これより私、榊遊矢がお見せいたしますのは、長らく続いた異世界交流戦、その最終戦でございます!
見たことのないカード!大胆不敵なコンボ!ギリギリの鬩ぎ合い!まさに最後を飾るにふさわしいデュエル!みなさんもぜひ!ご覧になって行ってください!
エンタメデュエリストが幻想入り 第2章『思惑スクランブル』編
第11話《翼を織りなす者》 お楽しみは……これからだ!
この異世界交流戦も残すところ後一戦────俺がデュエルする最終戦を残すだけになった。
四戦目が終わったところで、キングと鈴仙、そして妖夢が”話がある”と言って紫さんと一緒に別室へ、早苗は最終戦の観戦をするための飲み物なんかを買いに、嫌がる正邪を無理やり引きずって出て行ってしまった。
そして俺は控室で一人、デッキの調整をしている。昨日のうちにしっかりと作りこんで置いたから、今更何かを変えるってわけじゃないけど、デッキを見直しているとどこか気持ちが落ち着く……そんな気がした。
こうして見ると、俺のデッキも随分変わったと思う。とくにエクストラデッキは幻想郷に来た当時は二枚しか持っていなかったのが、今じゃ六枚になり、思い出深いカードが多い。《ダークリベリオン》は蓮子さんとの、《クリアウィング》は正邪との初めてのデュエルで白紙のカードから。《ホープ》は大会のお昼休み中に出会った不思議なデュエリストから譲り受け、《
このデッキは、幻想郷に来てから本当にたくさんの人と出会い、デュエルの中で俺と一緒に成長してきた。────そしてまだ強くなれる。進化を続けるカードたちと……デュエルを楽しむ気持ちで。
────ガチャ
カード見ながらいろいろなことを思い出していると、ふと背後にある入り口のドアノブを捻る音が室内に響く。────きっとキングたちか、早苗たちが帰って来たんだろう。
テーブルの上に広げているカードを手早く集め、入口の方を見ると────瞬間俺は言葉を失う。
控室に入って来たのはキングたちでも、早苗たちでもない……予想もしない人物。この状況に俺が唖然としていると、その人物は首を傾げながら、その口を開いた。
「あれ?僕のこと忘れちゃった?」
「────忘れられる……はずがない」
俺の目の前に現れた人物────深く被ったフードと仮面でその素顔を隠し、この前の大会でもデュエルした謎のデュエリスト────道化師だった。
「……何しに来た?」
テーブルの上のデュエルディスクとデッキを瞬時に手に取って椅子から立ち上がる。コイツは神のカードを操ったり、ダメージが実体化するフィールド魔法を使ってっ来たりする危険な奴だ……今回も何をしてくるかわからない。
だが道化師は俺の心配をよそに首を振りながら、笑いながら俺の向かい側の椅子に腰かけた。
「あはは、そんな身構えなくても今回は別に何をしようってわけじゃないよ。ちょっと話がしたくってさ」
話がしたい────それは本当か?仮面で顔を隠しているから、表情からは嘘か本当か判断できない。元々得体の知れない奴だし、ここは嘘をついていると考えるのがだとうだけど……なぜだか嘘はついていない気がする。
手に取ったデッキとデュエルディスクをテーブルに置いて、俺も椅子に腰を下ろす。
「それにしても久しぶりだね。大会以来だから、三か月ぶりくらいになると思うけど」
「────そんな前置きはいいだろ」
「まあまあそう言わずにさ。あれから君はまた一つ成長した……デュエリストとしても人としてもね」
その言い方は、まるでここ数か月の俺をずっと見て来たかのようだ。初めて会った時も、それ以前から俺を知っているようなことを言っていたような。
頭の中にたくさんの疑問が浮かぶが、道化師の話は続く。
「うれしいよ。君が成長することは、僕にとって喜ばしいことだから。そしてエンタメデュエルの素晴らしさも、負けが許されないデュエルの厳しさも知った君に聞きたい。君は────エンタメデュエルってなんだと思う?」
少し前の俺なら、言葉に詰まってすぐに答えられなかったと思う。でも、今の俺はその答えをもう持ってる。その答えは必死になって考えたわけじゃない。気が付いたらすぐそばにあったんだ。
「俺は────」
「これより異世界交流戦……最終戦を開始いたします」
さえぎるようにして会場に響き渡ったアナウンスが、俺の言葉をかき消す。言い直そうとも考えたが、それはせずにデッキとデュエルディスクを手に取って、バトルフィールド側の入り口の前に立つ。
「俺の答えは……デュエルの中にある。この最終戦でのデュエルが、俺の答えだ」
「そっか……それじゃ見せて貰うよ。君のエンタメデュエル」
背を向けて会話していなくても仮面でその表情はわからないが、その声色は────笑っている気がする。
「なあ道化師……お前は────」
振り向くと、そこにはもうだけもいない。道化師の姿はどこにもなく、まるで幻影のように消え去ったっていた。俺は幻でも見ていたのか?
