問題児たちが異世界から来るそうですよ? ~ラスト・アーク~   作:三島溪山

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遅れてすいませんでした。ただ、今回は締めでありそんなに長くはありません。誤字脱字がありましたら報告ください。次回は未定ですが二巻に入ります。二巻が終わりましたら乙か閑話に入ります。


第十四話

 レティシアを引き取り、大広間で十六夜が目を覚ました。大した事はないらしく(常人なら重症)、一安心した所で問題児三人はとんでもない事を言い出した。

 

 「「「これからよろしくねメイドさん」」」

 「……え?」

 

 黒ウサギは自分の耳が信じられないらしく、何度も目をパチクリさせていた。何故目を気にするんだ?

 

 「え?じゃないわ。彼女は景品なのだから私達が好きに出来るものじゃない?」

 「だけど……ゲームが途中で変わったみたいだし」

 「黒ウサギ達も頑張ったらしいじゃねえか。なら所有権は等分で“ノーネーム”に従事すればいいよな?」

 「何を言ってるんでございますか!?」

 

 ……まあ強ち間違ってはないよな。ただ生物なのが倫理観に触れるよね。ぬいぐるみなら別にいう事無いんだろうけど。

 

 「ふふ……そうだな。私は今回の件で多大な迷惑をかけた。それにも拘わらず君達は私をコミュニティに帰してくれた。その恩義には報いらなければならない。家政婦をしろというのなら喜んでやろうではないか」

 「レティシア様まで!」

 

 もう黒ウサギは何を言っていいか分からなくなったみたいだ。何言っても無駄だから考えない方が良いぞ。飛鳥はメイド服を用意しようとしているしな。

 

 「私金髪の使用人に憧れていたのよ。屋敷にいたのはみんな同じ野暮ったいのばかりだったわ」

 「そうか。それではよろしく……いや、形式ばった方が良いのか?」

 「黒ウサギみたいになるからやめとけ」

 

 もう黒ウサギに反撃する余力などなかった。哀れなり、黒ウサギ。

 

 

 

 *

 

 

 

 あれから三日後、外はもう陽が落ち電灯に灯りが点き始める頃。“ノーネーム”一同は何故か貯水池付近に集まっていた。総勢百を超える規模はコミュニティとしては大きい方かもしれないが中身は殆ど子供のみで少し心もとない。

 

 「あーそれではー!“ノーネーム”による新たな同士の歓迎会を行います!」

 「「「わーーーーー!!」」」

 

 元気な子供達の乾杯の音が鳴り響く。並べられた長机は今のコミュニティの惨状を表しているかのような質素さだったが格好が悪いとは思えなかった。

 

 「どうして屋外で歓迎会を行うのかしら?普通屋内で専用の施設を使うんじゃないの?」

 「皆で外食出来るようなお金はない」

 「黒ウサギも盛り上げようと考えただろうな」

 

 結構酷い言い草だが顔は綻んでいるぞ。

 

 「なお食物の一部は謹臣さんが用意しましたので感謝して食べてくださいね!」

 「「「おーーー!!」」」

 「……いつの間に」

 「ペルセウスの金庫から拝借した」

 「おい」

 「……冗談だ」

 「その間は何なのかしら?」

 

 このコミュニティの財政状況は思った以上に厳しい。このままでは数日で尽きるとか何とか。白雪は貯水池の管理など、レティシアはメイドでコミュニティを離れられないので俺ら五人で百人超の食い扶持を稼がなければならない。そう思うと黒ウサギが凄いと思わされたなうん。

 

 「はーい、皆さん天幕にご注目です!本日の目玉イベントはこちら!!」

 

 黒ウサギの声や手ぶりで皆空へと視線を促す。俺も釣られて上を見ると星空が空を翔けていた。星は眩い軌跡を描いては消えていく。俗に言う流星群だ。

 

 「この流星群は新たな同士の手によって引き起こされました!箱庭の世界は箱庭の都市を中心に回っています。我々に敗北した“ペルセウス”は“サウザンドアイズ”追放と共に星々から旗を降ろすことになりました」

