義体の少女と勝利の名 -プロト:ワールド-   作:mikadzuki

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[②-Prologue],[②-1],[②-2]

[②-Prologue]

「…彼女の状態はどうだ?」

「正直、驚きました。あれだけ重傷だったのに、ここ数ヶ月でこれだけの回復を見せるとは、今まで見たこともありません。」

「そうか。」

「目を覚ますまで、あと数日ってとこですかね。」

「…あの事件からもう5ヶ月、か…」

「犯人の目星はついたんですか?」

「ああ、調査の結果、旧国家主義者どもの犯行だと結論付けられた。」

「旧国家主義…企業による統治を認めないって言う反乱的主義ですよね?なぜ、ただのショッピングモールなんかで自爆テロまがいのことを?」

「さあな、それを探るのが、今のオレの任務だ。」

「ケガしたら、いつでも来てくださいね。」

「腕のいい医者が仲間だと、心強いよ。」

「それほどでもないですよ。」

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[②-1]2059.9/12.13:43“Awaking”

ピ、ピ、ピ、という無機質な機械音を聞きながら、私は目を覚ます。

「…イテテ」

何とか身体を起こし、周囲を見渡す。

ここには見覚えがある。「Order」拠点内部の医務室。何度も世話になった事があり、馴染み深い場所だ。

「…?」

不意に身体に違和感を覚える。それも一カ所じゃなく、何カ所も。どうなってるんだろう?

「おはようございます。マスター。ドクターをお呼びしますか?」

「お願い。それと、ドクターが来るまで軽く何があったか説明してくれる?」

「了解しました。」

「助かるよ。」

「まず、現在の日付は2059年9月12日、マスターが重傷を負い、昏睡状態となってから5ヶ月が経過しています。」

「…へえ…?」

「あまり驚かれないんですね。」

「いや、驚いてない…ワケじゃないんだけど…」

5ヶ月。5ヶ月も昏睡してたのか。

まあ、7階から地面に落ちたあとコンクリートの破片に潰されかけて昏睡期間が5ヶ月なら、早い方なのではないだろうか?

ダメだ、動揺のせいかおかしなことを考え始めた。少し落ち着こう。

「おはようございます。」

「ドクター。」

彼が「ドクター」。物腰柔らかな男性で、「Order」のメンバーからは父親のように慕われている。

「フォーから少し聞きましたか?」

「うん、5ヶ月寝てたことは聞いた。」

「わかりました。ここからが本題ですよ。」

「本題?」

「ええ、落ち着いて聞けるようにしてください…といっても、そこまで驚きはしないかもしれないですが。」

へえ、落ち着いたほうがいいのか。

「落ち着きました?」

「いつでもどうぞ。」

心の準備はできた。

「なら、まずは1つ目から、単刀直入に言うと、あなたの右肘から下が義体化されました。」

「うん…?うん?なるほど?うん。」

そうか、違和感の正体はこれだろうか。

今、「1つ目」って言った?

「2つ目、落下した際の衝撃で脊椎が、降ってきたコンクリートの破片で両目が損傷し、これも義体化されました。」

…?……???……?

それは2つではなく3つ、いや4つでは、とか考えてしまうあたり私はかなり動揺しているらしい。

脊椎と両目、右腕、四箇所同時に義体化か。

「もしかしていいニュースはない感じ?」

「…ほら、拡張性とか…格段に良くなりましたよ…?」

つまり無いのか。

「それはそれでいいニュースかもね。」

「思考がポジティブすぎません?」

確かにそうかもしれない。だが実際、戦闘の幅が増えることは喜ばしいことだ。

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[②-2]プロテリウム技術が医療にもたらした影響は計り知れないものだった。人工神経の素材にプロテリウムを使用することにより、伝達速度が飛躍的に上昇した。他にも、人工心臓をはじめとする人工臓器。義手、義足などの義体化技術。手術に使用する手術道具に、医療用機械。プロテリウムは、医療に技術的な革新を引き起こし、人類の寿命を引き延ばしたのだった。

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