼︎⁉︎」
加賀が思わず大声を上げた。すると、マムシは赤城を舌でペッと投げ捨てた。それを心配がキャッチする。
「よう加賀ァ。お仲間連れて復讐に来たか……」
血で赤く染まった青白い舌でペロリと自分の唇を舐めるマムシ。
「提督……アナタハ……!」
「もう提督じゃねェよ。そんくらいわかるだろ」
「………アナタノ計画通リニハサセナイ。ココデ止メル!」
「はっ、お前一人で何ができる」
「加賀さん一人じゃない。僕だってあなたの悪事を見逃すわけにはいかない」
新八が半歩ほど前に出た。
「…………誰だお前。加賀のお友達か?残念ながら、すでに深海棲ジャスタウェイ計画はもう発動直前まで来ている。俺が合図を出せばすぐにでも、な。だが、その前に……」
と、そこで言葉を切って舌を伸ばし、加賀の首に巻き付けた。
「お前を仕留めるとしよう」
「ア、アナタハ……何ヲ……⁉︎」
「俺はなぁ、一度身体を半分吹き飛んでんだよ。蝮Zの爆発によってな。だから、もう半分は深海棲艦になってみたんだ……。おかげで手に入れられたよ。人から離れた肉体って奴をよ。相手が艦娘だろうと深海棲艦だろうと!俺に勝てる奴はもういねェ!」
「グッ……!」
「加賀さーんっ‼︎」
そのまま首が締め付けられる。その時だ。
「なら、侍ならどうだ?」
その瞬間、執務室の窓が割れ、そこから木刀を持った銀時が飛び込んできた。
「ッ⁉︎ テメェは……ッ!」
が、間髪入れずにマムシの顔面を木刀でブン殴り、壁を突き抜けてブッ飛ばした。舌の力が抜け、加賀はドサリと床に落ちた。
「すみまっせーん、提督。新造艦ができたみたいですぅー」
「ぎ、銀さァーんッ‼︎」