ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド 作:ガチャガチャクツワムシ
内容を考えるのに手間取りました。
「それじゃあさっそく特別レッスンを始めちゃおう! 今回の内容は……」
全員が固唾を飲んで見守る中、マスタードはのんびりと告げた。
「この島を一周して、指定された風景の写真を撮るだよん♪」
拍子抜けして顔を見合わせる三人。
「もっと厳しい内容かと思った」
「ウチもや……」
「でも、周りの門下生たちはざわついていますね」
セナの指摘に、ヒビキはハッとして思い出した。
「あっ、思い出した。兄貴曰く、この島は地形がかなり入り組んでいて、慣れないとすぐに迷うんだ」
「そうだよん。それに、ここの野生ポケモンは強い子が多いから気をつけてねん♪」
マスタードの注意を受け、いよいよ特別レッスンが開始された。
島に足を踏み入れると、そこには見たことのない景色とポケモンが広がっていた。
「カントー地方以外のポケモンが沢山いますねぇ」
「ほんまやなぁ。捕まえてもええと言われてるし、捕まえながら進んでみよか」
「よし、固まって行動するより、バラバラの方が効率がいいな」
ヒビキの提案で、三人はそれぞれ別の方向から島を巡ることにした。
ヒビキはニドキング、リングマ、そしてダクマの三匹を連れて歩き出す。
「懐かしいな。小さい頃は、よくこうして遊び回ったっけ」
三匹が同意するように頷く。ヒビキの胸には、幼い頃の記憶が蘇っていた。
かつてジストがオーキド研究所に預けていた手持ちのポケモンたちは、兄弟同然にヒビキを可愛がってくれた。だが、あくまで「守られるべき対象」と見られていたのか、ヒビキの指示を真剣に聞くことはなかった。
そんなヒビキのトレーナーとしての原点が、リングマ──かつてのヒメグマとの出会いだ。シンオウの旅先で、負傷し倒れていた親分ガチグマ(当時の親分リングマ)を必死に守ろうとしていたヒメグマ。ヒビキの願いでジストが二匹を救ったことが、ヒメグマがヒビキの手持ちとなるきっかけだった。
同じ頃、マスタードから託されたダクマも、一時預かりのつもりだったが、共に過ごす内にかけがえのない家族となった。ニドキングとの出会いも運命的だ。姉のアオバが手伝いをしていたサマーキャンプ中、迷子になったセナを探し出す際に出会い、力を貸してくれたことが縁で家族の一員となったのだ。
「あの時、手持ちとしての絆ができたからこそ、兄貴たちも本格的にトレーナーとしての指導をしてくれるようになったんだよな」
そんな思い出に浸りながらも、襲いかかってくる野生ポケモンたちを、ヒビキは手際よくニドキングたちと協力して退けていく。思い出が強さの糧となり、今のヒビキとポケモンたちの結束をより強固なものにしていた。