 「ま、まさか……星座を消してみせるとでも!?」

 

 その言葉は現実となった。流星が全て軌跡を描き終わればそこには何も残ってはいなかった。星の終わりともいえる瞬間に誰もが言葉を失った。まだ黒ウサギの言は続く。

 

 「今回の件は“サウザンドアイズ”からの“ノーネーム”再出発祈願へ向けての手向けでございます。これを機にまた明日から頑張りましょう!」

 

 嬉々としてグラスを掲げる子供達。その傍らでまだ固まる三人の問題児。

 

 「どこまで箱庭は好奇心を掻き立てるのかしら……!」

 「これは……飽きないね」

 

 まだ見ぬ未知に思い駆られてワクワクする二人とただ心落ち着く様に息を吐く十六夜。俺は喧騒からは離れ、騒ぐ子供達を端から見る。

 

 「どうした主よ」

 「白雪」

 「主もパーティの主役なのだからそんな所に座ってないで混ざったらどうだ?」

 「大勢で騒ぐというのはあまり得意ではない。それに気になる事が有ってな。それどころじゃない」

 「気になる事?」

 「ああ……」

 

 記憶が食い違っている事、何気なく使っていた剣の効力……根本から存在がひっくり返されたみたいだ。俺は全員確かに殺したはずなのに……何故頬に涙が流れていたんだ?

 

 「……主の考えていることは分からん。だが、私は力になりたい」

 「白雪……?」

 「それに箱庭は神魔の遊技場。人知を超えたここなら答えが見つかるかもしれんぞ」

 

 黒ウサギの説明にもあった言葉。今初めて心を打つ言葉だと実感した。

 

 「……そうだな。少し焦っていたかもしれない」

 「そ、それに……」

 「それに?」

 「な、何でもない!(私の事を見て、なんて言えるか!)」

 

 挙動不審だな。顔が赤いし……でもなあ?幾らなんでも……ん?

 

 「……」

 「どうした?(まさか気付いて?)」

 「……そこにいるのは誰だ!」

 

 暗闇の中に剣を投げつける。その間に迎撃態勢を整える。白雪も同様だ。少し間が空き、夜の影から緑髪を揺らしてやって来た。

 

 「初めまして異世界の者よ。私はアテナといいます」

 「アテナ……?」

 「ギリシア神群が何の用だ?」

 「貴方方に感謝の意を」

 

 感謝、の意?もしかしてアルゴール討伐の事か?

 

 「私のミスです。アルゴール(アレ)個人(・・)に隷属させるべきでした。コミュニティ(・・・・・・)に隷属させたせいであのような者の手に渡り、利用された」

 「……正直な話、とばっちりとしか言えぬ」

 「白雪」

 「その通りです。私が引き起こしたと言われても仕方ありません。ただ……アルゴール(アレ)を合法的に始末出来なかった事が悔やまれます」

 

 黒い!黒すぎるよお!何か赤いオーラ?が出ているし心の声も漏れているぞ。

 

 「……失礼、気が高ぶってしまいました」

 「そ、それで用はそれだけか?」

 「黒ウサギ達がこっちに来る前に立ち去った方がよいぞ。特に小僧は手が付けられぬ」

 「そうですね。今日はここまでとしましょう。また後日伺います」

 

 そう言うと再び暗闇に紛れてしまった。もう気配はしない。

 

 「また、後日か」

 「……ここは騒動事に尽きないな」

 

 そうしてジュースを呷る。冷たい風と煌びやかに輝く星が次の闘争を予感させた。

 




ビスマルクがうちの鎮守府に来てくれました。艦これでも書こうと思いました。短絡的ですねはい。軽い設定だけ載せておきます。

主人公 二十歳前後の青年提督 転生者かは未定 or 艦娘 転生者
初期艦 五人のうちだれか(初期艦漣SSが少ないので漣が濃厚)
鎮守府 大湊(北の鎮守府で函館と考えていたが近くにあったので)

そんなにシリアスじゃないです。
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