「なんだったんだ……一体」
結局奴の目的はつかめないまま────いや、ここからでデュエルに集中しよう。デッキをデュエルディスクに収め、改めてバトルフィールドの方を向くと、自分の足が何かを踏んでいることに気が付く。
「なんだ……これ?」
踏んでいた”何か”を拾い上げてみると、それはカード────でもデュエルモンスターズのカードじゃない。これは確か占いなんかで使われるタロットカードと言われる物。
俺は占いに興味はないけど────外の世界にいたころ、占いが得意な女の子にタロットカードの見方を教えてもらったことがあった。それによれば、このカードの絵柄は……”死神”。向きは正しいから”正位置”ということになる。
「”死神”の”正位置”……意味は確か────”分岐点”だったけ」
◆◇
会場から沸き起こる歓声。最終戦ということもあって、会場もこの上なく盛り上がっているみたいだ。
胸に手を当てなくても感じられる鼓動の高鳴り。これは緊張してるからじゃない────この前の大会の決勝戦は車いすに座って見ているだけしかなかったステージに立てていることが、心の底からうれしいから。
そしてバトルフィールドの向こう側で、俺を待ち構える相手────どれだけ戦いたかったかことか。
「久しぶりだな────大輔」
あの大会のお昼休みに出会って、俺の初めてのタッグデュエルのパートナー……そしていつか絶対に戦おうと約束した相手────七穂氏 大輔の姿がそこにあった。俺と大輔との約束のデュエル────それがこんな大舞台で果たせるなんて。
「確かに
「よ、よくわからないけど、また会えてうれしいよ」
「俺もだよ。悪いが勝ちは譲らないぜ」
お互いに軽い挨拶を終えると、デュエル開始を促すアナウンスが流れた。会場内は一気に静まり返り、風の音しか聞こえない。
適度な距離を取ってデュエルディスクを構えながら、俺は不意に観客席の方を見つめた。
────道化師……お前もこのデュエルをどこかで見てるんだろ?この”友達との楽しめるエンタメデュエル”と”チームのメンバーとして負けられないデュエル”両方が重なったデュエルを。
このデュエル……俺は────。
「行くぞ大輔!」
「来い!遊矢!」
「「────デュエル!!」」
「俺の先攻だ!……手札から魔法カード《手札抹殺》を発動!」
先攻を取った大輔が繰り出して初めての一手は────手札抹殺。お互いの手札を全て捨て、捨てた枚数ドローするカード。
クッ……俺の手札には《オッドアイズ》と《慧眼の魔術師》、そして《ドクロバット・ジョーカー》もいるのに────俺は残りの2枚のカードと共に、合計5枚のカードを墓地に捨てて、新たにカードを5枚デッキからドローする。対する大輔は4枚カードを交換したことになるけど……きっとそれじゃ終わらない!
