ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド   作:ガチャガチャクツワムシ

148 / 148
VSサイトウ

 ジム戦を終えてタンバジムの外に出ると、一人の凛とした少女に声をかけられた。

 「すみません、宜しければワタシと試合をして貰えませんか?」

「え~と、一応聞くけどポケモンバトル?」

 相手の少女が本格的な道着をまとっていたため、ヒビキは思わずそう問い返す。

 「おや、お嬢じゃないか。来ていたのか」

 そのやり取りを聞きつけたのか、ジムの奥からシジマが豪快に笑いながら姿を現した。

 「お久しぶりです、シジマ師範」

「あの~……?」

「おっと、すまんすまん。彼女はサイトウ。ガラル地方のジムリーダー候補で、ガラル空手の師範代だ」

 シジマがそう紹介すると、サイトウはピンと背筋を伸ばして綺麗に頭を下げた。

 「ヒビキです」

 ヒビキが名乗ると、隣にいたダンやエイもそれに倣って簡単に自己紹介を済ませる。

 「実は、貴方の噂をバウジムのルリナさんから聞いていまして……なんでも、マスター道場の免許皆伝の証であるポケモンを手持ちに連れているとか。ぜひ一度お手合わせ願いたいと思っていたのですが、師範への出稽古の最中に貴方の試合を目の当たりにして、いてもたってもいられず、不躾ながらお願いにあがった次第です」

「そういうことなら……断る理由はないかな」

「ありがとうございます!」

 こうして、タンバジムのバトルフィールドを再び借り受け、ヒビキとサイトウの急遽のスペシャルマッチが行われることになった。

 「お願いします、カイリキー!」「リッキーッ!」

「行ってこい、ウーラオス!」「ベアクマッ!」

 サイトウが頼もしい4本の腕を持つカイリキーを繰り出すと、ヒビキは相棒である連撃の型のウーラオスを戦場に送り出す。

 「おお……あれが、マスター道場の免許皆伝者に授けられるというウーラオスか!」

 自ら審判を買って出たシジマが感嘆の声を上げる中、緊迫した空気の中で試合のゴングが鳴り響いた。

 「カイリキー、【雷パンチ】!」

「ウーラオス、【水流連打】!」

 カイリキーが発達した4本の腕をフルに使って激しい電撃のラッシュを繰り出すが、ウーラオスは変幻自在の【水流連打】でその軌道を見事にいなし、正確に捌いていく。

 「そのまま、【ドレインパンチ】!」

 懐へ鋭く潜り込んだウーラオスが強烈な拳をカイリキーの腹部に叩き込み、手痛いダメージを与えると同時に自らの体力を回復する。

 「ならば、此方も【ドレインパンチ】です!」

 すぐさまお返しとばかりにカイリキーが重い拳を叩き込み、自身の体力を立て直していく。

 「「【ビルドアップ】!」」

 お互いの意思が完璧に一致したように同時詠唱で攻撃と防御を高め合い、勝負はいよいよクライマックスへと突入する。

 タイマンの極限状態、サイトウが最大火力を命じた。

 「カイリキー、【気合パンチ】!」

「ウーラオス、【水流連打】の勢いを乗せた【インファイト】!」

 カイリキーが放った渾身の最大技に対し、ウーラオスは先ほどをさらに上回る凄まじい連続打撃を叩き込み、その圧倒的な圧力でカイリキーを盛大に吹き飛ばした。

 直後、カイリキーはたまらず膝をつき、そのまま戦闘不能になった。

 「カイリキー、戦闘不能!」

 シジマの力強い宣言が響き渡る。

 「……流石はマスター道場の、そしてジストさんの親戚の方ですね。あの方の後任となれるよう、ワタシもさらに精進を重ねます」

「いや、強かったよ。お互い頑張ろうな」

 清々しい表情で頭を下げるサイトウとヒビキがしっかりと握手を交わし、一連の熱い戦いを終えた一行は、心地よい疲労感を抱えながらポケモンセンターへと向かうのだった。

ジョウトリーグが終わって次の地方は

  • サトシと一緒のホウエン地方
  • サトシとは別のイッシュ地方
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

転生した引きこもりのアニポケ冒険譚(作者:ミカりん)(原作:ポケットモンスター)

 ポケットモンスターの世界に、異物が紛れ込んだ。▼ 異物は、決して語られぬ存在と結びつき、やがてそれは大きな時空のうねりとなって流れていく。▼ ポケモンマスターを目指す少年、マサラタウンのサトシの同期として紛れ込んだその『異物』は、オーキド博士に貰ったヒトカゲとその前からのトモダチであるカラカラの2匹と旅に出て、誰と出会い、誰と競い合うのか。▼ しかし、彼は…


総合評価:40/評価:-.--/連載:3話/更新日時:2026年07月09日(木) 17:27 小説情報

逆行サトシの大冒険(作者:鉄壁拡散)(原作:ポケットモンスター)

サトシとその仲間達はそれぞれの夢に向かって歩みを進めたが、寿命には勝てず一生を終えてしまう。▼だがある日、サトシは気が付くと前世の記憶を持って逆行していた。▼サトシ「俺は今度こそポケモンマスターになるぜ!ピカチュウ、君に決めた!」▼ピカチュウ「ピッカ!」


総合評価:321/評価:7/連載:21話/更新日時:2026年09月13日(日) 17:35 小説情報

映像機画版携帯獣世界転生物語(作者:こうすけ増田劇場版)(原作:ポケットモンスター)

なんか知らんがアニポケの世界に転生してた。


総合評価:2534/評価:7.35/連載:33話/更新日時:2026年09月06日(日) 00:05 小説情報

アニポケXY サトシのリザードン続投&タクトに勝ちたいゴウカザル使い(作者:ゴジロット)(原作:ポケットモンスター)

「もうリザフィックバレーには、貴方のリザードンに敵うリザードンは存在しないし、アタシに出来る事は全てやったわ。だからここから先は貴方と一緒に広い世界に出て、共に真の最強へと上りなさい」▼ ポケモンマスターを目指して、旅を続ける少年サトシと、相棒のピカチュウ。▼ それと少しの間だけまた一緒に旅をして、共にイッシュ地方から帰ってきたサトシのリザードン。▼ マサラ…


総合評価:212/評価:7.5/連載:14話/更新日時:2026年08月31日(月) 19:00 小説情報

転生サトシの旅路(作者:ナノブ)(原作:ポケットモンスター)

これは、アニポケのサトシが一生を終えた記憶と、アニポケを見ていた人の記憶両方を持った転生者サトシが、波導と呼ばれるチートを駆使して行く旅路を記したもの。▼サトシ至上主義が書くポケモン小説です。▼作者はポケモンライト勢であり、にわかです。


総合評価:4033/評価:9.15/連載:36話/更新日時:2026年06月27日(土) 18:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>