ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド 作:ガチャガチャクツワムシ
チョウジタウンへと向かう途中でエンジュシティに立ち寄ると、街は歩くのも困難なほどの凄まじい人混みでごった返していた。
「すごい人混みね……!?」
「一体、何があるんだ?」
「二人とも、はぐれないように離れるなよ~」
ダンが声をかけながら人混みをかき分けて進み、何とかたどり着いたポケモンセンターの中も、トレーナーたちでごった返して身動きが取れないほどだった。
「ねえ、ここで何かやってるの?」
近くにいたトレーナーにヒビキが尋ねると、その男は興奮気味に答えた。
「あぁ、どうやらこの近くに、あのカルネさんが撮影に来ているらしいぞ!」
「マジかよ……! あのカロスチャンピオンのカルネさんが? だからこんなに人が多いのか」
ヒビキが驚きながらも納得していると、エイが小首をかしげた。
「カルネって……?」
「カロス地方のポケモンチャンピオンで、世界的な大女優だよ」
先ほどのトレーナーが離れたあと、ヒビキがそう教えると、ダンも腕を組んで頷く。
「確かチャンピオンってのは、その地方で一番強いトレーナーだったか。そういえば、旅の途中で買った雑誌にも特集されていたな」
「そうそう! あの人が主演する映画は、どれも大ヒット間違いなしの大人気作になるんだから」
「それじゃあ、撮影が終わるまではこの混雑も収まりそうにないな」
「多分ね」
「この人混みじゃ外を歩くのも一苦労だし、しばらくここで休もうか」
エイの提案に二人は賛成し、騒動が落ち着くまでポケモンセンターで小休止を取ることにした。
「そうだ。オーキド博士に連絡をとってみたらどうだ? ソウジさんやツキノさんとも繋がれるかもしれないだろ」
「そうだな……。久しぶりに2人の声も聞いてみるか」
「そうね! 姫は元気かしら」
「じゃあ通信している間に、俺は手持ちのポケモンたちの健康状態でも確認しておくよ」
仲間たちと言葉を交わし、ヒビキは手持ちのポケモンたちのコンディションを確かめに向かった。
翌日になり、街の喧騒と人混みが多少落ち着いたのを確認すると、三人は急ぎ足でエンジュシティを後にした。道中、ヒビキが仲間に尋ねる。
「2人、元気そうだったか?」
「うん、すごく楽しそうにしてたわね」
「過去のしがらみがなくなったからか、若の本来の性格が出ていたよ」
「そうなんだ」
嬉しそうに報告する二人にヒビキが相槌を打つと、ダンが少し真面目なトーンで切り出した。
「そういえば、セレビィが戻ってきてたみたいでな。未来からの手紙の返事を持ってきてくれたそうなんだ」
「へえ、それで?」
「それがさ……ボク達の祖国に戦争を仕掛けてきた国なんだけど、どうやら滅亡したそうなのよ」
「えっ……何で?」
「それが、ボク達がこの時代に飛ばされる時に見た、あの巨大なポケモンが敵国を徹底的に滅ぼしたらしいんだ」
「で、オーキド博士たちがその手紙の内容を聞いて詳しく調べたところ、およそ四百年前くらいに、このジョウト地方からかなり遠く離れた場所が、俺達の故郷になるみたいだな」
「ふ~ん、それなら何か昔の遺跡みたいなものでも残ってないのかな?」
「伝聞みたいな言い伝えが、ほんの少しだけ残っている程度みたいだよ」
「へえ~……」
「まぁ、流石に四百年も経ってりゃ、当時の面影なんてどんなものか全く不明とのことだけどな」
そんな驚きとロマンの入り混じった秘密を語り合いながらも、ヒビキたちは次なる目的地であるチョウジタウンへと、確かな足取りで北へ向かって歩みを進めていくのだった。
ジョウトリーグが終わって次の地方は
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サトシと一緒のホウエン地方
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サトシとは別のイッシュ地方