「今の《手札抹殺》で墓地に送られた《紋章獣レオ》の効果発動!デッキから《紋章獣》モンスター1体を手札に加える。俺が選ぶのは────《紋章獣ユニコーン》」
やっぱりただの手札交換じゃなかったか。墓地で発動するカードを墓地に送りながら、さらに動くために手札を整えてくる。やることに無駄がない……。
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」
カードを伏せただけでターンエンド?────一瞬疑問に思ったが、考えてみれば”攻撃して来い”という誘いにもとれる。墓地から発動できるカードはまだあるかもしれない。
「俺のターン、ドロー!!」
考えるのもほどほどに、このターンをどうするかを手札と相談し始める。ここは────よし!
「俺はスケール6の《EMギタートル》とスケール3の《EMオッドアイズ・ライトフェニックス》でペンデュラムスケールをセッティング!」
2枚のカードをデュエルディスクの両端に置くと、2枚のカードの間に『PENDULUM』の文字が走る。そしてそれと伴ってバトルフィールドにも、俺を挟むように《ギタートル》と《ライトフェニックス》が光の支柱に包まれるようにして現れ、その二体の間で少しずつ揺れ始めるソリッドビジョンで映し出される巨大なペンデュラム。
「さっそくペンデュラムスケールをセッティングしてきたか」
「ここで《ギタートル》のペンデュラム効果!もう片方に《EM》カードがセッティングされたことで、カードを1枚ドローする!」
デッキから新たにカードを1枚引く────セッティングしているスケールと引いたモンスターのレベルが合わないか。引いたカードを加えて5枚になった手札……問題はここからの動き。大輔のフィールドには伏せカードがたった一枚。ここは一気に展開して攻めたいところなんだけど────その一枚が俺の手を鈍らせる。
「そして《EMウィップ・バイパー》を召喚!」
レベル4 地属性 爬虫類族 攻1700 守900(攻撃表示)
「通常召喚……ペンデュラムしてこないか」
あの伏せカード────《ウィップ・バイパー》の通常召喚には反応してこない。ペンデュラム召喚の弱点は召喚無効系カード。召喚を無効にされたらエクストラデッキにはいかず、墓地へ行ってしまう。────ペンデュラム召喚の生みの親である俺が、そんなドジは踏まない!
「バトルだ!行け!《ウィップ・バイパー》!大輔にダイレクトアタックだ!」
「そうは行くか!罠カード《
レベル4 光属性 獣族 攻1100 守1600(守備表示)
突如現れた《ユニコーン》から発せられた紋章の壁で、《ウィップ・バイパー》を俺の足元まで押し戻された。
召喚無効系じゃなくて、攻撃を止める方のカードだったか────まあ、これは結果論だし仕方ないか。
「カードを1枚伏せてターンエンド!」
「俺のターン、ドロー────ッ!」
ドローしたカードを見て、大輔は「よし!」と力強く頷いた。
一体何を引いたんだ?────大輔は、このターンから本格的に動いてくるだろう。それにあの《紋章獣》って言うモンスター……俺がタッグを組んだ時には明らかにいなかったモンスター。どんな攻撃をしかけてくるつもりだ?
「手札の《紋章獣》モンスター────《紋章獣アバコーンウェイ》を捨てることで、《紋章獣アンフィスバエナ》を特殊召喚する!」
レベル4 風属性 ドラゴン族 攻1700 守1100(攻撃表示)
これで大輔のフィールドにはレベル4のモンスターが二体。デッキこそ変わっているが、この前はエクシーズ召喚を主軸に戦ってたし……来るか!?
「俺はレベル4《ユニコーン》と《アンフィスバエナ》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!
その紅き目は孤高の証、祖の力を此処に示せ!《No.18紋章祖プレイン・コート》!!」
ランク4 光属性 サイキック族 攻2200 守2200(攻撃表示)
現れたのは青を基調としたとても異質な《紋章》の名と《18》の数字を持つモンスター。さすが《No.》なだけあって、他のモンスターとは存在感が違う。しかも攻撃力と守備力が一緒なのは、《ウィップ・バイパー》とも相性が悪い。
「俺はさらに魔法カード《
「魔法カード1枚でエクシーズ召喚だって!?」
「レベル4の《レオ》と《アバコーンウェイ》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!
