ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド 作:ガチャガチャクツワムシ
湖面から轟音と共に姿を現したのは、鮮やかな真紅の体色を誇る──色違いのギャラドスだった。
ヒビキたちは咄嗟に手持ちのポケモンを繰り出して迎撃態勢を取るが、なぜかエレブーやチョンチーはどこか様子がおかしく、ぐったりとして気だるげな様子を見せている。一方で、最近進化を果たしたばかりのダンのゴルダックは何ともないように平然としていた。
ヒビキが慌てて指示を出そうとした瞬間、それよりも早くソウマとヒスイジュナイパーが電光石火の如く動き出す。
「【リーフブレード】」
ソウマの鋭い号令とともに放たれたヒスイジュナイパーの一撃は、暴れ狂う色違いのギャラドスの意識をいともたやすく奪い去り、巨体を揺らしたギャラドスはそのまま静かに水面へと沈んでいった。
「一撃……!?」
「……すげぇ強さ……」
「あのギャラドスだって野生にしては相当な手練れのはずだぞ。それを一撃で沈めるなんてな……」
エイが驚愕の声を上げ、ヒビキは唖然として絶句し、ダンはギャラドスの実力を把握していたからこそヒスイジュナイパーの底知れぬ強さに冷や汗を流す。
そんな周囲の反応をよそに、ソウマは異変を感じ取ったのか、じっとエレブーとチョンチーを観察し始めた。そして、自分の手首につけていた特殊な機械を作動させると、苦しそうにしていた2匹の呼吸が嘘のように整い、たちまち調子を取り戻していく。
「これは……?」
「さっきから、妙な電波をコイツがキャッチしていてね。どうやら、周囲のポケモンに無理やり進化を促す特殊な電波のようだ。俺が今妨害電波を発生させたから、彼らの調子も戻ったはずだよ」
ソウマが冷静に種明かしをしていると、突如として周囲の木立から怒号が響き渡った。
「キサマらか! 我らが計画の要であるギャラドスを倒したのは!」
見れば、周囲はRと刻印された制服を纏ったロケット団の団員たちにすっかり取り囲まれていた。その中の一人が、ソウマの顔を見るなり顔を真っ赤にして激昂する。
「キサマは……! 我々の支部を次々と壊滅に追い込んでいる男だな!」
怒りに震える団員を、ソウマは冷ややかに一瞥した。次の瞬間、ソウマの姿がかき消えるように視界から消失し、気づけばリーダー格の団員の目の前に立っていた。
「なっ……!?」
「邪魔だ。取り敢えず、吹き飛べ」
淡々とした声音のまま放たれたソウマの拳がリーダー格の腹部を捉えると、人間とは思えない凄まじい衝撃波が爆ぜた。リーダー格の男は砲弾の如く吹き飛ばされ、数本の太い木々をなぎ倒しながらようやく地面に激突して気絶する。
あまりの光景に、その場にいた全員が動きを止めて凍りついた。しかし、ソウマはその勢いのまま残りの団員たちを次々と無慈悲に叩きのめしていく。最後の1人をまさに殴り飛ばそうと拳を振り上げた時、ヒビキはその団員の顔をまじまじと見て、はたと気づいた。
「ソウマさん! その人は違う!」
ヒビキが咄嗟に声を張り上げて制止すると、ソウマは寸前のところで拳をピタリと止めた。
殴られずに済んだ団員は、冷や汗を拭いながら頭の帽子をとり、変装を解く。その下から現れたのは、カントーとジョウトを統べる最強のチャンピオン──ワタルの顔だった。
「あぁ、この地方のチャンピオンか……」
ソウマも何食わぬ顔で戦闘態勢をスッと解いてみせる。
「久しぶりだね、ヒビキ君……助かったよ」
ワタルは苦笑いを浮かべながらヒビキに礼を言うと、そのまま完全に意識を失った周囲の団員たちに同情の視線を向けつつ、ここにいる理由を説明し始めた。
「どうやらロケット団がこの湖で何か悪事を働いているという情報を掴んでね。私は『ポケモンGメン』として、内部に潜入捜査をしていたのさ」
「なるほどね……。なら、俺とそのロケット団の秘密基地を潰しに行かないかい?」
ソウマの不敵な提案に、ワタルは力強く頷いて即座に了承した。
「助かる。悪いけれど、ヒビキ君たちは外から基地の動きを見張っていてくれないか? 合流する奴がいるから連絡要因が欲しくてね」
ソウマがそう頼み込むと、ヒビキ達は頷きロケット団の隠された秘密基地へと向けて動き出すのだった。
ジョウトリーグが終わって次の地方は
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サトシと一緒のホウエン地方
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サトシとは別のイッシュ地方