ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド   作:ガチャガチャクツワムシ

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時を越えた決断

 セレビィもすっかり回復し、答えが決まるまで待つこと3時間。その間にシアンとマツバが彼らの時代のことを調べ、ジストとヒビキがオーキド博士に相談していた。

 「……という訳で、博士。何とか戸籍とか用意出来ないか?」

『う~む……そういう事なら、ワシの町長の兄を頼れば何とかなるじゃろう』

「助かる」

『それよりじゃ、彼らのポケモンの写真はあるかのう?』

「それは回復装置に入れる時に撮ったからあるよ。今から送るね。図鑑でも調べたら、バサギリとヒスイゾロアークって出たけど? 博士も確認してみて?」

 そう言ってヒビキがデータを送信すると、端末の向こうでオーキド博士が声を弾ませた。

『おぉ! 正しくバサギリとヒスイのゾロアークじゃ! ぜひとも研究させて貰えんかのう!』

「それは彼らの答え次第じゃないか?」

『それはそうじゃのう。そうじゃ! ワシも彼らの身元について念のため調べてみよう!』

「頼むわ、博士。それじゃ一旦切らせて貰う」

 通話を終えると、調べ物を終えたシアン達も戻ってきた。四人に答えを聞くため、回復したセレビィを伴って再びあの部屋へと向かう。

 「それで、答えは決まったか?」

 ジストがそう問いかけると、四人は互いに顔を見合わせて頷き、代表してソウゴが口を開いた。

「このまま、この時代で生活をしていこうと思う。……唯、念の為に元の時代へ手紙を送りたいんだが、可能か?」

「セレビィ、タイムトラベルのついでに、過去へ手紙を送るなんてことはできるか?」

 ヒビキが尋ねると、セレビィは誇らしげに胸を張って鳴いた。

「ビィ! ビビィッ!」

『できると言っている。唯、その対価として大量のお菓子をよこせとのことだ』

 バドレックスがテレパシーでその条件を通訳してヒビキに伝え、ヒビキがそれを全員に共有すると、部屋の中には思わず苦笑いと安堵の空気が広がった。

 「手紙を……元の時代へ送るってことかい?」

 ヒビキが確認するように聞き返すと、ソウゴは静かに頷いた。

「あぁ。俺たちが生きていること、そして無事であることを、家族や一部の信頼できる者にだけでも伝えておきたい。勝手な我が儘かもしれないが……可能なら頼みたい」

「分かった。セレビィの力が必要になるが、お菓子を報酬に頑張ってくれるならこっちとしても協力するさ」

 ジストが頼もしく笑うと、シアンやマツバも頷きながら賛同した。

 時を超えた未来での生活という大きな決断を下した彼らは、それぞれの過去に一区切りをつけ、この新しい世界で歩み出すための第一歩を踏み出そうとしていた。

 セレビィに手紙を託し、セレビィは眩い光を纏ってかつていた時間軸へと飛び立っていった。

 無事に手紙を送り届けた後、ヒビキ達は再びオーキド博士へと連絡を入れる。画面の向こうに映し出された白髪の老紳士は、画面の前にいるソウゴたち4人の姿を認めると、興味津々といった様子で目を細めた。

 『はじめまして、ワシはオーキドという』

 ヒビキが「戸籍なんかを用意してくれるのに協力してくれたんだ」と説明しつつソウゴたちを紹介すると、さらにマサラタウンに住む場所を用意する話が進められていく。

 「感謝する」

 ソウゴたちは深く頭を下げ、こうして未来での新たな生活に向けた具体的な打ち合わせが和やかに進んでいった。

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