ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド 作:ガチャガチャクツワムシ
ヒワダタウンを目指して旅を続けているヒビキは、新たに捕まえたポケモンたちを育てながら歩みを進めていた。
「暑ちぃな……残暑がきついな」
そうぼやきつつも無事にヒワダタウンへと到着したヒビキは、ジム戦の前にまずはポケモンセンターへと立ち寄る。
手持ちの調整と回復を済ませてからヒワダジムへと向かうと、建物はまるでお洒落な植物園のようになっていた。
「すみませーん! ジム戦に来ました!」
そう声をかけながら中へ入ると、植物の間で虫ポケモンを観察している、ヒビキと同い年の少年が姿を現した。
「ん? 挑戦者かい? 僕はツクシ! ヒワダジムのジムリーダーで、人呼んで歩く虫ポケモンの百科事典さ!」
爽やかに自己紹介を終えると、さっそくジム戦の準備へと移ることになった。
「ルールは3対3のシングルバトル。チャレンジャーのみ交代可能だよ。じゃあ、僕から出させてもらうね。人呼んで、虫ポケモンの静かなる戦士! ゆけ、イトマル!」
「イトッ!」
対するヒビキも、頼もしい相棒をフィールドへと送り出す。
「行ってこい、オンバット!」
「オンバッ!」
ツクシが繰り出したイトマルに対し、ヒビキは飛行・ドラゴンタイプのオンバットで迎え撃つ。
「セオリー通りだね。でも、対策はできているんだ! イトマル、【糸を吐く】!」
イトマルが粘着質の糸を勢いよく吐き出し、オンバットの翼の動きを阻害しようと迫る。
「オンバット、【エアカッター】!」
鋭い風の刃を放ったオンバットは、飛んできた糸を綺麗に切り裂いて見せた。
「なら、イトマルは森へ!」
指示を受けると同時に、イトマルはジム内の豊かな植生に身を隠して姿を消してしまう。オンバットは必死に探そうと辺りを見回すが、その姿をとらえることができない。
「オンバット、【超音波】を使え!」
ソナーのように周囲へ波長を放ち、オンバットは隠れていたイトマルを正確に発見する。
「そこだ、【熱風】!」
「イトマル、【影撃ち】!」
先手を取ったイトマルの影からの強襲を受け、オンバットはダメージを負うものの、直後に放たれた灼熱の【熱風】がイトマルを直撃し、大きなダメージを与えた。
「負けないよ! イトマル、【エレキネット】!」
「【熱風】で吹き飛ばせ!」
電気の網を張ろうと集中する一瞬の隙をつき、オンバットの【熱風】が再び襲いかかるが、イトマルも執念で網を放ち、オンバットを毒状態へと陥れた。
「一気に決める! 【アクロバット】!」
毒の痛みに耐えながら、オンバットは天井ギリギリまで急上昇し、そこから急降下してイトマルめがけて突貫する。
「【エレキネット】で防いで!」
網で受け止めようとするも、勢いを増した特攻は止まらず、イトマルを盛大に吹き飛ばした。そのままイトマルは戦闘不能となる。
「やるね……! じゃあ次は、人呼んで虫ポケモンの誇り高き戦士! ゆけ、コクーン!」
「クーン……」
「オンバットはこれ以上は無理そうだな……。なら、行ってこい、サナギラス!」
「ギラ……」
お互いが次に出したのは、コクーンとサナギラスだった。
「サナギラスを相手にするなら……コクーン、【固くなる】!」
「サナギラス、【砂嵐】!」
フィールドに荒々しい砂嵐が吹き荒れる中、コクーンは自らの殻をさらに硬くして防御を固める。
「【毒針】だ!」
「まとめて押しつぶすぞ、【岩雪崩】!」
放たれた【毒針】ごと、頭上から降り注ぐ巨大な岩の塊がコクーンを飲み込み、一撃で戦闘不能へと追い込んだ。
「くっ……! ならば最後の1匹、人呼んで虫ポケモンの華麗なる戦士! ストライク!」
「ラァイク!」
ツクシが最後に繰り出したのは、圧倒的なスピードを誇るストライクだった。
「【草分け】!」
「【岩石封じ】!」
素早く地面を蹴って突進してくるストライクに対し、サナギラスは鋭い岩を投げつけて迎撃する。岩を華麗に避けながらぶつかってくるストライクにサナギラスが吹き飛ばされるが、ヒビキは少しも怯まない。
「すぐさま、【ロックブラスト】!」
「【真空波】!」
無数の岩の弾丸に対し、ストライクは手刀から繰り出される【真空波】で鮮やかに相殺していく。
「特性『テクニシャン』かよ……! なら、【岩石封じ】!」
「【虫食い】でいなす!」
ストライクは着実にダメージを重ねていくが、サナギラスも負けじと闘志を燃やし、戦意は少しも衰えていない。
「畳みかけるぞ、【草分け】!」
「サナギラス、自分ごと【岩雪崩】だ!」
自らを巻き込むリスクを恐れず、サナギラスはフィールド全体を飲み込むほどの大量の岩雪崩を発生させた。その激しい土砂と岩の奔流がストライクを捉え、ついに強敵を戦闘不能へと沈めるのだった。