闇さえも絡めとるクモの糸、今こそその全てを絡めとれ!《No.70デッドリー・シン》!!」
ランク4 闇属性 昆虫族 攻2400 守1800(攻撃力)
今度は蜘蛛の《No.》か。俺は虫苦手じゃないけど、ソリッドビジョンで見るとちょっとあれかな。
「今度はこっちの番だ!《デッドリー・シン》で《ウィップ・バイパー》に攻撃!」
《デッドリー・シン》が吐いた糸が《ウィップ・バイパー》を捕えた────と思いきや、捕まえたのは《ウィップ・バイパー》の抜け殻。本物は俺の手元に戻って来ていて、そのまま手札に加わった。
「何!?」
「こっちだってやらせはしないさ!この攻撃宣言時、罠カード《ドタキャン》発動!俺のモンスターすべてを守備表示に変更する!そしてこのターンの間、戦闘・効果で破壊された《EM》モンスターは、墓地に送る代わりに手札に戻す!」
「そういうことだったか……《デッドリー・シン》の効果で、破壊したモンスターの攻撃力の半分、今回は850が自身の攻撃力に加える!
バトルはまだ終わってない!《プレイン・コート》で直接攻撃!」
大輔の攻撃命令で《プレイン・コート》の攻撃が俺に迫る────するとペンデュラムスケールとしてセッティングされていた《ライトフェニックス》が、透明な支柱を突き破って《プレイン・コート》の行く手を阻む。
「今度は《EMオッドアイズ・ライトフェニックス》のペンデュラム効果!俺へのダイレクトアタック宣言時、もう片方のスケール────《EMギタートル》を破壊して、このカードを特殊召喚する!」
レベル5 光属性 鳥獣族 攻2000 守1000(守備表示)
ダメージは防げたけど、大輔は攻撃を続行。守備力の劣る《ライトフェニックス》は破壊されたが、《ドタキャン》の効果で俺の手札へと戻ってきた。
大輔はそのまま何もせずにターンを終える。────相手は《No.》を2体も出してきたんだ……俺だって!
「俺のターン、ドロー!────よし!俺はスケール3の《EMビッグバイトタートル》とスケール6の《EMリザードロー》でペンデュラムスケールをセッティング!」
1ターン目と同じように、デュエルディスクには再び『PENDULUM』の文字が走り、ペンデュラムが揺れ始めた。これで俺はレベル4と5のモンスターが同時に召喚可能だ。
「俺は《EMビッグバイトタートル》のペンデュラム効果発動!1ターンに1度、手札の《EM》モンスター────《EMオッドアイズ・ライトフェニックス》を相手に見せる。このターンの間、手札の見せたモンスターのレベルは1つ下がる!これにより《ライトフェニックス》のレベルは5から4になる!」
さあ、まずは攻撃力が上がって3250になってる《デッドリー・シン》からどうにかして行こう!
「揺れろ!魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!現れろ!俺のモンスターたち!手札から《EMオッドアイズ・ライトフェニックス》!《EMウィップ・バイパー》!」
レベル4 光属性 鳥獣族 攻2000 守1000(攻撃表示)
レベル4 地属性 爬虫類族 攻1700 守900(攻撃表示)
「そうか……レベル5でもペンデュラム召喚できたのに、わざわざペンデュラム効果を使ってレベルを下げたのは────」
「その通り!俺はレベル4になってる《ライトフェニックス》と《ウィップ・バイパー》でオーバーレイ!
