探偵少女と魔女からの手紙   作:三坂

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(主は最近まのさばを知ったにわかです

ゲームや漫画などもまだかじり程度なので至らぬ点があるとは思いますが、アドバイスなどをしていただければ幸いです)


第1話 魔女の鳥籠

 

 

 

 

ーどうか、この悪夢を終わらせてー

 

 

 そんな依頼が舞い込んできたのは4月頃、高校生になった私の新生活が始まろうとしてた矢先のことだった。

 

 元々私の家族は探偵をやってて、それに憧れてた私も探偵を目指すようになったの。…まあ探偵ってもそれをやり始めたのは中学3年生の頃だからろくな事件とか調査はやらせてもらえないんだけど

 まあそれでも飼い猫探しとか時たま尾行みたいなことはやらせて貰えて、少しずつだけど確実に探偵としての道を進めたの

 

 

 けどそんなある日の休日、いつものように布団から起き上がってふと枕元に目線を落としたら1枚の封筒が置かれててさ

 でも家族がわざわざ封筒なんて回りくどいことをしてまで置くことはないでしょ?仮にあったとしてもリビングとかに置き手紙を置くだろうし

 

 仮に依頼だとしてもそれなら家兼探偵事務所のポストにいれるだろうから、こうして自分の枕元に置かれるなんてことはない。

 いやまあ仮に依頼者がわざわざ女子高生の部屋に侵入してたらそれはそれでヤバいけど…

 

 

 

 んで封筒の話に戻るけど、それには送り主不明の自分宛てで名前が書かれててさ、家族にはこの手紙のことは言わないでほしいとも書かれてたかな

 

 普通に考えれば怪しさ満点、開けるどころか家族に相談したり捨てたりしそうなもんだけど…その時の私は興味が打ち勝っちゃって…

 

 

 封筒の蓋を開けてみたら中には1枚の手紙と「懐中時計」の鎖、「手鏡」が入ってたかな。

 正直なんで懐中時計と手鏡なのかは最初わかんなくて、依頼関係のものかなって思いながら手に取って見てみてみたんだけど…

 

 …まあ普通に懐中時計に関しては壊れてることを除けばなんの変わりもないわけで……、手鏡は少し古めなだけで何処でもあるような普通の奴、だからひとまずそれより気になってた手紙のほうを読んでみることにしたの

 

 

 

 どんな内容が自分宛てに書かれてるんだろう…そんなことを思いながら見てみたんだけど…、そこには一言だけで

 

『どうか、この悪夢を終わらせて』…とだけ書かれた

 

 

 

 いやいや、いくら緊急だとしてももうちょい説明とかないの?下手な探偵ドラマとか映画よりもガバガバだし端折りすぎてるし…

 これだけじゃなんの悪夢を終わらせてほしいかも分からないし、場所とかも書かれてないどころかキーワードもないから探しようがないじゃん…

 

 

 そんなことを思いながら手紙を読んでたら、下の方。普通の手紙なら送り主とかの名前を書く欄に『魔女』より…って書いてあることに気づいたの

 

 まさかの初めて私宛の依頼者が魔女っていう…、まあもちろん実際に魔女なんてものはいないし、非現実的なものを信じるほど私も馬鹿じゃないから

 

 

 

 …でも同時に何故かこの送り主が本当に魔女じゃないのか…そんなことを思うようになってさ

 

 

 

 それでその依頼を受けてみようってことになったの、…まあ情報とかなんにもない訳なんでほぼ手詰まりみたいなもんだけど………

 ひとまず探偵らしく手当たり次第に情報を探してみよう…そんなことを思いながら横になったらさ、急に眠気が押し寄せてきて

 

 

 昨日特に徹夜してたわけじゃないし夜もしっかり寝てたから別に眠くなるようなことはないんだけど…、気づいたらそのまま二度寝しちゃってさ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 でもそのときは思いもしなかった、その手紙を読んだことで…とんでもないことに巻き込まれるなんて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……」

 

 

 ふと目が覚めると見慣れた木材ではなくコンクリートの天井が最初に目に入った、明らかに自分の知った自室じゃないことは考えなくても直感でわかった。

 

 

「……何、ここ」

 

 

 まだ少し眠たいまぶたをこすりながら起き上がった少女、『雨宮椎名』は周りを確認する。見たところ中世の牢屋を感じさせるような室内に、出入り口であろう場所には鉄格子が設けられていた。

