ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド 作:ガチャガチャクツワムシ
タケシにヨーギラスを譲ったあと、サトシ達と別れたヒビキは、改めてコガネジムへと向かった。しかし、ジムの扉を開けると、待ち受けていたジムリーダーのアカネからとんでもないことを告げられてしまう。
「えっ!? 今から出掛けないといけない!?」
「ホンマ、ゴメンなぁ! 緊急のジムリーダーの集まりが午後からあるんや。けど、もしジム戦やるなら1対1のシングルでもええか?」
「もし可能ならぜひ」
「ほな、やろか!」
急遽決まった1対1の勝負を受け入れ、両者はバトルフィールドへと歩みを進める。
「行くで、ミルタン!」
「ミルル!」
「行ってこい、ウーラオス!」
「ウウウララァ!」
アカネは愛機のミルタンクを、対するヒビキはウーラオスを繰り出した。
か「ミルタン、【丸くなる】や!」
「させるか、【挑発】!」
ミルタンクが防御を固めようとするよりも早く、ヒビキの指示を受けたウーラオスの【挑発】が炸裂し、技を完全に不発に追い込む。
「なら、【転がる】や!」
「【ビルドアップ】!」
勢いよく回転しながら突撃してくるミルタンクの猛攻を華麗に交わしつつ、ウーラオスは自らの攻撃と防御をさらに引き上げる。
「【転がる】のまま、【のしかかり】や!」
「【水流連打】!」
回転の勢いを乗せたままのしかかってくるミルタンクに対し、ウーラオスは一歩も引かず、回転の的確な中心を狙い撃つ怒涛の連撃を叩き込み、甚大なダメージを与える。
「追撃の【インファイト】!」
畳みかけるように放たれた格闘タイプの強烈な一撃が炸裂し、ミルタンクはたまらず戦闘不能となった。
「めっちゃ強いやん! リンが言うだけあるなぁ!」
「リンを知ってるんですか?」
「勿論や。リンはウチの従姉妹なんや。アンタのことも、ジストさんの親戚で四天王と同クラスのトレーナーに鍛えられた奴って聞いとったんや」
「そうなんですか」
納得するヒビキに、アカネはカラリと笑ってバッジを差し出す。
「ホイ、ウチに勝った証のレギュラーバッジや!」
こうしてアカネから無事にジムバッジを受け取ると、アカネは「ほんじゃ、遅れたら怒られるから!」と慌ただしくジムを飛び出していった。
ジム戦を終えたあと、ポケモンセンターへと戻ると、そこにはサトシとカスミの姿があったが、タケシの姿だけが見当たらない。
「あれ? タケシは?」
「何かね、緊急のジムリーダーの集まりがあってさ。タケシのお父さんがぎっくり腰になっちゃったから、その代理で出席するために、ここのジムリーダーのアカネさんと一緒に出掛けたのよ」
カスミがそう事情を説明してくれた。
「せっかく来たのに……」
「緊急の集まりってことは、もしかしてヤバい事件が起こったんじゃないか?」
そんな風に心配を交わしつつも、ヒビキは気を取り直してサトシに向き直る。
「せっかくだし、サトシ。お前の新しい手持ちを見せてくれよ」
「いいぞ! みんな、出てこい!」
サトシが繰り出したのは、お馴染みのピカチュウとフシギダネに加え、チコリータ、ヒノアラシ、ワニノコ、そして通常の色とは異なる珍しい色のヨルノズクだった。
「すげぇ、珍しいヨルノズクだな」
ヒビキが感心したように評すと、今度はサトシから「ヒビキの手持ちも見せてほしい」と頼まれる。そこでヒビキは、現在の相棒たち──ウーラオス、親分アリゲイツ、モココ、ヘルガー、ポポッコ、サナギラスをフィールドに並べた。
「ヒビキもアリゲイツ持ってるんだ!」
「いいなぁ~、みんな強そう!」
賑やかな手持ちの紹介のあと、ヒビキはふと提案を持ちかける。
「ついでに、何か技でも教えてやろうか?」
「本当!? いいの? サンキュー!」
こうして、ポケモンセンターの裏手でサトシの手持ちに対する特訓が和やかに開始されるのだった。