エンタメデュエリストが幻想入り   作:てんのうみ

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どうも!おひさしぶりです!
空。(てんのうみ)です!

これより始まる《エンタメデュエリストが幻想入り》第二章『思惑スクランブル』編。

過去・今・未来を舞台に登場人物たちのそれぞれの思いが交錯し、その物語たちが行き着くさきは....

それでは新章始まります


思惑スクランブル編 ―俺の昨日と貴女の明日―
追走の翼


 大会が終わってから数日が過ぎた。道化師とのデュエルでおった怪我も大分よくなって、今日永遠亭を退院することになった。永琳さんには「もう患者としては来ないで欲しい」って言われちゃったけど、俺もできればそっちではお世話になりたくないし、永遠亭には普通に遊びに来たい。

 永琳さんに見送られながら永遠亭を後にする。入院中何度も抜け出したことで、大会が終わってからは完全外出禁止だったから、太陽の日差しや外の空気が新鮮に感じた。

 

「やっと退院かよ、遊矢」

 

声がする方を見ると、キングが笑っていた。

俺が入院中のことを聞くと「正邪のやつは相変わらず音信不通、霊夢はなんか探してる」と教えてくれた。とりあえず紫さんに顔を出しに行こうと言う話になったのでカードショップに行くため竹林を歩きだした。キングと一緒に竹林を歩きながらこれからのことを考える。大会が終わってしまって目的と言う目的もなくなってしまった。立て続けに大きな大会はないし、『白紙のカード』も集まってる。特にやりたいこともない。

──まあ、今すぐみつけなきゃいけなわけじゃないし、みんなと普通にデュエルして何気ない日常を過ごせばいいか。

 すると前の方から賑やかな音が聞こえてきた。考え事をしているうちにいつのまにか竹林を抜け、人里まで来てたみたいだ。時間帯が朝お昼時ということもあって人の流れが多かった。少し人の視線を感じるのは大会で優勝したからかな?俺は決勝戦出れなかったし、あまり目立った覚えはないんだけどな。けど、エンタメデュエリストとして人に覚えて貰うのは大切な事だ。これも大事な

 一歩と思っていると、キングが俺の肩を軽く叩いて向かって正面の方を指差した。

 

「なあ、アイツら遊矢ことずっと見てるけど知り合いか何かか?」

 

キングの呼び指す方には烏帽子を被った白装束の少女と大きめの紫色のマントを羽織り、ヘッドフォンのようなものをしている少女がいた。そして俺はこの二人を知っている。そうだ、この二人はあのとき『アイツ』と一緒にいた...!!

 

「久しぶりだな少年。こうして面と向かって話をするのは初めてかな?」

 

「...また何かしようとしてるのか?」

 

話しかけてきた紫マントの少女に俺がそう訪ねると少女は少し呆れ気味にため息をついた。

 

「一つ言っておくが『彼女』とは知り合いだが、あの時の『あれ』は『彼女』の独断であって我々は関与してない。あの場に居合わせたのも偶然だ」

 

その言葉が本当なのか、俺にはわからない。けど今はその言葉を信じることにした。

──もし今の言葉が嘘で、何かしようとしてるなら...そのときは俺が──

 

「ほぉ...初めてあった時とは随分変わっているようだな。君の欲の声は」

 

「俺の...欲の声?」

 

そう言う少女は少し笑って歩きだした。

欲の声?そう言えば初めて会ったときもそんなことをいっていたような...

 

「《皆を笑顔にして、それを守りたい》...笑顔にした後のことを考えられるようになったのは成長と言える...だが今の君には到底叶わんだろうな」

 

すれ違い様にそう言われた。

今の俺じゃみんなの笑顔を守れないって言うのか?

 

「待て!そこまで言うなら俺とデュエルだ!!」

 

俺だってそんなこと言われて黙ってられない。

振り向いて俺がそう呼び止めると、少女も歩みを止めた。その後ろ姿は何処か笑っているような、こうなることをわかっていたような、そんな雰囲気だった。

 

「私に挑む?前に実力の差は教えたはずだが?」

「あの時と同じだと思うなよ」

 

ポケットからデュエルディスクを取り出して腕に装着して構える。あの時からこれまで、いろんな人と出会ってデュエルして、強くなったんだ。あの時の仮も一緒に返してやる!