 ベッド自体は普通、いや寝心地としては最悪と言ってもいいかもしれない。…まあ牢屋のことを考えるとこれが普通なのかもしれないが…

 

 

「……牢屋?…なんか中世みたいな雰囲気だけど……、…うへ…ベッドは寝心地よくないかも…まあ牢屋だしそれも普通か…」

 

 

 けどそれよりも問題なのが何故自分が見覚えのない牢屋にいるのかということ、少なくとも罪を犯した覚えはないし仮にそうだとしても日本の刑務所にあるような牢屋とは雰囲気が全く違う。

 

 

「…いやいや、それよりも問題なのはなんで自分がこんなとこにいるのかってことでしょ…!少なくとも罪を犯した覚えもない…、仮にそうだとしても明らかに日本の刑務所じゃなさそうだし…」

 

 

 しかもふと目線を落としてみれば二度寝する前に着ていたパジャマではなく赤色のカラーが施された探偵のような格好、考えれば考えるほど頭が痛くなってきたのか、思わず頭を片手で抱える。

 

 

ーしかも服も全然違う…、はぁ…考えれば考えるほど頭が痛くなってきた……本当に何処なのここ…ー

 

 

 だが考えても何も解決するわけではないためひとまず布団から出て部屋を探索することにした椎名は起き上がろうとベッドから立ち上がっていく。

 するとポケットの中に何か入っている感触と音がしたため、ふと音がしたほうのポケットに目線を落としながら左手を突っ込む。

 

 

ー…考えても何も進まないし…、とりあえず部屋の探索でも…「ガラッ」…ん?ポケットに何か入って……ー

 

 

 少しあさってから取り出した左手の手のひらには壊れた懐中時計と手鏡、そして『どうか、この悪夢を終わらせて』と書かれた魔女からの手紙の3つが握られていた。

 二度寝する前にポケットなどには入れてないし、仮に入れていたとしても服装が変わっているため、自分で入れたという線は薄い。

 

 …だがわざわざこの3つが入っているとなると、今目覚めている場所に関係しているのは明らか

 そんなことを思っていると突如として大きな声が耳に飛び込むように響き渡ってきた。

 

 

「…手鏡に…壊れた懐中時計…?しかも手紙まで…」

ーなんでこの3つが……、…二度寝する前に入れた覚えはないし…入れたとしても服装が違うから……ー

 

「…ってことはこの場所に関係があるものt…」

『———っねぇ!!ここどこなのかな!?』

ガシャン!! 

 

 

 恐らく声のトーンからして自分と同じぐらいの年頃であろう少女なのは間違いない、するとそんな少女の声に反応するように複数の少女の声が入り乱れるように次々と上がっていき、徐々にカオスさが増してくる。

 

 

ー声…!?ってことは私以外にも誰か…ー

『ざけんな!!ぶっ殺すぞおらぁ!!出せ!!』

『〜〜!!』

『犯罪だよこれ!!』

『何を考えていますの!?』

『誰だか知らないけど人生終わるよ!!』

 

 

 そんなカオスマシマシの状況の中で牢屋の鉄格子の隙間から顔をのぞかせた椎名は、自分以外にも同じような状況の少女達が通路に沿って設置された牢屋に隔離されてるんだと確認。

 しかしそれが分かったとしてもここに閉じ込めた目的が分からない、ただ単純な少女誘拐事件だとしても目覚めたら牢屋な上に服装が違うことなど説明がつかないのだ。

 

 あの手紙といいこの場所といい、ただの誘拐事件ではなさそう…そんなことを思っていると、他の騒いでる少女達とは違った声が隣から聞こえてくる。

 

 

ー……目の前は通路…、声の大きさからしてここと同じような牢屋が何個かあるってわけか…、そこに閉じ込められてー

 

ーでも仮にそうだとしても連れ去った奴の目的が……、仮に誘拐事件だとしても説明がつかないことだらけ……それにあの手紙……ー

「……ただの誘拐事件ってわけじゃなさそう…」

『静かにしてくれないかな?』

 

 

 その声の主は最初大きな声を出して呼びかけていた少女と同じところから聞こえてきたため、恐らく隣で閉じ込められている2人は同部屋といった感じだろう。

 しかしやり取りを聞く限りお互い顔見知りといったところで、何故ここにいるのやらここは何処なのかといった会話が聞こえてきた。

 

 

