ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド   作:ガチャガチャクツワムシ

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VSサイトウ

 ジム戦を終えてタンバジムの外に出ると、一人の凛とした少女に声をかけられた。

 「すみません、宜しければワタシと試合をして貰えませんか?」

「え~と、一応聞くけどポケモンバトル?」

 相手の少女が本格的な道着をまとっていたため、ヒビキは思わずそう問い返す。

 「おや、お嬢じゃないか。来ていたのか」

 そのやり取りを聞きつけたのか、ジムの奥からシジマが豪快に笑いながら姿を現した。

 「お久しぶりです、シジマ師範」

「あの~……?」

「おっと、すまんすまん。彼女はサイトウ。ガラル地方のジムリーダー候補で、ガラル空手の師範代だ」

 シジマがそう紹介すると、サイトウはピンと背筋を伸ばして綺麗に頭を下げた。

 「ヒビキです」

 ヒビキが名乗ると、隣にいたダンやエイもそれに倣って簡単に自己紹介を済ませる。

 「実は、貴方の噂をバウジムのルリナさんから聞いていまして……なんでも、マスター道場の免許皆伝の証であるポケモンを手持ちに連れているとか。ぜひ一度お手合わせ願いたいと思っていたのですが、師範への出稽古の最中に貴方の試合を目の当たりにして、いてもたってもいられず、不躾ながらお願いにあがった次第です」

「そういうことなら……断る理由はないかな」

「ありがとうございます!」

 こうして、タンバジムのバトルフィールドを再び借り受け、ヒビキとサイトウの急遽のスペシャルマッチが行われることになった。

 「お願いします、カイリキー!」「リッキーッ!」

「行ってこい、ウーラオス!」「ベアクマッ!」

 サイトウが頼もしい4本の腕を持つカイリキーを繰り出すと、ヒビキは相棒である連撃の型のウーラオスを戦場に送り出す。

 「おお……あれが、マスター道場の免許皆伝者に授けられるというウーラオスか!」

 自ら審判を買って出たシジマが感嘆の声を上げる中、緊迫した空気の中で試合のゴングが鳴り響いた。

 「カイリキー、【雷パンチ】!」

「ウーラオス、【水流連打】!」

 カイリキーが発達した4本の腕をフルに使って激しい電撃のラッシュを繰り出すが、ウーラオスは変幻自在の【水流連打】でその軌道を見事にいなし、正確に捌いていく。

 「そのまま、【ドレインパンチ】!」

 懐へ鋭く潜り込んだウーラオスが強烈な拳をカイリキーの腹部に叩き込み、手痛いダメージを与えると同時に自らの体力を回復する。

 「ならば、此方も【ドレインパンチ】です!」

 すぐさまお返しとばかりにカイリキーが重い拳を叩き込み、自身の体力を立て直していく。

 「「【ビルドアップ】!」」

 お互いの意思が完璧に一致したように同時詠唱で攻撃と防御を高め合い、勝負はいよいよクライマックスへと突入する。

 タイマンの極限状態、サイトウが最大火力を命じた。

 「カイリキー、【気合パンチ】!」

「ウーラオス、【水流連打】の勢いを乗せた【インファイト】!」

 カイリキーが放った渾身の最大技に対し、ウーラオスは先ほどをさらに上回る凄まじい連続打撃を叩き込み、その圧倒的な圧力でカイリキーを盛大に吹き飛ばした。

 直後、カイリキーはたまらず膝をつき、そのまま戦闘不能になった。

 「カイリキー、戦闘不能!」

 シジマの力強い宣言が響き渡る。

 「……流石はマスター道場の、そしてジストさんの親戚の方ですね。あの方の後任となれるよう、ワタシもさらに精進を重ねます」

「いや、強かったよ。お互い頑張ろうな」

 清々しい表情で頭を下げるサイトウとヒビキがしっかりと握手を交わし、一連の熱い戦いを終えた一行は、心地よい疲労感を抱えながらポケモンセンターへと向かうのだった。

ジョウトリーグが終わって次の地方は

  • サトシと一緒のホウエン地方
  • サトシとは別のイッシュ地方
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