ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド 作:ガチャガチャクツワムシ
「結局、良さそうな水タイプは見つけられなかったなぁ……」
クチバ近郊の町に降り立ち、ヒビキは溜息をついた。プテラの背から目を凝らしていたが、見つかるのはメノクラゲやコイキングばかり。途中、ラプラスを見かけはしたものの、すでに人を乗せていたため、スルーすることにして諦めた。
「水と氷、あとノーマルタイプの重量級か、遠距離特化が欲しいところだな……」
現在のヒビキの手持ちは17体。ニドキングやリングマ、最近進化を遂げたクロバットやサイドンなど、戦力は整いつつある。だが、セキエイリーグでの連戦や不測の事態(ドクターストップ等)を考えれば、層は厚いに越したことはない。
道中のトレーナー達とバトルをして情報を集めて見たが、リーグ公認ジムが去年まであったが閉鎖され、後はクチバジムかヤマブキジムしか近くにないとの事であった。
「次はタマムシジムにするか」
ヤマブキジムに対しては、ジスト譲りの直感か、あるいは「嫌な予感」がして避けることにした。
数日後。育成を兼ねた旅路の末、ヒビキは巨大都市タマムシシティに到着した。
「サイドンに進化したのはいいが、そろそろプロテクターが欲しいな。他の進化アイテムも予備を確保しておきたいし……」
タマムシデパートを覗いてみたものの、特殊な進化アイテムは非売品。進化の石は販売していたが割高であった。途方に暮れていると、通りすがりのトレーナーたちの会話が耳に入った。
「あそこのゲームセンター、景品に珍しいアイテムがあるらしいぜ。今ならキャンペーン中だってよ」
「……ゲームセンターか。覗いてみる価値はあるな」
目的を定め、人混みを縫うように歩き出した時。角を曲がった拍子に、一人の男性とぶつかりそうになった。
「おっと、すまない」
「こちらこそ、すみません」
目の前にいたのは、30代ほどの落ち着いた雰囲気の男性だった。どこかで見たような、既視感のある顔立ち。
「君もゲームセンターに用があるのかな? 俺もなんだ、一緒に行かないかい?」
「あ……はい」
断る理由もなく、ヒビキは男と共に歩き出した。
「おっと、名乗るのが遅れたな。俺の名前はソウマだ」
「ヒビキです。……ソウマさん、景品狙いですか?」
「はは、まあそんなところだ」
ソウマと名乗った男は、食えない笑みを浮かべて歩を進める。
この時のヒビキはまだ知らなかった。タマムシのきらびやかなネオンの裏側で、ロケット団の闇と、この男の正体にまつわる大きな騒動に巻き込まれることになるのを――。
自分の他の小説とのコラボとなります。