『騒がしいのは正しくない』

『二階堂ヒロ…ちゃん?』

ー隣は相部屋か…それに話し方的に…顔見知り…か?ー

『何故…君がここに…?……って何処だここは…』

『あっあのねヒロちゃ……』

 

 

 だがそんな会話を盗み聞きしようとしていた矢先、壁に立てかけられ、絵が飾られてない額縁だと思われていたものがノイズ音を発したと思った矢先、まるでテレビように画面がつき、映像にフクロウのような姿をした生物が姿を現す。

 

 90度首を傾げた状態のフクロウと言っていいが、その雰囲気からはとてもフクロウとは思えない不気味なオーラを醸し出しており、さも当たり前かのように話し始める。

 

 

ザザザ!!

『あーもしもし、映像って見えてます?なにせ古くて故障が多くて』

ー…!?ってか絵が飾られてない額縁だと思ってた奴……テレビだったのか…、…いやそれよりも……画面に映ってる奴…フクロウのようにも見えるけど…。そうじゃないようにも…ー

 

 

 ゴクチョー、そう名乗ったフクロウのような生物は詳しい説明をしたいからラウンジに集合してほしいと檻に閉じ込めた少女達に向けて案内していく。 

 もちろんそのためには檻の施錠を解除しなければ出れないため、開ける旨を伝えながらも同時にやってくる看守の指示に従ってついていくようにとも説明していく。

 

 

『わたくし、ゴクチョーと申します。詳しい説明がしたいのでラウンジに集合してください』

ーゴクチョー……それがあのフクロウのような奴の名前か…ー

『監獄の鍵を開けるので看守の後について来てください』

 

 

 それと同時に抵抗することも想定しているのか、するのは個人の自由だがもしすれば自分の命はないものと思えという警告交じりの言葉を発する。

 命がない…その意味が最初わからなかった少女達だったが、ズルズルという何かを引きずる音と共に目の前に現れたものを目の当たりにした瞬間…嫌でもゴクチョーの言っていた言葉を理解することに…

 

 

『抵抗とかは自由なんですが…、命とかはなくなっちゃうんで…はい…』

ー抵抗すれば命がない…?それってどうゆう…ー

ズルズル

 

 

 姿は身長2m以上だろうか?仮面で顔を隠しぼろぼろの黒衣を纏ってはいるが、複数に生えた手に凶々しい雰囲気を見せているその生物は明らかに人の原型でないのは間違いない。

 ゴクチョーよりも化け物…という言葉が似合う看守であろう化け物は大きな鎌を片手にビビり散らかす少女達をほぼ無理やりに牢屋の外へと順番に連れ出していく。

 

 

ズズズ…

「…!!?」

ーちょ…何よこいつ…!?まさかゴクチョーって奴が言ってた看守って……この化け物のこと…ー

『ひっ!?』

『ぎゃぁぁぁ!!?』

『触んな化け物ぉ!!キモいからぁ!!』

 

 

 友好的でないのは見た目からして明らか、抵抗するすべを持たないうえに普通の人間が対抗出来るとは思えないため、ここは従うしかないか…と順番に檻を開ける音を聞きながら椎名は腹を括ることに。

 

 

ー…なるほど…抵抗すれば命がないってそういう……、こりゃ嫌でも従うしかなさそう…か…ー

 

 

 とはいえラウンジに向かえばここについて説明してもらえるとのことなので、行ってみる価値はあると言ってもいい。

 現に隣部屋の2人のうち1人も椎名と同じ考えを持っているようで檻の鍵が解除されると共に、一足先に廊下へと歩み出ていく。

 

 

『正しい説明がされるのかな、それなら早く向かわないと…』

 

 

 しかしその際に化け物にビビってくっついていたであろう顔見知りの少女に対して、軽く振りほどきながら気安く触らないでほしいと辛辣な言葉を投げかけた会話が椎名の耳に飛び込む。

 

 

パシッ

『気安く触れないでほしい』

 

 

 同時に自身の檻の鍵も解除されたため、慌てて外に出てみるとそこにはストレートの黒髪ロングで、紅目。大人な容姿に、大きな赤い花の飾りを、髪飾りとして左の方につけ、黒と赤を基調とした、中世ヨーロッパの裁判官の様な、学校の生徒会長の様な衣装をした少女

 そしてその少女に向き合う形で白い髪のボブで、毛先と瞳は桜色。黒の紐リボンを付け、桜をふたつつけたベレー帽を被り、シャツの上にデカい襟の黒いアウターを着ている少女の姿があった。

