ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド 作:ガチャガチャクツワムシ
最後のジムバッジであるライジングバッジを見事に手に入れたヒビキ。
ジムを後にする前、ドラゴンスペシャリストであるワタルやイブキから、新たに仲間となったモノズ、セビエの育成について有益なアドバイスやコツを教わった。ドラゴンタイプの扱いに長けた二人からの言葉は、ヒビキにとっても非常に参考になるものばかりだった。
ジムを出て、フスベシティの外へと踏み出すと、ヒビキは手元にあるボールを見つめながら口を開く。
「とりあえず、リーグまでに即戦力になりそうなポケモンを探しつつ、モノズたち三匹の育成も進めていくとするか」
そう方針を決めてリーグ会場を目指すことにしたヒビキに、エイが興味深そうに首をかしげて尋ねた。
「ねぇ、その『即戦力』って具体的にどんなポケモンをイメージしてるの?」
「そうだなぁ……最近仲間になった手持ちで言うなら、あの親分ブーバークラスの強さかな。『氷の抜け道』でウリムーは捕まえたけど、あいつはしっかり進化させて育て上げないとリーグでのスタメン入りは難しい。それに、予期せぬ形で手持ちに加わったモノズ、セビエ、ブロロンの三匹に関しても、今回のリーグ戦で即スタメンとして連れていくのは流石に時間が足りないから無理があるしな」
現実的な戦力分析を口にするヒビキに、ダンも深く頷きながら言葉を添える。
「確かに、調べたところドラゴンポケモンなんかは実戦レベルまで育てるのに膨大な時間がかかるからな。今の手持ちの補強となると、どのタイプを考えているんだ?」
「特に『鋼』『悪』『氷』タイプは、今のスタメン枠の中で層が薄いんだよな。それに『フェアリータイプ』に至っては、未だにスタメンを任せられるような個体と出会えてすらいないんだ」
ヒビキが少し参ったようにぼやくと、ダンが察したように相槌を打った。
「なるほどな……。確かにフェアリータイプ自体、遭遇すること自体が珍しいからな」
「そうなんだよ。たまに出会えて捕まえられたとしても、戦いを好まなかったりバトルが苦手だったりする個体がほとんどだったから、その場でボールから出して逃がしてやっていたんだ」
「それこそジョウトに来てから捕まえたポケモンで言うなら、炎や電気、草、水タイプはかなり層が充実してるんだよな。飛行や毒タイプも特殊技を得意とする奴が増えてきて、戦術の幅は広がってる。格闘や虫タイプも数はまだ少ないけど、それぞれ役割が被らないように工夫して育ててるんだ」
手札の充実ぶりを振り返るヒビキだったが、ふうと息を吐き出して兜の緒を締め直すように苦笑いを浮かべた。
「……けどさ、これ以上むやみに手持ちを増やしたとしても、俺自身の育成能力のキャパシティを超えちゃうんだよなぁ」
「自分自身の育成の手が回らなくなるってことね。一匹一匹と向き合う時間を考えたら、確かにそうかも」
エイが納得したように頷くと、ダンも腕を組みながら真剣な表情で見解を述べる。
「正しい判断だと思うぞ。中途半端になるのが一番危険だからな。今のスタメンを磨き上げつつ、真に必要な即戦力だけを見極めるべきだ」
「それにさ……バドレックスはもちろん、兄貴や姉ちゃんの手持ちたちが稽古をつけてくれてはいるけど、その成果を俺がちゃんとバトルの場で確認してやらなきゃ、わざわざ時間を割いて鍛えてくれたみんなに失礼だし、手持ちたちにとっても意味がないからな」
自分の育成能力や手持ちたちの努力にどこまでも誠実なヒビキは、そうやって真剣に悩みながらも、頭の中で着々と今後のスケジュールの組み立てを始めていた。
「とにかく、早めにリーグ会場へ到着できるなら、一刻も早く現地に入って手持ち全体の育成に力を注ぎたい。……それと同時に、まだスタメン入りが少ないタイプの『即戦力』になりそうな個体を道中で捕まえる。当面はこのふたつが最重要課題だな」
「うん、それが一番手堅くて確実な方針だと思うわ!」
「あぁ。会場のトレーニング施設なら思い切った実戦形式の調整もできるしな」
ヒビキの出した結論にエイとダンも力強く賛同する。
ジョウトリーグが終わって次の地方は
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サトシと一緒のホウエン地方
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サトシとは別のイッシュ地方