 

「面白い...布都」

「はい、太子さま」

 

少女が羽織っていた紫マントを振り上げ右手を上げると、その腕にはもうデュエルディスクがついていた。

 

「この後の予定すべてキャンセルだ」

「よろしいのですか?」

「ああ、このデュエルにそれだけの価値があると判断した」

 

すると少女は振り替えって俺の正面にたった。その姿からは強者独特の覇気のようなものを感じた。

 

「そう言えば名のってなかったね。私は豊聡耳神子、またの名を聖徳太子。ここは1つ、君の申し出に乗るとしよう!」

 

「「デュエル!!」」

 

神子 VS 榊遊矢

 

先攻は俺か...相手が相手だし、ここはエンタメしてる場合じゃないし、最初から全力でいかなきゃ瞬殺されてもおかしくない。この手札なら...

 

「俺はスケール《1》の《星読みの魔術師》とスケール《8》の《時読みの魔術師》でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

ペンデュラムスケール

赤:なし→星読みの魔術師《1》

P E N D U L U M

青:なし→時読みの魔術師《8》

 

「揺れろ魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!来い!俺のモンスターたち!!《EMシルバー・クロウ》!《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!」

 

レベル4 闇属性 獣族 攻1800 守500(攻撃表示)

レベル7 闇属性 ドラゴン族 攻2500 守2000(攻撃表示)

 

「なるほど、デッキはあの時の物に戻っているのか。だが、その程度の布陣で大丈夫か?一瞬で焼け野原にしてしまうぞ?」

 

「俺はこれでターンエンドだ!」

 

 

榊遊矢

ライフ:8000

手札:1枚

モンスター

《EMシルバー・クロウ》

《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》

魔法・罠:なし

 

 

「それでは私のターン、ドロー!」

 

神子

手札:5→6

 

「それでは有言実行といこうか。速攻魔法《帝王の烈旋》を発動。このターン、私がアドバンス召喚を行う際、相手フィールドのモンスターを1体リリースできる」

 

つまり俺の《シルバー・クロウ》か《オッドアイズ》のどっちかがリリースに使われてるってことか...これは破壊でもないし、対象をとる効果でもないから止めるのは難しい...

 

「君のフィールドにいる《シルバー・クロウ》をリリースして《邪帝ガイウス》をアドバンス召喚!」

 

レベル6 闇属性 悪魔族 攻2400 守1000(攻撃表示)

 

「アドバンス召喚に成功した《邪帝ガイウス》のモンスター効果発動!相手フィールドのカード1枚をゲームから除外する」

 

「《オッドアイズ》を除外だって!?」

 

「《邪帝ガイウス》のさらなる効果だ。除外したカードが闇属性モンスターだった場合、相手に1000ダメージ与える」

 

榊遊矢

ライフ:8000→7000

 

「くっ!」

 

「続けてバトルだ、《邪帝ガイウス》で直接攻撃!!」

 

ガイウス    榊遊矢

攻:2400  ライフ:7000

 

榊遊矢

ライフ:7000→4600

 

 

強い...一瞬でライフを半分近くも削られた。

しかもたった手札2枚でなんて...

 

「メイン2に入るか、《雷帝家臣ミスラ》を特殊召喚」

 

レベル2 光属性 雷族 攻800 守1000(守備表示)

 

「このカードがこのカードの効果で特殊されたとき、相手フィールドに《家臣トークン》を特殊召喚する」

 

「お、俺のフィールドに!?」

 

レベル1 光属性 雷族 攻800 守1000(守備表示)

 

「さらに永続魔法《冥界の宝札》を発動してターンエンド」

 

 

神子

ライフ:8000

手札:1枚

モンスター

《邪帝ガイウス》

《雷帝家臣ミスラ》

魔法・罠:2枚(うち1枚《冥界の宝札》)

 

「俺のターン、ドロー!」

 

榊遊矢

手札:1→2

 

くそ...《オッドアイズ》がゲームから除外されるなんて...

