ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド 作:ガチャガチャクツワムシ
親分色違いのエレブーを捕まえたあと、少し落ち着いたタイミングでヒビキが図鑑でエレブーのステータスを確認してみると、思わず声を漏らした。
「お前、【シグナルビーム】や【サイコキネシス】まで覚えているのか……。その上、【この指止まれ】に【テレポート】、【光の壁】に【リフレクター】って、サポート技がやけに充実してないか? しかも、普段から使い慣れているような手筋だし……」
「それじゃあ、何で普段はあんなに大人しいのに、バトルになると急にあんな攻撃的になるわけ?」
エイが呆れたようにそう尋ねると、エレブーは気まずそうに顔を赤くして、ぽりぽりと頭を掻いた。
「たまに、テンションがぶち上がってそのまま暴走しちまう個体もいるにはいるから、こいつもそういう特殊な気質なのかもな」
「それにしちゃあ、オンとオフの差が激しすぎるとは思うがな」
ダンも思わずツッコミを入れざるを得ない。実はこのエレブー、普段は周囲に気を配れる高い協調性の持ち主なのだが、強敵とのバトルや連戦などで興奮の度合いが限界を超えると、タガが外れて戦闘狂のようになってしまうという厄介な性質を秘めていた。もっとも、ヒビキの指示自体はしっかりと聞くため、今のところ致命的な問題にはなっていない。
「まぁ、いざとなれば何とかなるだろ」
そんなハプニングもありつつ、一行は無事に目的地であるチョウジタウンへとたどり着いた。
さっそくポケモンセンターの通信機に向かい、新しくエレブーを捕まえたことをオーキド博士に報告する。
『最近は新しいポケモンをあまり捕まえていなかったから久方ぶりじゃな! しかもエレブーとは……』
通信の向こうでオーキド博士が楽しげに笑うと、横で聞いていたエイとダンは少し首を傾げた。
「ドサイドンの時もそうでしたけど、最初は別に捕まえるつもりなんてなかったんですけどね」
ヒビキが苦笑交じりにそう言うのを聞いて、エイとダンは「どういうこと?」と不思議そうな視線を向ける。それを見咎めた博士は、楽しそうに笑うと
『まぁ、ジストが連れているエレキブルやドサイドン、それにギャラドスといった面々を見慣れておるからのう。どうしても同じポケモンの評価に対する目が肥えてしまうのは仕方がないことじゃのう』
「……博士、エレブーの事は兄貴のエレキブルたちには内緒にしておいてくださいよ。またギャラドスが拗ね始めると面倒臭いんで」
『はっはっは、ギャラドスも今はオーダイルを鍛えるのに夢中じゃし、大丈夫じゃろう。そうそう、すまんがチョウジジムのヤナギ達によろしく伝えておいてくれんか?』
「わかりました」
そうしてオーキド博士との通信を切り、手持ちの入れ替えを終えると、ヒビキは2人に声をかけて調整のためポケモンセンター内のフリーバトルスペースへと向かった。
その背中を見送りながら、エイはポツリと呟く。
「……なんか、こういうところを見ると、ヒビキにも年相応に子どもっぽいところがあるんだね」
「そうだな。年下なのにたった一人でこんな旅をしてるから、無理を言って初対面の俺達を同行させてもらってるけどさ。こういう何気ないやり取りを見ると、やっぱり普通の少年なんだなってホッとするぜ」
ダンも納得したように相槌を打つ。
その後、フリースペースでの入念な調整を終えたヒビキは、そのままの勢いでチョウジジムへと挑み、見事にジムバッジを獲得するのであった。
ジョウトリーグが終わって次の地方は
-
サトシと一緒のホウエン地方
-
サトシとは別のイッシュ地方