B銀行における不正融資の告発に関わる文書   作:朝凪小夜

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 ここでは私の告発に至った経緯を書きたいと思います。

 といってももう何となくどういう心理を経てここまで来たかは読んでいる方はわかっていると思います。

 銀行員として働いて、減点式の世界で異動をしながら働いて、そうしてあのシステムの闇を見つけてしまいました。

 ただ、告発といっても詳細まで書いてはいません。格付けの細かな書き方だって、何より銀行名だって直接書いてしまえばいいんですから。

 私はただ、疲れたんです。疲れてしまいました。

 本当に、これを読む人には申し訳ないとも思います。

 でもこれ以上私は、この考えを抱いて誰にも言わず居ることはできません。

 銀行は辞めます。

 もう退職届も出してきました。今日はもう籍こそありますが有給の期間です。

 解放してほしいんです。

 あのシステムを使う同僚が、上司が誰があの問題に関わっているかを考えるだけでわけがわからなくなります。

 私の年ではもう高校、大学の同期に結婚している者はそれなりに出てきています。家だってこれから買おうとする人だって出てくるでしょう。

 あのシステムはそういう人にだって使われるはずです。

 もしかしたら自分の知り合いの案件の審査をしていたかも知れない。

 知らなければよかったんです。

 不一致を見つけてそこで忘れて、誰かに話して左遷されればよかった。

 そうしてそこで適当にお酒を飲んで変なことがあってここに来たと笑い話にすればよかった。

 だというのに無駄に、どうしようもない興味本位のせいでこのざまです。

 悪意を持って一連の設計をしたならどこまで手が及んでいるのかもうわかりません。人事にだって知られているかもしれない、そうしたら家もわかるでしょう。

 口封じなんてことをやるには随分非効率が過ぎると思いますが、そんなことで安心なんてものはありません。

 もうただただ離れたいんです。

 忘れて、そんなものは無かったと思いたいんです。

 だから、だからもしかしたらこれで誰か同僚が読んでくれるかもしれない。

 そう思ってこれを書きました。

 銀行を辞めるのは噓です。

 とっくに辞めています。

 他にも少しずつ噓があります。

 でもそれはもうどこまでが噓だかはわからないはずです。

 本当に申し訳なく、ごめんなさい。

 もう抱えていられないんです。

 どうかあの銀行の看板、CMが目には居る度少しでも同じ気持ちになって欲しい。

 そしてもし、もし勇気のある誰かが居たら調べて欲しい。

 私が変なだけだったとそう終わらせてほしい。

 告発も検査も何も無ければ、そうなのかもしれない。そう思えます。

 ええ、もう本当に八つ当たりです。

 だから、本当にごめんなさい。

 私が見てきたものは以上です。

 もうこれ以上は書きません。

 これからどうするのかも考えていません。

 とりあえずは何処かに行こうと思っています。

 東京には多分、来ません。

 忘れられるならそれでいいと思います。

 最後に、読んでいただきありがとうございました。

 

 




フィクション、それも告発者が小説という形で投稿したという体のメタフィクションです。

本当に創作なので実在の銀行に迷惑をかけるのは辞めてください。


最後に一言として、
この話は創作ですが創作のネタ元になった話が無いとは言っていません。



こう書くとホラーみが出ますね。
というわけでそこも信じるか信じないかはあなた次第です。
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