俺のデッキは《オッドアイズ》を主軸としているデッキだ。それがなくなった今、どう攻める?相手のモンスターは1体、ドローカードは────よし!!

 

「俺はセッティング済みのスケールでペンデュラム召喚!エクストラデッキより《EMシルバー・クロウ》!手札から《EMウィップ・バイパー》!!」

 

レベル4 闇属性 獣族 攻1800 守500(攻撃表示)

レベル4 地属性 爬虫類族 攻1800 守900(攻撃表示)

 

今召喚した2体のレベルは共に《4》。2体でオーバーレイして《ダークリベリオン》を呼び出さば《ガイウス》を倒せる!!

 

「永続罠《連撃の帝王》を発動する。このカードの効果で相手ターンでアドバンス召喚が可能!」

 

「今度は俺のターンにアドバンス召喚!?」

 

「《邪帝》と《雷帝家臣》をリリース、現れろ《轟雷帝ザボルグ》!」

 

レベル8 光属性 雷族 攻2800 守1000(攻撃表示)

 

攻撃力2800のモンスター...だけど《ダークリベリオン》を出せば攻撃力なんて

 

「アドバンス召喚に成功したことで《轟雷帝ザボルグ》と《冥界の宝札》の効果が発動。《冥界の宝札》の効果でカードを2枚ドロー」

 

神子

手札:0→2

 

「そして《轟雷帝ザボルグ》の効果でフィールド上のモンスター1体を破壊する。対象は───私の《ザボルグ》だ!」

 

自分のモンスターを破壊?

俺のモンスターを破壊すればエクシーズ召喚は止められるのに──まさかこの効果にはまだ続きが!?

 

「この効果で破壊したモンスターが光属性だった場合、破壊したモンスターのレベル分、お互いのエクストラデッキのカードを墓地に送る」

 

「な、なんだって!?」

 

「《ザボルグ》のレベルは《8》。よって8枚のカードを墓地に送ってもらう。私はエクストラデッキを持ち合わせてないが──君の方はどうかな?」

 

俺のエクストラは5枚しかない。神子が選ぶまでもなく全部のカードが墓地に送られる...

 

墓地に送ったカード

ダークリベリオン・エクシーズ・ドラゴン

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン

ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン

ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン

No.39希望皇ホープ

 

俺のエクストラデッキが0──いや、これで相手のフィールドはがら空き!

 

「バトルだ!《シルバー・クロウ》で攻撃!この瞬間《シルバー・クロウ》の効果で、自分フィールドの《EM》モンスターの攻撃力をバトル終了まで攻撃力が300アップする!」

 

シルバー・クロウ

攻:1800→2100

ウィップ・バイパー

攻:1700→2000

 

「通らんな、手札の《バトルフェイダー》の効果を使う。直接攻撃宣言時にこのカード特殊召喚して、バトルフェイズを強制終了させる」

 

モンスター効果は《星読み》と《時読み》のペンデュラム効果じゃ止められない。うまく逃げられたか。

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

 

榊遊矢

ライフ:4600

手札:1枚

モンスター

《EMシルバー・クロウ》

《EMウィップ・バイパー》

《家臣トークン》

魔法・罠:なし

 

 

「私のターン、ドロー」

 

神子

手札:1→2

 

「カードを伏せてターンエンドだ」

 

神子

ライフ:8000

手札:1枚

モンスター

《バトルフェイダー》

魔法・罠:3枚(うち2枚《連撃の帝王》《冥界の宝札》)

 

 

動いて来なかった?伏せカードも手札も1枚だけど、相手のフィールドには俺のターンにアドバンス召喚できる永続罠《連撃の帝王》がある。また何か狙ってるのか?

 

「どうしたんだい?何か考え事か?」

「行くぞ俺のターン、ドロー!」

 

遊矢

手札1→2

 

「ここはこのまま攻める!バトルだ!」

「ならばこの瞬間速攻魔法《造反劇》を発動。バトルフェイズのみ発動でき、相手フィールドのモンスター1体のコントロールをバトルフェイズの間得ることができる」

 

すると俺の《シルバー・クロウ》が相手のフィールドに移動してしまった。これじゃこのターンに直接攻撃はできなくなったか。なら《バトルフェイダー》に攻撃して少しでも戦力を削ぐしか...

