初投稿なので生暖かい目で見ていただければ幸いです。
豪雨が降り、雷が落ちる神立の中、男と女が立っていた。
二人は人の姿をしていながら人とは違うものを持っていた。
方や腹部に赤い口を付けた白い髪の異形の男。
方や雷を思わせる金の髪を持ち、悪魔を思わせるかのような天を突くかのように突出したツノ、背には飛膜のついた翼、腰に黒く細長い尻尾、それらが生えている。
男は腹部の赤い口に壺型の容器を咥え、右頬に付いたハンドルを回し左頬のボタンを押す。
マスターテイスト!
男は赤い口に咥えた物と酷似した物体に包まれ、紫色の異形へと姿を変えていく。
男は言った。
「選べ……このまま大人しく議長の座を降りるか……それとも俺に倒されるか!」
女は返した。
「どちらもお断りだ。貴様を倒し、貴様を慕っている者どもの心をへし折り、必ず返り咲いてやる」
女はこれ以上の言葉は不要とばかりに手に持つ兵器を構えた。
男は「そうか」と呟き、言葉を交わすことを諦めたのか姿勢を低くし構える。
「「ッ!!」」
程なくして両者は己が敵に向かい駆け出した──────
あれから幾許の時が流れたか
両者は満身創痍
特に男は酷かった
異形となるために必要であろう腹部の口が大きく破損し壺も欠けていた
だが男は
「……ッ!!」
オオーバーエナジー!!
軋む身体を顧みず
女の目と鼻の先まで接近し
ぎごちない動作で壺を回し赤い口の上顎を叩き
拳が巨大化したオレンジ色の異形へと姿を替えた
そして壺を押し込み再び上顎を叩く
「トドメだ」
オーバースマッシュュュ!!
男はその拳に全ての力を込め、そして──────
────── ────── ──────
「───夢か」
鳥が囀る声を耳にし、さっきの映像が夢だったのだと独りごち、布団から出て鏡を見る。
そこには身長175センチの男が立っていた。
白髪のロングヘアに紫色の瞳を持ち、額には斜め上へと曲線を描いた黒いツノが伸びており、赤いラインを引いている。
俺は元社会人のしがない転生者。前世で会社から帰り、布団の上で日課のブルーアーカイブをやっていた。
ブルアカをする事に夢中になっていた俺は、不意に襲ってくる睡魔に気付かなかった。
俺は睡魔により寝落ちしてしまい、目が覚めたら……
体が縮んでしまっていた。(転生)
俺がブルアカの先の展開を知っていると周りにバレたら、ゲマトリアとかに狙われて周りの人間にも危害が及ぶ。
俺の脳内会議で正体を隠す事にした俺は産みの親に名前を与えられ、『空崎ジョウ』と名乗る事に。
キヴォトスの未来を少しでも良くするためちょっとした暗躍に勤しんだ。
小さくなっても頭脳は大人。転生者ジョウ!
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さっき語った通り、俺の名字は『空崎』である。
そう、『空崎ヒナ』の1つ上の兄として転生したのだ。
ちなみに年齢は18歳で学年はヒナと同じ3年生である。
年齢がおかしいって?雷帝とガチバトルして半年くらい寝てたら留年したんだよ言わせんな恥ずかしい!
この18年は本当に色々あった。
1人で特撮のアイテム作ってワクワクしたり、それでヒーローごっこをしたり、ミレニアムと協力して物作りしたり、偶然会った連邦生徒会長に相談したり、ユメ先輩が失踪したり、雷帝と衝突したり、連邦生徒会長も失踪したりとで、本当に色々……後半はいい思い出が無いな……。
だけども、それで歩みを止めるつもりは無い。
この世界はバッドエンドになりやすいのに、本来存在しないはずの俺が生きてる所為で最悪の未来が来るかもしれない。
そうならない為にも気をつけなければ……。
まぁ学生なんで学生らしく学園に行くことを疎かにしちゃ行けないんですけどね。
というわけで行ってきまーす!
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【ゲヘナ学園】
それはツノや尻尾、それと飛膜のある翼のどれかを持つ生徒が多く在籍しており、俺もまたそこの生徒なのだ。
そして、俺の立ち位置はというと───
「ジョウ議長、風紀委員から経費の申請書が提出されました」
「議長、給食部から部費と部員増加の嘆願書です」
「ジョウ先輩!美食研究会から書類が届いたよー!」
「給食部以外の物はいつもの所に置いてくれ。給食部のは今から見る。ありがとうイブキ……爆薬の申請書は却下だ却下!」
どうも、元日本人の転生者兼ヒナのお兄ちゃん兼
万魔殿の議長の空崎ジョウです。
うん、まぁ……エデン条約とかあるし、ある程度の権力はあった方がいいと思って万魔殿に入ったんだけどね……留年したのに色々やって議長の座に座ることになりました。
おかげで風紀委員の負担を減らせているわけだし、ミレニアムの会長との関係も良好。
エデン条約も反対派という不安要素に目を瞑れば良い方向に進んでいるから、これで良かったのかもしれない
それで、『羽沼マコト』はどうしたのかといえば……。
「キキキッ……本日も議長殿は絶好調のご様子。ならば、先日の提案も受けてくれると私は信じているぞ」
「あれなら書類ごと廃棄したぞ、マコト副議長」
「……何ぃっ!?」
「どうして『風紀委員の予算を減らして万魔殿の議長と副議長の像を建てる』という案を採用しなきゃならないんだ。却下だ却下!」
「何故だ!?風紀委員がつけ上がらず、そして我ら万魔殿の権威を示す良い案だろうっ!」
「ゲヘナのテロリスト共が跋扈してる時代に風紀委員の力を削ぐことがダメなんだよ!」
そう、ブルアカの原作では見なかった副議長の席が追加され、マコトはそこに収まったのだ。
そして原作と同じく風紀委員……というか空崎ヒナに嫌がらせをしようと奮闘している。
そんな努力はしなくていい!
なんてことをやっていたら───
「議長、風紀委員からの増援要請です。至急、対応を!」
「わかった。イロハ戦車長は最近配備したアレの準備を。俺はイブキと他数名を連れてソコに乗り込む。いいな?」
「わかりました」
「わかった!」
「よし、出動だ!」
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ゲヘナ学園から青い車体の荷台が銀のバンボディの大型トラックが飛び出す。
その名も【Gトレーラー】
Gトレーラーは風紀委員の要請により現場へと駆けていく。
この機体には、白いバイクと武器が搭載されていた。
それは───
「【ゲヘナ学園万魔殿開発対暴徒鎮圧用武装三式】略してG3……ようやく出番が来たな。俺は今からコイツを装着し、その白バイ……【ガードチェイサー】で先に現場に向かうから後を追ってくれ」
「了解!」
ジョウはトレーラー内の物陰に行き、制服を脱ぎ捨てると中に着ていた黒いボディスーツが顕になり、スタンドに展開されたまま置かれていた青と銀の鎧の元へ向かう。
鎧のパーツに体を合わせると展開された鎧が閉じていき、ジョウに装着されていく。
そして唯一身につけていなかった頭も、踏み台に乗ったイブキが顔全体を覆う『仮面』を被せることで全体を覆い隠し、装着が完了する。
武器を携帯したジョウがバイクに乗り、Gトレーラーの運転手であるイロハにいつでも出られると声をかける。
そして、荷台の後部にあるハッチが開き、ガードチェイサーが出るための道もそこから伸びていく。
全ての準備が整った。
あとは彼が出るだけだ。
「『仮面ライダーG3』、出る!」
続いたらいいな