ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド 作:ガチャガチャクツワムシ
「お行きなさい、キレイハナ!」
「戻れ、ドードリオ! 行ってこい、クロバット!」
エリカの二番手はキレイハナ。ヒビキはなつき進化を遂げたばかりのクロバットを投入する。
「キレイハナ、【にほんばれ】!」
「利用させてもらうぞ、クロバット! 【ねっぷう】!」
キレイハナが呼び寄せた強烈な日差しを、クロバットが翼で煽り、熱波の威力を倍増させる。効果抜群の炎がキレイハナを包むが、エリカも引かない。
「キレイハナ、【トリプルアクセル】です!」
回転しながら高く跳躍したキレイハナが、空中へ逃げるクロバットを捉える。氷を纏った三連蹴りが炸裂し、今度はクロバットが大きなダメージを負う。
「【ブレイブバード】だ!」
「もう一度【トリプルアクセル】!」
空中で激突する両者。凄まじい衝撃波のあと、二体は同時に力尽き、相打ちとなった。
「では、最後はこの子にお願いしましょう。リーフィア!」
「任せたぞ、プテラ!」
エリカの切り札は、美しくもしなやかなリーフィア。対するヒビキは、あの親分プテラを繰り出した。
「親分個体……。これは楽しみですね。リーフィア、【ものまね】!」
追い風と晴れが残る絶好のコンディション。プテラの放つ【ほのおのキバ】がリーフィアを襲うが、リーフィアも【ものまね】で習得したトリプルアクセルで反撃する。
「プテラ、【ぼうふう】で打ち上げろ!」
暴風に巻き込まれ、リーフィアが空中に放り出される。
「逃がすな、【ダブルウイング】!」
翼による追撃が命中し、勝負あったかに見えた。しかし、空中で【つるぎのまい】を踊り、攻撃力を高めたリーフィアが反撃の【とっておき】を放つ。
「受けて立て! 【ストーンエッジ】!!」
最高火力の技が正面から衝突し、光がフィールドを覆う。
土煙が晴れたとき、地面に倒れていたのはリーフィアだった。プテラは空中で荒い息を吐きながらも、王者のプライドで踏み止まっていた。
「リーフィア戦闘不能、プテラの勝ち! 勝者、マサラタウンのヒビキ!」
「よしっ! お疲れ、プテラ!」
「ギュアアアアーンッ!」
雄叫びを上げ、愛おしそうにヒビキに頭を寄せるプテラ。エリカは穏やかな微笑みを浮かべ、レインボーバッジを差し出した。
「お見事。流石はお二人の親戚ですね」
「すっげえよヒビキ! 流石はジスト兄ちゃんやアオバ姉ちゃんと兄弟なだけはあるな!」
サトシが満面の笑みで親指を立てる。……が、その瞬間、ジム内が氷結したかのように静まり返った。
「「え……ジストさんの弟!?」」
カスミとマコトが絶叫する。
「サトシのボケー! 黙ってろって約束やったやろ!」
リンが詰め寄り、セナは呆れて天を仰ぐ。アオバは「やっぱりバレちゃったわね」と苦笑し、エリカだけが楽しそうにその光景を眺めていた。
「……これ、どうすりゃいいんだよ」
有名すぎる兄姉を持つがゆえに、実力だけで見られたかったヒビキ。だが、もはや後の祭り。
マコトたちの驚愕の眼差しと、タケシやソウジの「道理で強いわけだ」という納得の表情に囲まれ、ヒビキは頭を抱えてしゃがみ込むのだった。
アニポケの旅の仲間にはバレました。