 

「ここで永続罠《連撃の帝王》の効果を発動!相手ターンのメイン及びバトルフェイズにアドバンス召喚を行える」

「ま、まさかそのための《造反劇》か!?」

「今さら遅い。自分フィールドのモンスター2体をリリースして《凍氷帝メビウス》をアドバンス召喚!」

 

レベル8 水属性 水族 攻2800 守1000(攻撃表示)

 

「アドバンス召喚に成功したことで《メビウス》と《冥界の宝札》の効果が発動。後者でカードを2枚ドローし、前者で君の魔法・罠カード...すなわちセッティングされてる2枚のペンデュラムカードを破壊させて貰おう」

 

《メビウス》が地面を殴り付けると、地面から氷の柱が飛び出し《星読み》と《時読み》を貫く。その後二人は光となって消えて俺のエクストラデッキに入った。ペンデュラムスケールが破壊された...それにバトルフェイズに入ってしまった今じゃ《ウィップ・バイパー》の攻撃力と守備力を入れ換える効果は使うことができない。《メビウス》を倒す手段がない...

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

 

榊遊矢

ライフ:4600

手札:2枚

モンスター

《EMウィップ・バイパー》

《家臣トークン》

魔法・罠:なし

 

 

「私のターン、ドロー」

 

神子

手札:2→3

 

「2枚目の《帝王の烈旋》を発動。君の《ウィップ・バイパー》と私の《メビウス》をリリースして《爆炎帝テスタロス》をアドバンス召喚」

 

レベル8 炎属性 炎族 攻2800 守1000(攻撃表示)

 

「先程と同じく《テスタロス》と《冥界の宝札》の効果が発動。まずはカードを2枚ドロー。さらに相手の手札を確認し、その後その中から1枚を選び墓地に送る」

「今度は手札破壊か!」

 

今の俺の手札は2枚。1枚は《EMドラミングコング》、そしてもう1枚は魔法カード《ミニマムガッツ》。《ミニマムガッツ》は使えば相手のモンスターを弱体化させて、戦闘で有利にたてるカードだ。ペンデュラムスケールがすべて破壊された今、《ドラミングコング》だけじゃスケールは成立しない。となると当然狙ってくるのは...

 

「その魔法カードの方を捨てて貰おうか」

「くっ...」

 

榊遊矢

手札:2→1

 

「さらに手札から装備魔法《ビックバン・シュート》を発動!《テスタロス》に装備し、攻撃力を400上げ、貫通効果を与える」

 

テスタロス

攻:2800→3200

 

「バトルだ。《家臣トークン》に攻撃だ」

 

テスタロス  家臣トークン

攻:3200 守:1000

 

「攻撃力と守備力の差分のダメージを受けて貰う」

「うわぁぁぁぁ!」

 

榊遊矢

ライフ:4600→2400

 

《テスタロス》の攻撃は《家臣トークン》をいとも簡単に消し飛ばし、その余波で俺の体は吹き飛ばされた。地面で数回転がりながら止まりうつ伏せの状態から神子を見る。やっぱりこの人は強い...

 

「終わりか?もしこの程度の実力で守るだの言っていたなら思い上がりもいいところだな」

「...確かに俺はお前には及ばないかもしれない」

 

右手を強く握りしめながらゆっくりと立ち上がる。悔しいけど、俺がコイツより劣ってるのは紛れもない事実だ。でも...

 

「それでも...弱くたってみんなの笑顔のために戦うことはできる」

「はぁ...やはり君はなにもわかってない」

 

神子は呆れたように首を横に降った。

 

「君が勝手に戦って、勝手に怪我をするなり死ぬなりするのは自由だ。私に君の人生に口を出す権利はない。だが...その行為で誰かの笑顔を奪ってないか?」

 

────え?

