ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド   作:ガチャガチャクツワムシ

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別れと門出、マサラの空の下で

 ヒビキとマサトシが警察を連れて現場へ戻ると、そこには異様な空気が漂っていた。

 「なんか……」

「様子が……」

 二人が困惑していると、ハリーと呼ばれた部下の男がこちらに気づき、声をかけてきた。

「おっと、警察を連れてきたか! 助かったがすまない、お前達はここには近づかないでくれ」

「子供には刺激が強すぎる。見ない方がいい」

 リョウと呼ばれた男がそれに続く。ケンがジュンサーを誘導し、手際よく事情を説明し始めた。

 説明を終えたジュンサーは、ヒビキたちに聞こえないよう声を潜め、ハリーたち三人に告げた。

「……実は、参加者のポケモンを狙った複数のロケット団員が出現しておりました。幸い、カントー四天王のシアンさんとジョウト四天王のジストさん、そしてそのお二人と同レベルの実力者であるグレイさん、カナタさん、ソルさん、さらにはエリカさん、クロバネさん、ルリナさんといった皆様の迅速な対応により被害はほぼ皆無です。ですが……その後、捕らえた団員の悉(ことごと)くが、その場で自害しているのです」

 三人はその事実に驚愕の表情を浮かべた。

「通常のロケット団の案件とは明らかに異質です。くれぐれも警戒を」

「承知した。救援を要請した専務にもその旨を伝える」

 ちょうどそこへシラサギが戻ってきた。改めて状況を聞いたシラサギは、落ち着いた様子で頷いた。

「わかりました。我々の方でも警戒を強めます」

 シラサギはヒビキたちの方を向き、穏やかな笑みを浮かべた。

「そういうことだ。後のことは我々に任せてほしい。念のため、二人ともホテルまで送ろうか?」

 「いえ、自分は他のマサラタウンの同期と固まって帰ります。ジスト兄貴が護衛についてくれているはずなので」

 ヒビキが断ると、シラサギは「ハハッ、それなら安心だね」と納得した。

「ではマサトシ君、ホテルの場所はどこかね?」

 そうしてヒビキはマサトシ達と別れ、サトシたちが待つ場所へと急いだ。

 マサラタウンに戻ると、住民たちが温かい祝勝会を開いてくれていた。住民たちは口々にヒビキの健闘を称え、祝福してくれる。リーグでの悔しさは拭えないものの、ヒビキはその温かな言葉を受け取り、祝勝会を楽しんだ。

 「なぁ、ヒビキ。この後はどうするんだ?」

 サトシが尋ねてくる。ヒビキは決意を込めて答えた。

「ガラル地方へ行って、マスター道場で修行するつもりだ」

 「アオプルコで実際に会った、あのジストさんの師匠のお爺さんのところ?」

 カスミの問いに、ヒビキは力強く頷いた。

「ああ。先に修行に行っている俺のポケモンがいるから、あいつと一緒にもっと強くなろうと思ってるんだ」

 その決意を聞き、リンが身を乗り出した。

「なら、ウチもついていってええか?」

「私も、ぜひ同行させてくださいぅ!」

 セナまでもが立候補する。戸惑うヒビキの横で、話を聞いていたジストが言った。

「良いんじゃないか? 道場の師範には、俺から話を通しておこう」

 翌朝、ヒビキ、リン、セナの三人は、新たな修行の地となるガラル地方のヨロイ島を目指して旅立った。




此れにてカントー編は終わりなります。
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