真インフィニット・ストラトス~学園最後の……日?~   作:バルバトスルプスレクス

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はいゲッターIS二話目です。

ハッキリ言います。

自分で生み出しておいてアレなんですが、ハッキリ言っちゃって書いて行く流音龍馬が嫌いになり始めました。

何でだろう、石川(声の)龍馬にコロコロの悟空は好きだったのに…




堕ちた蒼い涙

 

 話は龍馬の出撃前に遡る。

 ピットにてISスーツ姿の龍馬と一夏、制服姿の箒の三人が待機していた。

 これから始まるセシリア戦。竜馬はそれを今か今かと待ち望んでいた。その際龍馬は自身最高の笑顔を浮かべていたが、一夏と箒から見れば地獄の鬼か悪魔の微笑みにも見えていた。

 そして、問題はまだ残っていた。

 まず一つ、今日まで一夏は碌にISに触れられていなかった。初日の箒との剣道の訓練で中学校三年間帰宅部であったことが仇となり、一週間みっちり剣道の訓練しかしてこなかった。だがこれで一夏の体力や反射神経が上昇した事に変わりはなく、兎に角善戦でき釣りがでればいい具合に仕上がっていた。

 次に問題なのは、未だ一夏の機体が届いていないのだ。龍馬は既に専用機を持っているため、あとは試合開始を待つだけだ。

 

「織斑君織斑君!届きましたよ織斑君のISが!!」

 

 間に合った、と言えばいいのだろうか漸く一夏のISが届いたと真耶が息を弾ませながら走ってきた。見ると彼女の後ろには鉛色のコンテナが鎮座しており、期待感が膨らんでいく。

 そのコンテナの中身こそが、今し方届いたこれから一夏の愛機になる専用機なのだろう。それを見ていた一夏は呆然としつつも、目は輝きを宿していた。これが自分の力になる、誰かを守る力がそこにある、年相応の反応を見せた一夏が気に入らない龍馬は、何かを思いつくと見えない様に笑みを浮かべた

 

「おい織斑。ちょいといいか?」

 

「ん、何だ?」

 

「はいドーン!!」

 

 振り向いた一夏の顔を思い切り殴りつけた龍馬。一夏の殴り飛ばされた先には箒が立っており、その箒の胸に一夏の顔が直撃する。この事態に龍馬は上機嫌になり、高笑いで出撃の用意をする。

 後ろでは龍馬にとって喧しい声が聞こえてくるが、そんなものは関係ない。

 指や首を鳴らし、自身最高の笑顔を浮かべる。龍馬、出陣の時が来た。

 

「ゲットマシン、出るぞ!!」

 

 そう龍馬が叫んだ瞬間、彼の身体が光に包まれると、それが三つに分散。赤、白、黄色の戦闘機にそれぞれが変わるとセシリアの待つフィールドへと飛び立ったのであった。

 

 

***

 

 

 セシリアは目を疑った。

 三機の飛行メカが連結したかと思えばそれが有り得ない変形をし、操縦者が纏うISとなったのだから。

 それをISと最早呼べるのだろうか。飛行メカ単独では操縦者である龍馬の姿は見えなかった。とすれば、生身の肉体を量子化したのだろうか。

 

「よぉ、待たせたな」

 

 口角を吊り上げて不敵に笑みを浮かべた龍馬に、セシリアは恐怖する。

 龍馬のその目、その瞳、その口、その顔。そして彼の纏う鎧から出る何かにセシリアは恐怖していた。

 だが、彼女はそれに耐えながらお得意の挑発口撃を繰り出す。

 

「逃げずに来れましたのですね」

 

「ナメた口利いてんじゃねぇよ、糞アマが。こちとらテメェをぶっ潰す事しか考えてねぇんだよ!」

 

「くっ…!な、なら貴方にハンデを差し上げましょう」

 

「あ?」

 

「今ここで私の奴隷(どれい)になると誓いましたら、この勝負は……」

 

「っざけんじゃねぇぞ!よぉーし、直ぐ潰す、今すぐ潰す、完膚なきまで潰す、だからよぉ……降参とか抜かすんじゃねぇぞ?」

 

 試合開始のカウントダウンが始まった。

 開始が近づくにつれ、セシリアは心の裡できっと自分が勝つだろうと思い込んでいた。起動時間200時間を超えた自分が最終的に勝つ。龍馬からくる恐怖などまやかしだ。などと思いながら、(メイン)兵装(ウェポン)スターライト(星の煌めき)MarkⅢを呼び出し、銃口を龍馬に向けた。

 

「ならば、お別れですわね!」

 

 セシリアが言い終えた瞬間、カウントダウンがゼロになった。

 試合開始と同時にスターブレイカーの銃口からイギリス国家が先行開発している光学兵器(レーザー)が火を噴いた。直線で進むそれは龍馬の頭を狙うが、当の龍馬は首を傾けてレーザーを避けると、今度は自分の番だと己の武装を展開する。