漆黒の闇より、愚鈍なる力に抗う反逆の牙!今降臨せよ!エクシーズ召喚!ランク4《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!!」
ランク4 闇属性 ドラゴン族 攻2500 守2000(攻撃表示)
「俺は《ダーク・リベリオン》の効果発動!エクシーズ素材を2つ使って、相手モンスター1体の攻撃力を半分にして、下がった数値分を自身の攻撃力に加える!《デッドリー・シン》の攻撃力を奪い取れ!トリーズン・ディスチャージ!!」
これで《デッドリー・シン》の攻撃力は1625。対する《ダークリベリオン》は4125。これなら行ける1
「バトルだ!《ダーク・リベリオン》で《デッドリー・シン》に攻撃!」
その黒い翼を羽ばたかせ、《ダーク・リベリオン》は顎に光を走らせながら《デッドリー・シン》に向かっていく。
「反逆の……ライトニング・ディスオベイ!!」
攻撃が《デッドリー・シン》を捕え、砂煙がバトルフィールド内に舞う。
「よし!これで《デッドリー・シン》は倒せ────え?」
次第にバトルフィールド内の砂煙は収まり、その全貌が明らかになる。────俺は目を見開いた。
破壊されたはずの《デッドリー・シン》がフィールドに存在していた。
嘘だろ……確かに攻撃は成立したはず。その証拠に大輔のライフは5500まで減少している。手札の枚数も減っていないし、カードを発動したわけでもないのに。
「どういう……ことだ……」
「俺が持つ《No.》は────《No.》以外のモンスターとの戦闘では破壊されない!」
「な、なんだって!?」
参ったな……俺のデッキは戦闘破壊するための補助は多いけど、効果破壊するカードは多くない。
これは攻略はそう簡単には行きそうにないな。
「俺は《EMリザードロー》のペンデュラム効果!もう片方のスケールに《EM》カード────すなわち《EMビッグバイトタートル》がいることで、このカードを破壊してカードを1枚ドローする!」
ドローしたカードは────打開策とまでは行かないけど、何とか時間は稼げそうだ。
「これでターンエンドだ……」
「俺のターン、ドロー!」
とは言ったのもの、今の《ダーク・リベリオン》の攻撃力は4125。そう簡単に突破できる攻撃力じゃない。戦闘で破壊されないといっても、付け入る隙はある。俺のデッキには貫通効果を与えるカードが何枚かある。攻撃力が下がってる《デッドリー・シン》を守備表示にした時がチャンスだ!
「魔法カード《エクシーズ・トレジャー》発動!フィールドに存在するエクシーズモンスター1体につき、カード1枚ドローする!」
今俺たちのフィールドにはエクシーズモンスターは3体────さっきまで2枚だった手札が、一気に4枚に……さらに仕掛けてくるな!
「来た!俺は《ゾンビ・マスター》を召喚!」
レベル4 闇属性 アンデット族 攻1800 守0(攻撃表示)
《紋章獣》じゃない!?大輔のデッキは《紋章獣》だけじゃないのか!?
「《ゾンビ・マスター》の効果発動!手札1枚を墓地に送ることで、墓地のレベル4以下のアンデット族モンスターを特殊召喚する!蘇れ《ゴブリン・ゾンビ》!」
レベル4 闇属性 アンデット族 攻1100 守1050(攻撃表示)
「さらに魔法カード《
レベル4 風属性 鳥獣族 攻1200 守1400(攻撃表示)
「行くぞ遊矢!レベル4モンスター3体でオーバーレイ!3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!《No.57奮迅竜トレスラグーン》!!」
ランク4 炎属性 ドラゴン族 攻100 守2600(攻撃表示)
大きな竜巻の中から現れる竜の顔をした3つの竜巻。これで3体目の《No.》……攻撃力がたったの100なのに攻撃表示ってことは、妖夢の《ライオン・ハート》みたいな効果があるのか?
