ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド 作:ガチャガチャクツワムシ
「行ってこい! リングマ!」
「グマァッ!」
ヒビキが送り出した4体目は、力任せの破壊者リングマ。
「リングマ……ならインテレオン! 【黒い霧】!」
「リングマ、【挑発】だ!」
ヒビキが食い気味に指示を飛ばすが、わずかに速く【黒い霧】がフィールドを覆い尽くし、リングマの視界を奪う。インテレオンは暗闇に紛れ、姿を隠した。
「気を付けろ、リングマ!」
「グマァ……」
周囲を警戒するリングマの死角から、インテレオンの精密な【狙い撃ち】が放たれる。しかし、リングマは勘で紙一重の回避を見せた。
「範囲攻撃だ! 【地震】!!」
大地を揺らす衝撃波が走るが──
「インテレオン、飛ぶんだ!」
衝撃が伝わる直前、インテレオンは背中の皮膜を広げ、優雅に空中へと退避する。
「その状態で【凍える風】!」
上空から冷気が吹き荒れる中、ヒビキは叫ぶ。
「叩き落とせ! 【雷パンチ】!!」
リングマは冷気をものともせず、跳躍から雷光を纏った拳を振り下ろす。インテレオンを地面へと叩き落とした。
「インテレオン、【狙い撃ち】を連写だ!」
即座に体勢を立て直したインテレオンは、両手を二丁拳銃のように構え、水の弾丸を連射する。
「【雷パンチ】で迎撃だ!」
地響きを立てながら降り立ったリングマは拳を振るうが、捌ききれずに何発もの水弾が胸板に命中する。
「構うなリングマ! 【敵討ち】!!」
水弾の痛みも無視して突撃し、インテレオンを強引に殴り飛ばす。両者ともに限界を超え、荒い息を吐きながら対峙する。
「これで終わりだ! 【敵討ち】!!」
「こちらも最高火力で! 【ハイドロカノン】!!」
互いの最大火力が真正面から激突し、凄まじい爆風がフィールドを支配する。壁に叩きつけられた両者は、同時に活動を停止した。
「両者、戦闘不能!」
『またしてもダブルノックアウト! 残り2体ずつ……今大会屈指の、まさに死闘です!』
「お疲れ、リングマ。流石、俺の相棒だ……。行ってこい、もう一人の相棒! ニドキング!」
「頼むよ、ヒヒダルマ!」
ヒビキは宿敵ニドキングを、マサトシは切り札のガラルヒヒダルマを繰り出した。
「ニドキング、【炎雷の拳】!」
「ヒヒダルマ、【冷凍パンチ】!」
拳がぶつかり合い、閃光と衝撃が炸裂する。
『これは凄い! ニドキング、炎と雷の二つのパンチを混ぜて一つの技として放っている! それに対抗するガラルヒヒダルマのパワーも凄まじい!』
「ヒヒダルマ、【氷柱落とし】!」
「【火炎放射】で溶かせ!」
巨大な氷柱が溶け、水蒸気が立ち込める中、ヒヒダルマが肉薄する。
「今だ、【冷凍パンチ】!」
ニドキングの腹部に拳がめり込む。しかし、ニドキングはその腕をガシリと掴むと、不敵な笑みを浮かべた。
「ニドキング! 【角ドリル】!」
一撃必殺の螺旋がガラルヒヒダルマを貫き、強固な巨体がフィールドに倒れ伏す。
『なんとニドキング! 肉を切らせて骨を断つ【角ドリル】だー! ついにマサトシを追い詰めた!』
追い詰められたマサトシだが、その表情は崩れない。
「まさかこの場でこの子を出すことになるとはね……。凄いよヒビキ君! だからこそ、君を倒す!」
マサトシが投げた最後の一体。それはヒビキが知るフリーザーとは似て非なる、冷徹な仮面を纏った姿だった。
『おいおい、マジかよ!? ガラルフリーザーだと!?』
解説のシアンが椅子を蹴り上げて立ち上がる。
『シアンさん、ご存知なのですか!?』
『あれはガラル地方で目撃されていたフリーザーのリージョンフォーム、ガラルフリーザー! ジストからしか聞いたことがないほどの珍種……タイプはエスパーと飛行だ!』
「構うなニドキング! 【角ドリル】と【スマートホーン】!」
必中の複合コンビネーションがガラルフリーザーに迫る。しかし、ガラルフリーザーの瞳が凍てつく。
「【凍てつく視線】!」
紫色の邪眼から放たれた光線が、必中のはずのドリルを無力化し、そのままニドキングを射抜いた。ニドキングはなす術なく、静かにその場に沈んだ。