ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド 作:ガチャガチャクツワムシ
ハヤトとのジム戦を終え、次の目的地であるヒワダタウンへ向かおうとしていた矢先、腰に下げていたポケギアが軽快な電子音を鳴らした。画面を確認すると、発信者は兄のジストだった。
「どしたの、兄貴?」
『おう、まだキキョウシティに居るか?』
「居るよ、今ちょうど出発しようとしてたところ」
『それなら頼みがあるんだ。ヒワダタウンに行く途中に「リザフィックバレー」っていうリザードンを保護している場所があるんだが、そこに俺のリザードンを連れて行って貰いたいんだよ』
「途中にあるなら良いよ、ついでだし」
『すまんな助かる。オーキド博士やリザフィックバレーの管理人にはもう話を通してある。俺のリザードンが場所を知っているから、そいつに乗っていけば迷わず着くはずだ』
それだけ言うと、ジストは手際よく通話を切った。ヒビキは早速ポケモンセンターの通信機能を使ってオーキド博士の研究所へと連絡を入れ、指定されたジストのリザードンを送ってもらう。転送の光の中から現れた巨体に跨ると、ヒビキは力強く声をかけた。
「ほんじゃ、リザードン! 案内してくれ!」
「グオオッ!」
リザードンが力強く翼を羽ばたかせ、キキョウシティの上空へと飛び立った。
半日ほど空の旅を続けていると、前方から同じくリザードンに乗った一人の女性が近づいてきて、声を掛けられた。
「ちょっと! ここは野生のリザードンたちの保護区よ……って、もしかしてジスト君が言ってたヒビキ君かな?」
「そうです」
「話は聞いてるわ! 私がここの管理人のジークよ、ついてきて!」
ジークの後を追うようにリザードンを走らせると、谷の開けた場所でなぜか見知った顔ぶれを見つけた。
「ん? あれは……」
案の定、そこにいたのはサトシたち一行だった。事情を聞いたジークは、せっかくの機会だからとサトシたちも一緒に案内することにした。
ただ、移動手段に少し問題があった。サトシのリザードンは以前ジストとの特訓により徹底的に鍛えられたおかげで、サトシ一人なら乗せて飛ぶことができる。しかし、タケシとカスミの二人を同時に乗せるのはさすがに無理がある。
「じゃあ、タケシとカスミは、俺のプテラに乗ってけばいい」
ヒビキがプテラを繰り出すと、2人を背に乗せて、一同は改めてリザフィックバレーの奥へと向かった。
谷に足を踏み入れると、そこには無数のリザードンたちがダイナミックに飛び回り、激しい訓練に明け暮れていた。
「んじゃ、リザードン。頑張れよ」
ジストのリザードンはヒビキの言葉に力強く一鳴きすると、さっそく特訓に励む別のリザードンたちの群れへと混ざり、厳しい視線で指導を始めた。
「やっぱり、ジスト君のリザードンが居るとバレー全体の空気が引き締められるわね」
「まるで鬼コーチね……」
ジークが感心したように頷き、カスミがポツリと感想を漏らす。それを聞いたヒビキは、思い出したように言った。
「あ、そういえば兄貴から聞いたんだけどさ……兄貴のリザードンって、このリザフィックバレーの中でも3番目に強いらしいんだ。だから時折こうしてここにやってきて、他のリザードンたちを鍛え直してるんだってさ」
その話を聞きつけてか、サトシのリザードンが少し気まずそうに、しかし真剣な眼差しでジストのリザードンを見つめた。そして、何かを決意したようにトボトボと歩み寄り、ジストのリザードンに向けて深く頭を下げた。
ジストのリザードンは腕を組んでしばらくじっと見下ろしていたが、やがてフッと鼻を鳴らし、納得したように大きく頷いてみせた。
「どうやら、あの子はジスト君のリザードンに弟子入りを希望しているようね」
ジークが微笑ましそうに呟くと、サトシは目を丸くして驚きの声を上げた。
「え……?」
リザードン同士の無言のやり取りを見届け、ヒビキはプテラの背にひょいと飛び乗ると、サトシたちに背中を向けた。
「どうするかはお前とリザードン自身が決めることだから、しっかり話し合えよ!」
そう言い残すと、ヒビキはプテラを操り、仲間たちの待つ空の彼方へと再び飛び立っていった。
この後は、話し合いをして原作のように別れます。
1位はダンデ、2位はワタルとなります。