ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド   作:ガチャガチャクツワムシ

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実戦の応用

「改めて自己紹介するわ。私は優藤聖代(ゆうとうせいよ)! エリートの力、その目に焼き付けなさい!」

「ヒビキだ。よろしく(……親の名付け方、上手いな)」

 「審判は俺がやってやる。ルールは2対2で交代は可能だ! (……あの女の子、名前おもろいな)」

 ヒビキとシアンが心の中でシンクロしたツッコミを入れる中、ゼミ生たちの注目が集まる。

 「行きなさい、ゴローン!」

「行ってこい、ヒメグマ……いや、リングマ(……)!」

「グマァッ!!」

 ヒビキがボールを投げると同時に、ヒメグマの体が眩い光に包まれた。光が収まった後に現れたのは、一回りも二回りも巨大化した、筋骨隆々のリングマだった。

 「そろそろだと思ってたんだ。リングマ、進化後の初勝利を掴むぞ!」

 リングマは地響きのような咆哮で応えた。

 「ゴローン! 【丸くなる】から【転がる】!」

 セイヨはシミュレーター通りの定石、威力を最大化させるコンボを叩き込む。岩の塊となって突っ込んでくるゴローンに対し、ヒビキは不敵に笑った。

 「リングマ! 【腹太鼓】から、横凪の【アームハンマー】!」

 自分の腹を激しく叩き、限界まで攻撃力を高めたリングマが、丸太のような腕を振り抜く。正面から激突したゴローンは吹き飛ばされ、壁に激突しながらもギリギリで踏みとどまった。しかし、ヒビキに追撃の手緩みはない。

 「【地震】!」

 指示が届くよりも早く、リングマが大地を蹴り上げた。逃げ場のない衝撃波に飲み込まれ、ゴローンは戦闘不能となった。

 「ゴローン、戦闘不能! リングマの勝ち!」

 シアンの冷静な宣言に、セイヨは唇を噛んで次の一手を出した。

「行きなさい! カラカラ!」

「なら戻れ、リングマ。行ってこい、オニドリル!」

 二番手、地面タイプのカラカラに対し、ヒビキは飛行タイプのオニドリルを繰り出す。

 「地面技は効果がないわ……カラカラ! 【岩石封じ】!」

 弱点を突く岩技の指示。周囲の生徒たちが「当然の判断だ」と頷く中、ヒビキは「想定外」の指示を飛ばした。

 「オニドリル! |【ドリルライナー】と【鋼の翼】を合わせろ!」《……………………》

「えっ……!?」

 鋼鉄の硬度を得た翼を広げ、全身をドリルのように回転させながら突撃するオニドリル。迫りくる巨大な岩を次々と粉砕しながら、一直線にカラカラへと肉薄する。

 「驚いてる場合じゃないぞ! 【ドリル嘴】!」

 回転の勢いをそのまま乗せた必殺の嘴がカラカラを直撃。一撃で勝負は決した。

 「カラカラ、戦闘不能! オニドリルの勝ち。勝者、ヒビキ!」

 シアンの宣言が響く中、セイヨは呆然と立ち尽くしていた。

「嘘……データでは、岩技を食らえば飛行タイプは……」

「凄かっただろ? 今のは、野生のオニドリルが格上の相手を追い払う時にやってたのを真似したんだ。論理も大事だけど、それをどう生かすかは自分次第だろ?」

 ヒビキの言葉に、シアンが歩み寄ってくる。

「……まあまあだったな」

「シアン兄にそう言われるなら、合格かな」

 「それじゃ、行くか。出てこい、カイリュー! ピジョット!」

 シアンは呆然とする生徒たちにいくつかのアドバイスを残すと、二匹の巨躯を呼び出した。

 「送ってやる。乗りな」

「サンキュー!」

 ヒビキはシアンと共に風の背に飛び乗り、夕焼けに染まるクチバシティを目指して、大空へと舞い上がった。

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