「特殊召喚に成功した《トレスラグーン》の効果発動!相手フィールドのモンスター1体の攻撃力分、自身の攻撃力をアップさせる!」
俺のフィールドにはモンスターは1体────《ダーク・リベリオン》だけ。
《トレスラグーン》の竜巻の一部が《ダークリベリオン》と同じ形になり、その攻撃力を4225に上げた。
「バトルだ!《トレスラグーン》で《ダーク・リベリオン》を攻撃!」
巨大な竜巻が《ダーク・リベリオン》を呑みこもうとしたその時、俺は手札の
「俺は手札から《EMバリアバルーンバク》の効果発動!このカードを手札から捨てることで、モンスター同士のバトルで発生するダメージを一度だけ0にする!」
「戦闘ダメージたった100のためにそのカードを?」
「それだけじゃないさ!墓地の《EMギッタンバッタ》の効果発動!手札から《EM》カードが墓地に送られた場合、墓地のこのカードを特殊召喚できる!」
レベル4 地属性 昆虫族 攻100 守1200(守備表示)
「そんなカードいつ墓地に────《手札抹殺》か。次だ!《デッドリー・シン》で《ギッタンバッタン》を攻撃!」
「特殊召喚された《ギッタンバッタン》は、1ターンに1度だけ破壊されない!」
「俺には攻撃が残ってる!《プレイン・コート》で攻撃だ!」
連続宙返りで攻撃をかわし続ける《ギッタンバッタ》。だがそこに《プレイン・コート》が追撃を加えようと迫った────が、その攻撃は
「墓地の《EMジンライノ》の効果を使ったのさ。墓地のこのカードは《EM》カードが破壊される代わりに除外できる!」
「それも《手札抹殺》で……見事に凌がれたな……ターンエンド」
よし、何とかモンスターを残せたな────額を流れる汗を手で拭って、デッキに手を添える。
この状況を打開するための布石は打っておいた。後はこの判断が正しかったと信じて前に進む!
「俺のターン、ドロー!────来た!まず俺はセッティング済みの《ビッグバイトタートル》とスケール7の《キングベアー》でペンデュラムスケールをセッティング!そして今引いた────《EMセカンドンキー》を召喚!」
レベル4 地属性 獣族 攻1000 守2000(攻撃表示)
「《セカンドンキー》の効果発動!デッキから《EM》モンスター1枚を墓地に送る────だけど、ペンデュラムカードが2枚セッティングされている時、代わりに手札に加えることができる!俺が加えるのは《EMカレイド・スコーピオン》!」
────これで準備は整った。確かに俺のデッキには戦闘補助のカードがほとんどで、効果破壊できるカードはほとんどない。それでこの状況を打開するためにとれる行動は2つ。
一つは《No.》の効果を無効にして戦闘に持ちこむ。でも俺のデッキには効果を無効にするカードは入ってない。
そして最後の一つは────
「俺はレベル4の《ギッタンバッタン》と《セカンドンキー》でオーバーレイ!
現れろ《No.39》!闇を照らす光の翼!《希望皇ホープ》!!」
ランク4 光属性 戦士族 攻2500 守2000(攻撃表示)
────俺も《No.》を使うことだ!
現れた白き希望の戦士。俺が持つたった1枚の《No.》カード……このターンで形勢逆転だ!
「遊矢にホープか……やっぱりよく似合ってるな」
「俺……今すっごくうれしい。心の底が熱くなって……最高に楽しいんだ!」
「俺だって同じさ。俺たちで最高のゲームにしよう!」
会場から溢れる歓声。俺たちのデュエルが、みんなの楽しませてる……みんなの心を熱くさせてる。
けど────まだ足りない。俺も……大輔もきっと全力を出し尽くしちゃいない。もっともっとぶつかりあえるはずだ!
「行くぞ!大輔!」
「来い!遊矢!」
「「────────勝つのは俺だ!!」」
はい、というわけで最後の一人は瑞田高光さん作《遊戯王ZEXAL 知られざる八人目の七皇》でした。
そういえば久しぶりの遊矢のデュエル。
主人公だろ?デュエルしろよっと思っていたので気合い入れて書きました!
次回に続く!