義体の少女と勝利の名 -プロト:ワールド- 作:mikadzuki
[②-6]『Eterna Private Military Company』は、「国有化戦争」後に設立されたPMC(=民間軍事企業)である。社名通り「エテルナ」を代表するPMCであり、この世界におけるPMCとしてトップクラスの戦力を誇る。
主な戦力は「国有化戦争」を生き抜いた兵士に加え、プロテリウム技術によって生み出した機械兵、航空機や空母まで保有している。
ただ、地上戦力に絞ってみれば、市街地戦で脅威となり得るのは航空機だけであるため、歩兵戦力にさえ注意すれば任務の遂行は容易いものになるだろう。
“ブリーフィング用資料”
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[②-7]2059.9/15.22:00”First Phase”
3日後、私達は「E.PMC」の中腹階層に居た。内通者と合流し、制服に着替え、身分の偽装は済ませた。ここからは探りを入れる段階だ。
「さて、と。どこから始めるか。」
周囲に人の気配は無い。フロアマップを確認しつつ、私は「フォー」に尋ねる。“アイツ”とは別行動だ。
「一般兵でもアクセスできるデータベース端末があるようです。そこに私を侵入させてもらえれば、ハッキングして情報を引き出すことができます。」
「なら、6階の『データセンター』か。」
目的地が決まったところで、ふと思い出す。そういえば、5ヶ月前もこんな感じだったっけ。前みたいにならないといいけど…
そんな事を考えつつ、階段で6階に向かう。エレベーター内には監視カメラがある事を確認済みだ。
6階に着くと、図書館のような内装の施設が目に入り込んでくる。中には本棚やテーブル、コンピューターなどが並べられており、整理や清掃が行き届いているのが分かる。
「さてさて、久々に試してみるか。」
私は周囲に人の気配が無く、死角になっているコンピューターを選び、内関の辺りからワイヤーを取り出し、コンピューターのポートに差し込む。これが左手に格納してある武装で、グラップル代わりにもなる優れモノだ。
「フォー、行けそうか?」
「全データアクセス権解放完了。何も問題はありません。」
相変わらず優秀なヤツだ。この一瞬でハックを完了させるとは。
「何か有益な情報はあるかな…」
私はコンピューターの画面を上からどんどんスクロールさせていく。
収支報告書、任務報告書、地下施設へのアクセス記録…
「…ん?」
地下施設へのアクセス記録が残っている。日付を見る限り、“怪しい動き”が確認され始めた時期とも一致する。
「これは…」
内容から察するに、地下に何か物資を運び込んだようだ。それも機密性を高く保持する必要のある極めて重要な物資を。
「フォー、このデータを保存しておいて。」
私はフォーにデータを保存してもらい、他にも有用なデータが無いか確認する。
他に発見できたデータは貸し出し記録や
「こんなものかな…フォー、ハックの形跡を…」
「すでに消去済みです。」
さすが。
これで情報は手に入れた。後はアレクセイと合流し、目標を確保して、脱出する。この作戦も終わりが近い。
「フォー、HQに連絡しておいて。アレクセイ…じゃなくて、“アルファ”と合流して地下に向かう。」
まったく、もう3年目になったというのに未だにコールサインには慣れない。
「“アルファ”との合流地点はどうしますか?」
「3階、射撃訓練場で。」