 

「ゲッタァァァァ、トマホォォォォォォォォォォォク!!」

 

 ゲッターの肩の突起が開き、飛び出た鉄球が斧になり龍馬の手中に収まる。それを片手で回して相手(セシリア)を見据えた。

 あれがゲッターの唯一の武器なのだろうと思い込み始めたセシリアは嘲笑し、見下した様子で龍馬にまた銃口を向けた。

 

「何を出すかと思えば、このブルー・ティアーズを前に接近武器なんて……笑止!」

 

「へっ、言ってろ。二度と笑えなくしてやんよぉぉぉぉぉっ!!」

 

 地を蹴るように宙を駆ける龍馬とゲッター。迫るレーザーの雨を掻い潜り、ゲッタートマホークを振りかぶる。

 

「貰ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

 

 が、それに簡単に当たるほどセシリアも劣って(バカで)はない。ゲッタートマホークの軌跡から避けて距離を開け、肩部装甲から四枚の浮遊移動砲台を展開して、龍馬を狙う。四枚のビットはセシリアの指示を受け、様々な方向から砲撃を開始した。

 

「踊りなさい、我がブルー・ティアーズの奏でるわ――」

 

「ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇぞクソ女ぁぁぁ!!!!ダブルっ、トマホォォォォォォクブゥゥゥゥゥゥゥゥゥメランッ!!!」

 

 肩部からまた、ゲッタートマホークが飛び出し、柄を合わせたそれを振りかぶって投げ飛ばす。

 結果、迫るそれを簡単に避けるセシリア。が、ブーメランの特性を知らないようで、帰って来るブーメランの斬撃を背に受けてダメージを受けてしまった。更にブーメランが龍馬の手に戻り、もう一度その手から放たれた。今度は浮遊する二基のビットを切り落とした。

 

「えひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!!」

 

 また戻ってきたブーメランを分離し、トマホーク形態を両手に持って突撃する。狂気に満ちた彼の笑いを前に、セシリアは残った二基のビットを操作して何とか龍馬を引きはがそうとするが、そう簡単にはいかない。

 

「オープン、ゲット!!」

 

 その掛け声と同時に、ゲッターが先程の三機編成の戦闘機形態に戻り、ビットから吐き出される火線を避けてみせた。

 

 ――――チェンジゲッタァァァァッ、ツゥッ!!

 

 今度は白、黄、赤の順番で戦闘機がドッキング。その姿は最初に見せた赤基調でマッシブなフォルムとは違い、白くスラリとしたフォルム、右手は三本のクローアームに左腕はドリルの装備をしていた。

 セシリアは二基のビットを戻し、スターライトで龍馬を狙い始める。

 また、彼女の中で悪い癖が始まった。

 合体変形は只のこけおどし。自己解釈。

 どのみち勝つのは自分自身。自己完結。

 照準を合わせる彼女だが、一瞬だけ龍馬の身体が揺れたかと思うと、次の瞬間には体に激しい衝撃を感じた。

 

「えっ、……なぜ…?」

 

「こいつぁゲッター2。桁違いのスピード、見せてやんよ。はい右からドーン!左からバーン!!さらに上からドリドリドリドリドリドリ!!!下からキーック!!!!まだまだ行くぜぇ!!」

 

 ハイパーセンサーを通しても、今の龍馬には追いつけなかった。攻撃の威力はゲッター1よりかは高くはない。高くはないのだが、その持ち前のスピードで何度もセシリアを痛めつけていた。

 この時、セシリアの中で、はっきりとした感情が生まれた。

 彼女の中に恐怖心がいつの間にか生まれ、鳥肌が立ち背筋が凍るように感じた。恐れおののいた時には何かに頭を鷲掴みにされていた。龍馬のクローアームだ、それに鷲掴みにされていた。両側のミサイルビットは前面にしか使えず、背面に回っていた龍馬に対しての砲撃は出来なかった。

 

「はい、弱気になったお嬢ちゃんにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ………ドリルアターック!!!!!」

 

 セシリアの背中に突き付けられたドリルが、ロケットパンチのように射出された。装甲をガリガリ削られるのを背中から感じたセシリアは、減り行くシールドエネルギーに目がいかず、地面に叩き付けられてしまった。

 ドリルを回収した龍馬は再度分離。今度は三つ目の姿に変わる。

 

 ――――チェンジぃ、ゲッタァァスリィィッ!

