ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド   作:ガチャガチャクツワムシ

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番外編ロケット団の密命

 ヒビキたちがヨロイ島で修行に明け暮れている頃。オレンジリーグ挑戦中のサトシ一行を追跡する傍ら、幹部であるシラサギから密命を受けていたムサシ、コジロウ、ニャースの一行は、キンカン島を訪れていた。

 いつものように間の抜けた言い合いを繰り広げるムサシとコジロウに、ニャースが業を煮やして制裁を加えようとした、その時だった。

「文句あるんかニャー!」

 そういきり立っていたニャースが、突如として表情を凍らせ、無言でどこかへ歩き出した。不審に思い慌てて追いかけると、二人は島内の通信施設と思しき建物へとニャースが吸い込まれるのを目撃する。

 施設内部には、見慣れた二人の姿があった。

「お待たせいたしました、御主人様」

「あれぇ〜? このニャース喋ってなぁい?」

「まさか……」

 驚きのあまりダストシュートの入り口から音を立てて転がり落ちてきた二人の前に現れたのは、かつて何度も顔を合わせたロケット団の同期でライバル、ヤマトとコサブロウだった。

「「やっぱり……」」

「あー! ヤマト!」

「コサンジ!」

「ちっがぁう! コサブロウだぁ!」

「アンタ達、何してんのよ!?」

「何だかんだと言われたら」

 お互いがいつもの口上を張り合うように言い放つ。だが、コジロウがシラサギからの密命を思い出し、緊迫した表情で遮った。

「こんなことしている場合じゃない! シラサギ様に『他の団員に会ったら連絡しろ』と命じられていたんだ!」

 幹部のシラサギの名を聞き、ヤマトとコサブロウの顔色がさっと変わる。急いで通信機を借りて連絡を入れると、モニターに映し出されたのはフーディンだった。

「ディン……!」

 フーディンは催眠状態にあったニャースの意識を正気に戻し、通訳させる。

『主は会議中だ。例の件だが、そこにいるのはお前達だけか。可能性は低いと踏んでいたが……ニャースよ、貴様の記憶のロックを外す。連中に説明しろ。ただし、決して周囲には悟られるな』

 フーディンがサイコパワーを送り込み、再び通信は切れた。

「ちょっと、どういうことよ!?」

「アタシ達にも、情報漏洩を危惧して手持ちとニャースしか詳細を教えられていないのよ!」

 混乱するヤマトとコサブロウに対し、ニャースは人数分のスケッチブックと新しい服を用意するよう指示した。

 4人は準備を整えると、ヤマト達の手待ちであるスリープに指示を飛ばす。催眠状態のポケモンたちと、ナッシー・ルージュラを除いた手持ちをわざと争わせ、周囲の視界を遮断。その隙に、ナッシーとルージュラに【守る】【光の壁】【リフレクター】を展開させ、絶対的な隠密空間を作り上げた。

 スケッチブックに記された真実は衝撃的なものだった。ロケット団内部に裏切り者が存在すること。そして、先のセキエイリーグ襲撃事件が、その裏切り者の派閥による独断専行であったこと。

「マジかよ……」

 驚愕する4人に、ニャースが冷徹な事実を付け加える。

『シラサギ様は、ジャービス様がその裏切り者ではないかと疑っているニャ』

 更に、シラサギから暗号化されたメールが届く。内容は、次なる標的であるチャンピオンリーグ襲撃の可能性を示唆し、その監視を命ずるものだった。

『これはニャー達ではなく、ヤマトとコサブロウへの指令みたいニャ』

 ヤマトとコサブロウは無言で頷き合った。二人は催眠状態のポケモンたちを現場に置き去りにし、直ちにチャンピオンリーグの会場へと向かうべく、キンカン島を急ぎ離脱した。




ミュウツーの逆襲は、ヒビキはガラルにいた為物理的に行けないとスルーしてます。
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