 

 

ガコッ

ーっ…!こっちも空いた、ってか隣の人たちなんか揉めてる…?ー

「……あの2人か」

 

 

 感動の再会…という訳では雰囲気的に感じられず、どうやらかなり2人の間で一悶着あったようにも見受けられる。白髮ボブの少女は必死で仲直りをしようとアタックを仕掛けるが、かえってそれがヒロと呼ばれた少女の苛立ちに触れてしまったらしい。

 

 

「…っ!待ってよヒロちゃん!」

「あのね!色々あったけどまた会えてよかった…!ボク変わったんだよ!もう前のボクじゃない!」

「またヒロちゃんと友だちになりたいんだ!」

 

「ボ…ボク諦めないから!」

ギリッ

 

 

 振り返ったと思ったらヒロと呼ばれた少女は白髮ボブの少女を突き飛ばしてしまい、その勢いが強かったのかそのまま椎名に体当たりする形で尻もちをついてしまう。

 一瞬びっくりしてこちらも体勢を崩しそうになった椎名だったが、なんとか持ち直しながら大丈夫かと尻もちをついた少女に話しかけようとしたのだが…

 

 その前にヒロという少女が遮る形で口を開いた

 

 

ドンッ!!

「わっ!?」

「うわっ…!?ちょ大丈b……」

「君が変わったとしてそのことが私になんの意味が?」

 

 

 どうやら想像していたよりもかなり拗れてしまっているようで、どう変わろうが嫌いなことにはかわりない…そんなことを口走ると、そのまま足早にその場を去っていく。 

 だがそれでも諦めきれない少女は、椎名にすみませんと軽く謝罪をすると慌ててその後を追いかけるように歩みだした。

 

 

「私が君を嫌いなことは変わらない、この先永遠に」クルッ

「あっちょ…、すっすみません!まっ待ってよヒロちゃん…!!」

 

 

 やり取りについていけずその場にポツンと残された椎名だったが、そんな彼女の心情などお構いなしと言わんばかりに迎えに来た看守が急かすように鎌を動かす。

 それで我に返った椎名は渋々従う形で、先頭を歩き出した看守についていく形で気まずい雰囲気が残るその場を後にする。

 

 

「……」

ガコッ

「…っ私の番か、……空気ぐらい読んでよね……今ぐらい……」

 

 

 しかしこの時の椎名…いやこの場所にやってきた少女達は思いもしなかっただろう、隔離された無人島に存在する屋敷を模様した監獄を舞台に

 

 世界に害をなす――【魔女】である可能性があると認定された少女達が、囚人として生活しながら

 

 突如として発生した殺人事件をきっかけに

 

 少女たちの中から【魔女】、

……すなわち処刑対象を選定していく、

 あまりに残酷なゲームが始まろうなど…

 

 

 

 

イメージED

warriors (onlap)

 

 

 

 

 

 これはその中で唯一魔女でない一般女子高生探偵『雨宮椎名』が、次々と巻き起こる殺人事件を推理し、そして時には残酷な選択を下すことに苦悩ながらも、魔女から送られてきた手紙の意味を紐解くお話

 

 

 

 

 

 





登場人物
雨宮椎名(あまみや しいな)
年齢:15歳
モデルキャラ:東雲椎名(Sレイマリチャンネル オリジナルキャラクターより)
性格:明るい性格、だが探偵らしく冷静に分析することが多いため、クールな性格に間違われることも

 本作の主人公、家族が探偵事務所を営んでいることもあって本人も物心がついた頃から探偵を目指すようになった。
 まだ本格的な依頼などはさせてもらえないが、相談や尾行。飼い犬や飼い猫捜索などを積極的に行い、解決や有力な情報を親に提供したりなど探偵の卵としては期待されている。

 ある日ベッドの枕元に置かれた魔女からの手紙を読んだことで、絶海の孤島に存在する、魔女の可能性がある少女たちを隔離・処刑する「牢屋敷」に迷い込んでしまう。
 魔女の可能性がある少女達がほとんどの中、唯一その可能性を持たない何処にでもいる普通の女子高生になるはずだった魔法を持たない彼女は、共同生活を送りつつ、何故自分がこの場所に招かれたのか…その意味を紐解きながら、探偵として殺人事件の推理を行い、同時に残酷な決断をすることに…

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