 

「君を大切に思っている人はどう思うだろうか?君が傷ついている時に笑っていられるだろうか?悲しむ者がいるだろう。中には君を助けられなかったことや巻き込んでしまったことを悔やむ者もいるだろう」

 

そうだ...俺は俺の回りにいてくれる人たちのことを考えてなかった。一番見えてなくちゃいけないのに。

 

「私だったら君の友人なんてごめんこうむりたい。何時何をするかわかったもんじゃない。が、そんな君にもいるんだろう?大切な人たちが」

 

みんな笑顔のために戦うなんて言って、俺の一番近くにいる人の笑顔を奪ってたら元もこもないじゃないか。大切な人の笑顔さえ守れないやつがみんなの笑顔を守れるわけがない。強く...なるんだ。前を向いて、俺の信じるやり方で!!

 

「出題の時間は終わりだ。君の答えは?」

 

この状況、反撃の手段は限りなく0になった。手札は1枚、エクストラデッキは0。例え次のドローでペンデュラムカードを引けても召喚できるのは合計3体、その中に《テスタロス》を倒せるモンスターはいない。それでも!

 

「俺のターン────」

 

右手をデッキに添え目を閉じる。体の内側から何か不思議な力が全身に満ちていくみたいだ。これは大会で妖夢とデュエルした時に感じたのもと同じ感じ。でもあの時とは違って今の俺は自我を保ってる。まるで自分が自分でなくなるのがずっと怖くて遠ざけてきたけど、俺は俺のままで強くなるって決めたんだ!

 

「ドロー!!」

 

榊遊矢

手札:1→2

 

「俺はスケール《2》の《EMドラミングコング》とスケール《6》の《EMリザードロー》でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

ペンデュラムスケール

赤:なし→EMドラミングコング《2》

 

青:なし→EMリザードロー《6》

 

「揺れろ魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!現れろ我が僕のモンスターたち!エクストラデッキより《EMシルバー・クロウ》さらに我が元に来たれ《星読みの魔術師》《時読みの魔術師》」

 

レベル4 闇属性 獣族 攻1800 守700(攻撃表示)

レベル3 闇属性 魔法使い族 攻1200 守600(攻撃表示)

レベル5 闇属性 魔法使い族 攻1200 守2400(攻撃表示)

 

「モンスターが3体...だが君の手札は0。これ以上はどうにもできない」

「《EMリザードロー》のペンデュラム効果!このカードを破壊し、カードを1枚ドローする!」

 

これが最後のドロー...何を引けばいいなんて俺にはわからないけど、俺が信じればデッキはカードたちは答えてくれる。揺れろペンデュラム、もっと───もっと大きく!

 

「我が元に運命を引き寄せろ!ドロー!!」

 

こ、このカードは────

 

『マスター、私をお使い下さい』

 

この声は《時読みの魔術師》か?

フィールドを見ると、《時読みの魔術師》と《星読みの魔術師》がこちらを向き膝まずいていた。

 

『必ずやこの状況を打開し、勝利へ導いて見せます』

「わかった。お前に託す。俺は手札の《調律の魔術師》を召喚!」

 

レベル1 チューナー 闇属性 魔法使い族 攻0 守0(攻撃表示)

 

登場した小さな魔法使いの女の子。

どうして俺のデッキに道化師が使った魔術師が入っているのかはわからないけど、今はこの子の可能性に駆ける賭けるしかない!

 

「召喚時効果で相手のライフを400回復し俺は400のダメージを受ける」

 

神子

ライフ:8000→8400

 

遊矢

ライフ:2400→2000

 

 

「俺はレベル4の《シルバー・クロウ》とレベル3の《時読みの魔術師》にレベル1の《調律の魔術師》をチューニング!」

「なに!?エクストラデッキにはもう────」 

 

たしかに俺のエクストラにもうカードはない。けど、俺には《白紙のカード》がある!!

