ポケットモンスター:オーバー・ザ・レジェンド   作:ガチャガチャクツワムシ

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残りの4人は

 ヒビキが四天王の咆哮に背中を押されて旅立ってから、数十分後のこと。

 嵐が去った後のような静けさを取り戻したオーキド研究所の前に、三人の影が集まっていた。

「……なぁ、今のは一体何やったん? 地震かと思ったわ」

 肩に最新のキャンプセットを担ぎ、少し耳をさすりながら現れたのはリンだ。コガネ弁特有のイントネーションが、困惑と共に響く。

「うう、耳がキーンとするぅ……」

 その隣で、のんびりと耳を擦っているのはセナだ。彼女もまた、ヒビキと同じく機能性に優れたバックパックを背負っている。そこへ、待機させていたオープンカーから一人の少年が颯爽と降りてきた。

「やれやれ、相変わらず騒々しい一族だね。……ところでお爺様、一番乗りのこの僕を差し置いて、ヒビキはどうしたんだい?」

 髪をかき上げ、不敵な笑みを浮かべて現れたのはシゲルだ。

 ちょうど玄関から出てきたオーキド博士が、孫の顔を見て肩をすくめた。

「ヒビキならもう行ったわい。朝一番に来て、図鑑とボールを持ってな。シゲル、お前が一番乗りだと思っておったが、残念じゃったな」

 その言葉を聞いた瞬間、シゲルの余裕たっぷりな表情がわずかにピクリと動いた。

「……フン、相変わらずだな。まぁいいさ、先に進んでいた方が追い越し甲斐があるってもんさ。エリートの僕にしてみれば、ちょっとしたハンデみたいなものだね」

 鼻を鳴らして強がるシゲルだが、その視線はすでにヒビキが消えた1番道路の方角を鋭く見据えている。これで、マサラタウンから旅立つはずの五人のうち、四人が集まったことになる。

「さてと、では来た順でポケモンを選んでくれ」

 博士が促すと、シゲルは芝居がかった仕草で横に並ぶ二人に手を差し出した。

「なら、先にどうぞ。レディたち」

「ならお言葉に甘えて。ウチはこいつや!」

「シゲルくん、ありがと〜。じゃあ、私はこの子にするねぇ」

 リンがヒトカゲを、セナがフシギダネを選び、残ったゼニガメのボールをシゲルが鮮やかな手つきで回収する。

 三人がそれぞれの相棒を決め、いよいよ出発だという空気が流れた時、オーキド博士が思い出したように指を立てた。

「おお! そうじゃ! 出発は少し遅らせた方がよいかもしれんのう」

「……どういうことや? 博士」

 出発をしようとウズウズしていた三人は、揃って首を傾げた。

「いやなに、先程のジストの手持ち達の咆哮で、周辺の野生ポケモン達が恐れをなして隠れてしまっておるだろうからな。今出ても、新しい仲間に出会うことは難しいかもしれんぞ」

 四天王級の「親分」たちが一斉に上げた雄叫びだ。その威圧感は、1番道路のポケモンたちを震え上がらせるには十分すぎるものだった。

「じゃあ、ヒビキくんは……?」

 セナの問いに、博士は時計を見ながら答える。

「もしかしたらポケモンと出会わずにトキワシティに着いておるかもしれんのう」

 その言葉に、三人が呆れた顔を見合わせた、その時。

 研究所の扉の向こうが、急激に騒がしくなった。

 バタバタという、明らかに落ち着きのない足音。

 それと共に、聞き慣れた「遅刻魔」の声が響き渡る。

「大変だ──! 寝坊した──ー!!」

 ようやく現れた五人目の新人の声に、博士は深く溜息をつき、三人の幼馴染は苦笑いを浮かべるのだった。

 その頃ヒビキ達は

「おかしいなぁ? コラッタ1匹見当たらない?」

「ニドォ?」「クマァ?」

 野生のポケモンと出会えないことに疑問を抱いていた。




勝手な想像でマサラタウンからトキワシティまでは道からそれなければ、唯歩くだけなら早い人なら1時間位のイメージにしています。
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