ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド   作:ガチャガチャクツワムシ

136 / 136
別世界の足跡

現場から遠く離れた、人里離れた荒野の片隅。

禍々しい空間の歪みが収まると共に、ソウマが静かに姿を現した。そこには先回りしていたであろうヒョウガが待機しており、ソウマを見つけると声をかけた。

「お疲れさん。こっちは先に用事を終わらせて戻らせてもらったぞ。デジメモリも回収した。この世界にあるのは、これで後2つだな」

「おう、こっちもデジタマの回収は出来た。あのオークションの連中からもっと情報を吐かせようとしたけど、途中で邪魔が入っちまったから、あまり美味い情報は抜けなかったな」

「まぁ、しょうがないさ。……で、どうした?」

「いやな……さっき、ヒビキ君にあの殺戮の現場を見られちまってたんだよ。流石にあんなものを見せるのは、少し刺激が強すぎたかなと思ってな」

「成る程……だが、遅かれ早かれ知ることになるんじゃないか」

「そうだな……。まぁ、あと少しの辛抱だ。ちゃっちゃっと終わらせて、この世界とはおサラバして自分たちの世界へ戻るか!」

「そうだな。俺たちのような別世界の強力な存在が長居するのは、何が起こるか分かったもんじゃないからな」

軽い口調でそう笑い合う2人。

「そう言うことだから、お前らはもうしばらく、ポケモンの姿のテクスチャで我慢してくれよ、相棒」

ソウマがそう声をかけると、彼らの背後には、禍々しいオーラを纏った巨大で異形の生物――クロノモンDM(デストロイモード)とズィードミレニアモンが静かに佇んでいた。その圧倒的な存在感を隠すかのように仮初めの姿をまとった2体を従え、ソウマとヒョウガは次の目的地へと歩き出すのだった。

その頃、惨劇の現場となった会場では、精神崩壊一歩手前まで追い詰められた参加者たちの保護を警察に任せている最中、ヒビキの手持ちであるバドレックスが、ヒビキとシアン、ジスト、マツバ、そしてハンサム警部の脳内に直接テレパシーを送り込んだ。

『――ヒビキよ。どうやら、この一帯に不自然な時空が歪んだ形跡が残されているのを感じるのである』

伝説のポケモンでも容易には成し得ない時空操作の形跡。ハンサムたちがその異常な事態に絶句し、悩ましげに「しかし、裏社会でも名を轟かせていたような連中まで、あのような無惨な形で再起不能になったとなると、今後、裏の情勢はかつてないほどの激震に見舞われることになるだろうな」と呟いたその時だった。

「警部! 大変です! 騒ぎに乗じて、競売に出される予定だった会場内の商品――捕獲・監禁されていたポケモンたちが檻を壊して逃げ出しました!」

捜査員が血相を変えて駆け込んできたため、ハンサムは「何だと!? 興奮状態のポケモンたちが街に解き放たれたとなれば、この付近の生態系に多大な悪影響が出る……直ちに対応を! 君達も手伝ってくれ」と周囲に協力を要請した。こうしてシアン、ジスト、マツバ、ヒビキの4人は街や森へ散らばった逃げたポケモンたちの捜索に奔走し、眠る間も惜しんで追跡と保護を続けた結果、丸2日をかけてすべてのポケモンを無事に捕獲することができたのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

転生した引きこもりのアニポケ冒険譚(作者:ミカりん)(原作:ポケットモンスター)

 ポケットモンスターの世界に、異物が紛れ込んだ。▼ 異物は、決して語られぬ存在と結びつき、やがてそれは大きな時空のうねりとなって流れていく。▼ ポケモンマスターを目指す少年、マサラタウンのサトシの同期として紛れ込んだその『異物』は、オーキド博士に貰ったヒトカゲとその前からのトモダチであるカラカラの2匹と旅に出て、誰と出会い、誰と競い合うのか。▼ しかし、彼は…


総合評価:38/評価:-.--/連載:3話/更新日時:2026年07月09日(木) 17:27 小説情報

逆行サトシの大冒険(作者:鉄壁拡散)(原作:ポケットモンスター)

サトシとその仲間達はそれぞれの夢に向かって歩みを進めたが、寿命には勝てず一生を終えてしまう。▼だがある日、サトシは気が付くと前世の記憶を持って逆行していた。▼サトシ「俺は今度こそポケモンマスターになるぜ!ピカチュウ、君に決めた!」▼ピカチュウ「ピッカ!」


総合評価:127/評価:-.--/連載:12話/更新日時:2026年08月18日(火) 20:23 小説情報

映像機画版携帯獣世界転生物語(作者:こうすけ増田劇場版)(原作:ポケットモンスター)

なんか知らんがアニポケの世界に転生してた。


総合評価:2327/評価:7.25/連載:30話/更新日時:2026年08月16日(日) 00:05 小説情報

転生サトシの旅路(作者:ナノブ)(原作:ポケットモンスター)

これは、アニポケのサトシが一生を終えた記憶と、アニポケを見ていた人の記憶両方を持った転生者サトシが、波導と呼ばれるチートを駆使して行く旅路を記したもの。▼サトシ至上主義が書くポケモン小説です。▼作者はポケモンライト勢であり、にわかです。


総合評価:3979/評価:9.15/連載:36話/更新日時:2026年06月27日(土) 18:00 小説情報

アニポケXY サトシのリザードン続投&タクトに勝ちたいゴウカザル使い(作者:ゴジロット)(原作:ポケットモンスター)

「もうリザフィックバレーには、貴方のリザードンに敵うリザードンは存在しないし、アタシに出来る事は全てやったわ。だからここから先は貴方と一緒に広い世界に出て、共に真の最強へと上りなさい」▼ ポケモンマスターを目指して、旅を続ける少年サトシと、相棒のピカチュウ。▼ それと少しの間だけまた一緒に旅をして、共にイッシュ地方から帰ってきたサトシのリザードン。▼ マサラ…


総合評価:230/評価:8.4/連載:13話/更新日時:2026年07月03日(金) 19:25 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>