ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド 作:ガチャガチャクツワムシ
ハナダジムで二つ目のバッジを手に入れたヒビキは、ポケモンセンターの通信機からマサラタウンのオーキド博士へ連絡を入れた。
「博士、預けているあいつら、どうですか?」
『うむ、皆ジストの手持ちたちに徹底的に鍛えられておるぞ。特にあのドサイドンが、サイホーンをかなり熱心に指導しておってな。サイホーンの方も、食らいつくように教えを乞うておるわい』
「……そりゃあ、サイホーンにとっては伝説の憧れですからね。ドサイドンに稽古をつけてもらえるなんて、願ってもないはずだ」
ヒビキは苦笑いしながら頷いた。だが、博士は少し困ったように鼻の頭を掻く。
『逆に、ギャラドスやエレキブルは、ヒビキが自分たちの同種を捕まえておらんからか、少しいじけておるのう。まぁ、エレキブルはピカチュウたちを鍛えておるからまだマシじゃが』
「最古参の奴らと同種は、どうしても兄貴の個体と比べちゃうから避けてたんですよね……。あ、でも水タイプで良さそうなのがいたら、今度は捕まえてみますよ」
『ほっほっほ、それは楽しみじゃ。報告を待っておるぞ』
通話を終え、ヒビキは三つ目のジムがあるクチバシティを目指して歩き出した。
その道中、木陰で丸くなって眠る小さな影を見つける。
「あれは……ケーシィか。エスパータイプは一匹欲しかったんだ、何とか捕まえてみよう」
瞬間移動で逃げられる前に、ヒビキは迷わずクイックボールを抜くと、正確なスローで投げつけた。
ボールが数回、激しく揺れる。……やがてカチリと音が響き、静止した。
「よし、ケーシィ、ゲットだ」
さらに進むと、今度は一匹のニョロモがトコトコと歩いているのが見えた。
「近くに池はないはずだ。誰かの手持ちか?」
様子を見ていると、ニョロモはヒビキに気づき、じっとその瞳を見つめてきた。やがて何かに納得したのか、ニョロモはぷくっと頬を膨らませ、戦闘態勢をとる。
「野生か……俺を試してるのか? なら、行ってこいドードー!」
「「ドドッ!」」
久しぶりの出番に、ドードーの二つの頭が張り切って声を上げる。
「【ドリル嘴】だ!」
鋭い回転を伴った嘴がニョロモを捉える。吹き飛ばされたニョロモだが、即座に体勢を立て直し、【水の波動】で反撃してきた。
「避けて、【ドリルライナー】!」
ドードーは軽やかなステップで水の弾丸をかわすと、ドリル状に回転しながら猛突進。重い一撃を食らったニョロモは目を回し、ヒビキが投げたボールの中に吸い込まれていった。
「ふぅ……なんか癖でボール投げたけど、野生で良かったな」
新たな仲間を加えた手応えを感じながら、ヒビキはクチバへの道を急ぐ。
その頃、オーキド研究所では、ヒビキが送ったニョロモのデータを見て、ジストのギャラドスが少しだけ機嫌を直していたという。