 

「我が求めるのは時空を越える翼。若き魔術師に時を駆ける力を!シンクロ召喚!閃光と共に目覚めよ!《覚醒の魔導剣士(エンライトメント・パラディン)》!!」

 

レベル8 闇属性 魔法使い族 攻2500 守2000(攻撃表示)

 

眩しい光の中から現れたのは何処と無く《時読みの魔術師》の面影を残した魔導騎士。《調律の魔術師》と同じく道化師とのデュエルで出てきたモンスターは《時読みの魔術師》が進化したモンスターだったのか。でも、どうして白紙のカードが道化師と同じモンスターになったんだ?これじゃまるで────

 一瞬頭に過ってしまった考えをすぐに書き消す。そんなことない。俺はアイツとは違う。仮にもしそうでも俺は違う道を行く!

 

「《覚醒の魔導剣士(エンライトメント・パラディン)》のモンスター効果!《魔術師》ペンデュラムモンスターをシンクロ召喚に使用したことで、墓地から魔法カード1枚を手札に加える!」

「墓地の魔法カード────しまった!?」

 

神子も気づいたみたいだけど、もう遅い。そう、俺の墓地には1枚だけ魔法カードがある。俺はそれを墓地から手札に加えて、即発動させる。これで勝利の方程式は完成した。

 

「俺は今手札に加えた《ミニマムガッツ》発動!自分フィールドのモンスターを1体リリースすることで、相手モンスター1体の攻撃力を0にする!《星読みの魔術師》よ、俺に力を貸してくれ」

 

俺の言葉に《星読みの魔術師》が頷き、その体は光となって消える。そしてその光は神子の《テスタロス》を包み込み、《テスタロス》は力が抜けたように地面に膝をついた。俺にできることはもうない。この攻撃で決める!

 

「バトルだ!《覚醒の魔導剣士(エンライトメント・パラディン)》で《テスタロス》に攻撃!この瞬間《EMドラミングコング》のペンデュラム効果発動!攻撃力を600アップさせる!」

 

俺の攻撃宣言と共に攻撃力が3100となった《覚醒の魔導剣士(エンライトメント・パラディン)》はその両手にもった剣を振るい、攻撃力0の《テスタロス》を一閃、神子のライフを5300まで削った。このバトルが成立したことで俺のワンショットキルは完成する!

 

「魔法カード《ミニマムガッツ》の更なる効果!攻撃力を0にしたモンスターが戦闘で破壊された場合、破壊されたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!」

「《テスタロス》の元々の攻撃力は────2800」

 

これで神子のライフは残り2500。そしてこのデュエルのラストコールだ!

 

「さらに《覚醒の魔導剣士(エンライトメント・パラディン)》のモンスター効果!戦闘で破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!よって与えるダメージは同じく2800!」

 

覚醒の魔導剣士(エンライトメント・パラディン)》がさらに剣を振るい、衝撃波を神子に向かって放つ。その衝撃波は次第に《テスタロス》の形に変わっていき、神子のライフを奪った。

 

「お見事」

 

 デュエルが終わり、デュエルディスクのデュエルモードを解除すると同時に神子が拍手混じりにそう言った。そして「それで答えは?」と言わんばかりに首を傾げる。

 

「俺は...デュエルでみんなを笑顔にしたい。でもみんなから笑顔を奪う奴は許さない」

「許せなきゃ...どうする?」

「────俺が倒す」

 

これが俺がこのデュエルで見つけた答えだった。たしかに今の俺は実力不足で回りのみんなの笑顔を奪ってるかもしれない。でも、もっと、もっと強くなって...いつか世界を、みんなの未来に笑顔を届けたい。

 

「そうか。まあ君には見込みがないわけじゃないし、精々精進して次は()()の私を倒して見たまえ」

 

あれで本気じゃないのか...やっぱり俺のまだまだだなと思いつつ、少し気になったことを神子に聞いた。

 

「どうして俺にこんなことを?」

「実は私には一人娘がいてね。表情がうまく作れない子なんだが、最近デュエルを初めて無表情ながら楽しんでいるんだ。────あの日、君が彼女から守った笑顔を...私も守ってみたくなってね」

 

それだけ告げると神子は歩き去ってしまった。神子の子供ってどんな感じなんだろう?無表情な子って言ってたけど、俺のデュエルでその子も笑顔にできるかな?そのためにも今は強くならないと!

 

「もっと強くなって、世界に...みんなの未来に笑顔を届ける」

 

 

 

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