ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド   作:ガチャガチャクツワムシ

131 / 131
託した想い

 コガネシティに向けて手持ちを鍛えながら旅を続ける道中、新たに捕まえたポケモンたちは次々と進化を果たしていった。そうして万全の状態で漸くコガネシティに辿り着いたものの、お目当てのコガネジムはあいにく休みのようだった。

 「しょうがないか。なら、色々なものが少なくなっているし買い物を先にするか」

 旅に必要な消耗品の補充を兼ねて街を散策していると、何やらポケモンバトルの大会が開催されているらしく、周囲は大変な賑わいを見せていた。

 「レンタルポケモンの大会か……賞品もあるのか。面白そうだし、参加してみるか!」

 興味本位で早速受付を済ませ、レンタルポケモンを受け取ってバトルフィールドへと向かう。貸し出されたポケモンたちのバランスが非常に良く、特に苦戦することもなく勝ち進んだヒビキは、そのまま見事に優勝を成し遂げた。

 しかし、後日、優勝賞品として受け取ったポケモンを確認したヒビキは、思わず頭を抱えてしまうことになった。

 「う~ん……まさか、被るとはなぁ。どうしよっかなぁ~」

 頭を悩ませながら街を歩いていると、ふと聞き覚えのある声や人影が目に入った。

 「あれは……サトシ達か?」

 知り合いの姿を見つけて足を止めかけたその時、ヒビキの持つボールから、なんと賞品だったヨーギラスが自ら飛び出してサトシ達の方へと近づいていった。

 「このポケモンは……?」

 サトシがポケモン図鑑を取り出して調べていると、当のヨーギラスはタケシの顔をじっと見つめたかと思うと、そのままトコトコと歩み寄り、タケシの足にぎゅっと抱きついた。

 「いったいどうしたんだ?」

 突然のことに困惑するサトシ達の元へ、ようやく追いついたヒビキが息を整えながら割って入る。

「わりぃ、ソイツは俺のポケモンなんだ」

「あ! ヒビキ、久しぶり!」

 サトシの元気な挨拶をそこそこに、ヒビキは真剣な表情でタケシに向き直った。

「なぁ、タケシ。そのヨーギラス、お前が育ててみないか?」

「えっ!?」

「何でよ? ヨーギラスって、すごく強いポケモンじゃない!」

 驚きを隠せない様子のカスミがすかさず聞き返すと、ヒビキは苦笑いしながら理由を説明する。

「実は、昨日の大会で優勝してこのヨーギラスを貰ったんだけどさ……」

 そう言って自分の手持ちからサナギラスをボールから出して見せた。

 「もう既にサナギラスを持っているんだよ。こいつとはまた別のバトルスタイルで育成したいんだけど、どう育成しようか悩んでてさ。それに、ヨーギラスもすっかりタケシに懐いてるみたいだし、どうだろう?」

 ヒビキの真摯な提案に、タケシは少しの間腕を組んで考え込んでいたが、やがて穏やかに頷いた。

「……そういうことなら、喜んで引き受けよう」

「本当か? ありがとう!」

 ヒビキはほっと笑みを浮かべると、ポケットから取り出したボールをタケシに手渡した。

「これがこのヨーギラスのボールだ。──なっ、ヨーギラス、これからはタケシに可愛がってもらうんだぞ」

 ヒビキが優しく声をかけると、タケシの足にしがみついていたヨーギラスは嬉しそうな声をあげ、今度は新しいパートナーとなったタケシへと飛びついていった。




ポケマス要素でタケシに譲りました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

転生した引きこもりのアニポケ冒険譚(作者:ミカりん)(原作:ポケットモンスター)

 ポケットモンスターの世界に、異物が紛れ込んだ。▼ 異物は、決して語られぬ存在と結びつき、やがてそれは大きな時空のうねりとなって流れていく。▼ ポケモンマスターを目指す少年、マサラタウンのサトシの同期として紛れ込んだその『異物』は、オーキド博士に貰ったヒトカゲとその前からのトモダチであるカラカラの2匹と旅に出て、誰と出会い、誰と競い合うのか。▼ しかし、彼は…


総合評価:35/評価:-.--/連載:3話/更新日時:2026年07月09日(木) 17:27 小説情報

映像機画版携帯獣世界転生物語(作者:こうすけ増田劇場版)(原作:ポケットモンスター)

なんか知らんがアニポケの世界に転生してた。


総合評価:2253/評価:7.36/連載:28話/更新日時:2026年08月02日(日) 00:05 小説情報

アニポケXY サトシのリザードン続投&タクトに勝ちたいゴウカザル使い(作者:ゴジロット)(原作:ポケットモンスター)

「もうリザフィックバレーには、貴方のリザードンに敵うリザードンは存在しないし、アタシに出来る事は全てやったわ。だからここから先は貴方と一緒に広い世界に出て、共に真の最強へと上りなさい」▼ ポケモンマスターを目指して、旅を続ける少年サトシと、相棒のピカチュウ。▼ それと少しの間だけまた一緒に旅をして、共にイッシュ地方から帰ってきたサトシのリザードン。▼ マサラ…


総合評価:229/評価:8.4/連載:13話/更新日時:2026年07月03日(金) 19:25 小説情報

転生サトシの旅路(作者:ナノブ)(原作:ポケットモンスター)

これは、アニポケのサトシが一生を終えた記憶と、アニポケを見ていた人の記憶両方を持った転生者サトシが、波導と呼ばれるチートを駆使して行く旅路を記したもの。▼サトシ至上主義が書くポケモン小説です。▼作者はポケモンライト勢であり、にわかです。


総合評価:3954/評価:9.17/連載:36話/更新日時:2026年06月27日(土) 18:00 小説情報

アニポケ転生者物語(作者:投稿者)(原作:ポケットモンスター)

物心ついた時、主人公はこの世界がアニメ『ポケットモンスター』の世界だと気づいた。▼リーグ制覇や最強を目指すつもりはない。ただ、この世界の空気を吸い、ポケモンたちと触れ合う「エンジョイ勢」として生きていきたい。▼そう思っていたはずが、旅立ちの日に母から託されたのは、シルフカンパニー製の試作デバイスと、データ収集用のポケモン「ポリゴン」。▼オーキド博士から貰った…


総合評価:1842/評価:7.38/連載:350話/更新日時:2026年07月07日(火) 23:47 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>