ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド 作:ガチャガチャクツワムシ
カポエラーを倒したものの、ガラルヤドランはすでにボロボロで、荒い息を吐きながらも表情は変わらなかった。
「よくやった、一旦休め」
そう声をかけたヒビキは、シジマがカポエラーをボールへと戻すのと同時に、ガラルヤドランを手元へ引く。
「いけ、オコリザル!」「プギィィィッ!」
「行ってこい、ワタッコ!」「タッコッ!」
シジマが繰り出した闘気むき出しのオコリザルに対し、ヒビキは素早さに優れるワタッコをチョイスする。
「オコリザル、【冷凍パンチ】!」
「ワタッコ、【飛び掛かる】!」
ワタッコが圧倒的なスピードで先手を取り、【飛び掛かる】でオコリザルの攻撃力を鋭く削ぎ落とす。直後に受けた【冷凍パンチ】は抜群の相性ゆえに大ダメージとなるも、ワタッコは懸命に耐え切った。
「そのまま【力を吸い取る】!」
「なにっ……!?」
オコリザルの下がった攻撃力をさらに吸い取りつつ、ワタッコは自身の体力を一気に回復させる。
「ほう……随分とテクニカルで嫌らしい戦法を使うな」
「正攻法ではそっちに分がありますからね。まぁ、この戦い方を卑怯だと言う奴もいますけど」
「ハハッ、言わせておけばいい! 戦術とは元来、いかにこちらの被害を抑え、相手にどれだけの損害を与えるかが重要なのだ。ワシは、そんなものを卑怯だなどとは微塵も思らんさ。──いくぞ、オコリザル、【鬱憤ばらし】!」
「ありがとうございます! ワタッコ、【アクロバット】!」
自分の能力を下げられた怒りを乗せたオコリザルの【鬱憤ばらし】を、風に乗る綿毛のように華麗に躱し、ワタッコは鋭い【アクロバット】を叩き込んで着実にダメージを重ねる。
「柔よく剛を制す、まさに手本のような回避だな。だが──これで終わりだ、【憤怒の拳】!」
「やっぱり来るか……! なら【エナジーボール】!」
これまでの被弾による怒りを極限まで乗せた【ふんぬのこぶし】の直撃を避けきれず、ワタッコは強烈な一撃に吹き飛ばされて戦闘不能に倒れた。
「よく粘ってくれた。……行ってこい、ガラルヤドラン!」
「ヤァン……」
ボロボロだった体力を一端引っ込め、再びガラルヤドランを戦場に送り出す。
「【なまける】からの【鈍い】!」
「押し切るぞ、【うっぷんばらし】!」
すかさず【怠ける】で体力を立て直しつつ【鈍い】を積むヤドランに、オコリザルの【鬱憤ばらし】が直撃するも、今度は執念で耐え抜く。
「決めるぞ、もう一度【アシストパワー】!」
「受けてみよ、【鬱憤ばらし】!」
お互いの渾身の一撃が激突し、その衝撃相討ちとなる形で、両者同時に戦闘不能となって倒れ伏した。
「よし、これで互いに手持ちはあと一匹だな……! 最後の締めくくりだ、行け、ニョロボン!」「ボンッ!」
「ラストだ、頼むぞスピアー!」「スピッ!」
シジマが最後に送り出したのは屈強なニョロボン、それに対しヒビキは鋭利な双針を持つスピアーを繰り出した。
「スピアー、【毒づき】!」
「ニョロボン、【アクアブレイク】!」
凄まじい加速で懐に飛び込んだスピアーの【毒づき】と、カウンター気味に放たれたニョロボンの【アクアブレイク】が交錯し、両者は激しく吹き飛ぶ。しかし、すぐに両者とも体勢を立て直して距離を詰めた。
「【シザークロス】!」
「【岩雪崩】!」
正面からの激突。頭上から降り注ぐ大量の岩石を卓越した機動力で躱し、スピアーの【シザークロス】がニョロボンの巨体を切り裂く。一度距離を取ると、お互いに勝負手を構えた。
「スピアー、【剣の舞】!」
「ニョロボン、【腹太鼓】!」
一気に自らの攻撃力を極限まで高め合う両者。
「お互い、次の一撃が最後になりそうですね」
「そのようだな……! ニョロボン、【気合いパンチ】!」
「スピアー、【逆鱗】!」
放たれた最大火力の激突。ニョロボンの渾身の【気合いパンチ】を、スピアーは紙一重の身のこなしで躱し切り、そのまま怒涛の連続突きを叩き込む。たまらずニョロボンは大きくよろめき、そのまま地面に崩れ落ちた。
「ニョロボン、戦闘不能! スピアーの勝ち! したがって、勝者はマサラタウンのヒビキ!」
審判の力強いコールが響き渡る。
「ガハハ、素晴らしい! いやはや、実に良き試合であった!」
シジマは豪快に大笑いしながら歩み寄り、認められた証であるジムバッジをヒビキへと手渡すのであった。
ジョウトリーグが終わって次の地方は
-
サトシと一緒のホウエン地方
-
サトシとは別のイッシュ地方