ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド 作:ガチャガチャクツワムシ
親分個体のブーバーを新たに手持ちに加え、最後のジムバッジが待つフスベシティを目指して旅をするヒビキ、エイ、ダンの三人。
道中で出会うトレーナーたちとバトルを重ねながら旅を続けていると、あるトレーナーから耳寄りの情報を手に入れた。その情報に興味を惹かれた三人は、フスベシティへの道筋から少し外れた場所にある大きな施設へと足を延ばしてみることにしたのだった。
「ここが『バトルパーク』ねぇ……」
「何でも、あらゆる種類のポケモンが揃っていて、好きな組み合わせを選んで自由にバトルができるらしいわよ」
「なんだか、去年に別の地方へ移転したジョウトの『バトルファクトリー』みたいな施設だな」
「バトルファクトリー?」
首をかしげるエイに、ヒビキが分かりやすく解説を加える。
「どんなトレーナーの指示にも忠実に従うよう、特別なトレーニングを受けたレンタルポケモンを使ってバトルを行う施設なんだ。カントー地方にも同系列の施設があってね。そういう施設を束ねる責任者のことを『フロンティアブレーン』って呼ぶんだけど……下手をしたら各地のチャンピオンより強い人だっているらしいよ」
「へぇ~……そんな凄まじい場所があるのね」
感心したように呟くエイをよそに、説明を終えたヒビキはある考えを思い立ち、受付カウンターへと向かった。
「すみません。四天王のジストさんと同じ手持ちポケモンとのバトルを設定することは可能ですか?」
突然の申し出に、受付の担当者は一瞬驚いた顔を見せたが、端末を操作しながら申し訳なさそうに眉を下げた。
「申し訳ございません。四天王ジスト様の手持ちデータの大部分は再現可能なのですが……『ガチグマ』に関しましては当施設でも育成データが存在しておらず、再現ができませんで……」
「あぁ、なるほど……。なら、代わりに『ドサイドン』でお願いします」
「承りました。バトルフィールドの準備が整い次第、お呼びいたしますね」
無事に受付を済ませて戻ってきたヒビキに、エイが目を丸くして小声で尋ねる。
「ヒビキ、お兄さんと同じ手持ちを相手にバトルするつもりなの!?」
「うん。今の自分の実力がどれほどジスト兄さんに通用するのか、一度試してみたくてさ」
不敵な笑みを浮かべて答えるヒビキ。その背中と強い眼差しを見ていたダンとエイの胸にも、静かに熱い火が灯る。
「……フッ、なら俺も自分の実力を試してみるか」
「ボクも! どんなバトルができるかやってみたい!」
ヒビキの挑戦に触発されたダンとエイのふたりも、目を輝かせながら受付カウンターへと向かっていくのだった。
準備完了のアナウンスが響き、ヒビキは胸を高鳴らせながら専用のバトルフィールドへと足を踏み入れた。
──そして、白熱のバトルを終えた後。
健闘を称え合い、バトルを担当してくれた施設の職員へ、ヒビキは前々から気になっていた素朴な疑問を投げかけた。
「やっぱり、ここって対四天王を想定したバトルをするトレーナーが多いんですか?」
「ええ、そうですね。当施設にはほぼ全てのポケモンの育成データが揃っていますから、四天王やチャンピオン対策として利用される方は非常に多いですよ」
職員はそう頷くと、ふと表情を引き締めて言葉を続けた。
「ただ……念のために言っておきますが、ここで仮想の四天王パーティに勝てたからといって、本物の四天王に勝てるわけではありません。実際の四天王たちの土壇場での判断力や、ポケモンとの絆、土壇場で見せる底力はデータだけで測れるものではありませんからね。そこだけは注意してください」
「はい、もちろんわかってます」
ヒビキが真っ直ぐな目で即答すると、職員はフッと口元を緩めて朗らかに笑った。
「失礼しました。前回のセキエイリーグ3位であるヒビキ選手に、今更こんな釈迦に説法のようなアドバイスは不要でしたね」
互いにお礼を言い合い、爽やかな余韻を残して受付ロビーへと戻ると、ちょうどダンとエイの二人もそれぞれのバトルを終えて戻ってきたところだった。
「どうだった、二人とも?」
ヒビキが声をかけると、ダンが手応えを感じさせた表情で口を開いた。
「とりあえず、今の自分の実力と課題がはっきり見えたよ。これなら、いずれ一人旅になったとしても困ることはなさそうだ」
「ボクも同じかな! 自分のバトルの幅が広がるいい経験になったよ。ヒビキはどうだった?」
「うん。ここのポケモンたちもかなり鍛えられていて強かったから、いい刺激をもらえたよ」
互いの戦果を報告し合い、満足げに頷き合う三人。
それぞれの成長を確かめ合った彼らは、気持ちを新たに、最後のジムバッジが待つフスベシティを目指して再び歩み始めたのだった。
ジョウトリーグが終わって次の地方は
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サトシと一緒のホウエン地方
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サトシとは別のイッシュ地方