 

 前部に小型のが二つ、後部に大型が一つのキャタピラを足とした三つ目の形態…ゲッター3。

 それは腕を伸ばし、セシリアの身体に纏わりつき体の自由を奪うと、その場でキャタピラを勢いよく回し、ジャイアントスイングの要領で時計回りに回転し始めた。そして、頃合いになると龍馬はセシリアを天高く投げ飛ばした。

 

「大・雪・山!おろしぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

 更に伸ばしていた腕を引きもどして合掌し、追撃とばかりに頭部の左右にある小型グレネードミサイルを発射。セシリアに着弾させると分離。ゲッター1になり、セシリアと同じ高さまで飛翔すると、腹部装甲から砲門を展開した。

 光が収束していく。このチャージの段階ならば、セシリアは逃げられただろう。しかし、シールドエネルギーが8割を削られ、身体にもダメージを受けていた彼女は行動する事もままならなかった。だからだろう、彼女は紅い光をその身で浴びてしまったのだ。

 

「ゲッタァァァァァァァッ、ビィィィィィィィィィィィィィムッ!!!!」

 

 先ほどよりも強く、地表に叩き付けられたセシリア。辛うじて立ち上がる事は出来ても、シールドエネルギーは残り1割以下。彼女にとっては悔しいが、降参するしかない。プライドが高い彼女だが、今は自分の命を優先するほかは無かった。

 だから彼女は宣言する。

 

「こ、降参……ですわ」

 

 誰もが彼女の白旗を認め、試合終了のブザーが……

 

 

 

 

「逃がすかよ、糞アマァッ!!」

 

 

 

 

 鳴らなかった。

 龍馬のその声が、セシリアの耳に届く。

 幾つものゲッタートマホークが満身創痍のセシリアをアリーナの壁にまで追い詰めると、動けない様にブルー・ティアーズの装甲の上からゲッタートマホークがセシリアの身体を磔にした。

 PICを切り、一歩一歩ゆっくりと近づく龍馬。セシリアが見た彼の顔は、この先一生忘れることは無いと断言できるほど、恐ろしかった。

 

「なぁオルコットさんよぉ、テメェ何逃げようとしてんだ?今更逃げようたって、そうは問屋が卸さねぇ。まだテメェのシールドエネルギーってのは残ってやがんだ、それが無くならねぇ内はまだ勝負の最中だ。それによぉ、まだ俺ぁ暴れたりねぇし、お前の天狗っぱなへし折ってねぇから……降参なんかさらっさら認める気はねぇんだ」

 

「い……い、や…た、たたた……助けて、ください、まし…」

 

「あ?今お前、なんつった?ま、聞こえねぇし、存分にいたぶってやんよ。俺の気が済むまでな」

 

 そこから、龍馬の蹂躙が始まった。

 磔にされている相手の顔を、何度も何度も笑顔で殴りつける龍馬。目の前の相手から、客席から来る悲鳴が更に彼を奮い立たせ、殴る強さが次第に強まっていく。

 やがて殴るのが楽しくなったころ、ブルー・ティアーズのシールドエネルギーが底を突き、強制排除され、搭乗者を吐き出した。これで終わる。誰もがそうは思うが、龍馬だけは違った。

 龍馬もゲッターを待機状態にすると、顔を涙と鼻水と唾液で汚したセシリアに馬乗りになると、再度殴りつけ始めた。

 

「ひゃはははははははははははははは!!ったく、テメェはほんっとに良い声で啼いてくれるぜぇっ!おかげで俺の股座がいきり立つわ殴るのが楽しくなるわもう最高だぜ!!!それによ、テメェって確か御貴族サマだろ?没落貴族をこの目で見てみたかったんだよ!!あげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃ!!!!!」

 

「止めろー、流音!!」

 

「あ?」

 

 もはや虫の息となり、失禁し股から黄色い液体を流し始めたセシリアから立った龍馬は、楽しみを邪魔されて不機嫌になりながらも声の主へと目を遣る。

 そこにいたのは白いISを纏った一夏だった。

 

「もういいだろ、流音!勝負はついたんだ…これ以上やったらオルコットさんは死んじまうんだぞ!」

 

「だからなんだってんだよ織斑。だったら何だ?テメェが相手してくれるんだろうなぁ?」

 

「ああ!俺が相手だ!だからオルコットさんから離れやがれ!!」

 

 正義感を振りかざす一夏の姿に、龍馬は少しの苛立ちを持ちながらも彼の言う通りにした。

 青臭く、影を知らずに育った。それが一夏に対する龍馬の感想。今を以てはっきりと龍馬は理解した。

 織斑一夏(こいつ)が、纏っているISの姿形が、気に入らない……と。

 ゲッターを展開し、ゲッター1の状態になると龍馬は何度目になるか、ゲッタートマホークを呼び出して目の前のヒーロー気取りを見据えていた。

 

「流音、俺は……俺はお前を、お前を絶対に許さない!!!」

 

「許さなくて結構!テメェもこの俺がぶっ潰すだけだ、かかってきな!!」

 

 白い剣と、紅い戦斧が、この瞬間から火花を散らし始めた。

 

 

 

 

 

音が来る




次回で鈴音が出ます。

二話続けて戦闘開始で終わるとは…

スランプなのかなー、どうなんだろう。

次の更新はISストライクです。

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