前回の話の契約に関して1行だけ書き忘れていた部分があったので加筆しました。
内容:他にも契約の条件を出してたけど、それはまた追々。
ジョウ「セイアー、変な大人が監視してるかも知れないから気をつけようぜー」
セイア「……なんだって?」
アビドス自治区の廃墟となったビルの屋上。
そこで俺はボウガンもどきとなった愛銃、GM-01〈スコーピオン〉にあるパーツを取り付けた状態で構えて待機していた。
それは、銃口に付ける縦向きの弓のパーツ、自動小銃の後部にあるマガジンと一体化したトリガーレバー、それらを銃身の右側で固定する為のアタッチメントパーツの3つで構成されていて、全てをスコーピオンに付けることでボウガンのような形になるのだ。
これの名は『GB-EX〈ペガサス〉』
ペガサスボウガン*1を真似て作った物だ。
そして新武器ができた辺りのタイミングで黒見セリカ*2のバイト先がバレた話になったっぽいので、せっかくなので試し撃ちをしようとアビドスに来たという訳だ。
確か、黒見セリカはバイトがバレた夜にヘルメット団に拐われ、次の日に先生含めた他のアビドス連中に助けられるシナリオがあった。
だが、これは現実……イレギュラーが起こってクロコの世界みたいにずっと行方不明となる可能性も否定できないので、こうやってセリカの救助をしつつ世界崩壊の可能性を減らし、新武器の試した撃ちをするという、正に一石三鳥というやつだ。
……先生に恩を売れるかもだから一石四鳥か?
え?なんでセリカのバイト先がバレたことを知っているかって?
こんなこともあろうかと、先生を監視させていた情報部に柴関ラーメンに入店したかどうかの報告を命じていたのだ。権力最高!
……砂漠の環境は現地の人じゃないと辛いのは目に見えてるから、特別手当と休暇は出したけどな。
そういうことで、その日の夜にアビドスへと向かった俺は柴関ラーメンから出たセリカが拐われたことを確認し、端末の中の『リア』*3に頼んで車の行き先を特定してもらい、こうして待ち伏せをしているという訳だ。
本当は夜に拐われる前に助けたかったが、それをするとセリカの先生に対する好感度が急上昇するイベントが無くなるので断腸の思いでやめた。
ブロロロロッ
おっと、獲物が来たようだ。
セリカを載せているであろうトラックをいつでも撃てるようにトリガーレバーを引く。それに連動して弓がしなるように折り畳まれる。後は銃の上部に付いてるスコープを覗いて……覗いて……あっ。
「やっべぇ……。縦向きの弓が邪魔して見れねぇ……」
うっかりしてた。これ後でG3に照準をアシストする機能を追加しないとダメじゃん。
そもそもスコープ無しで狙撃しなきゃいけないのキツくない?
助けて陸八魔アル!*4
『はぁ……。私がサポートしてあげましょうか?』
「リア!」
うっかりミスで気が動転している中、端末から救いの女神が声を掛けてきた。
そんなことできるのかと思っていると、端末のカメラが勝手に起動し、レティクル*5が表示された。
なるほど。たしかにこれなら何とかできそうだ。
『はい。これならどうにかできるのではないですか?』
「ああ。助かったよ、ありがとう」
『どういたしまして。彼女を助けてあげてくださいね』
「承った。さて……」
改めて車に目を向けると、俺たちのいるビルを通り過ぎ郊外へと出ようとしていた。だが、この距離なら狙撃にはまだ間に合う。
ボウガンとなり名も変わったペガサスとスコープとなったスマホを構え、気合を入れる。
威力を上げて射程距離も伸びた。もちろん反動も相応に増えて片腕で撃つ負担が大きいが、そこは今入れた気合いで耐えよう。
「そんじゃ……狙い撃つぜッ!!」
その宣言と共に引き金を引き、右の後輪を撃ち抜いた──
────── ────── ──────
手始めにタイヤを撃ち抜いた後に待っていたのは一方的な蹂躙だった。
撃ち抜かれたトラックは碌な制御もできなくなり停車し、這々の体で車から出てきたヘルメット団たちが慌てて銃を構えたところで、その銃を撃って弾き、追い討ちでヘルメットに撃ち気絶させていった。
「こんなもんか」
『お疲れ様です。命中精度は高く、試射は成功ではないでしょうか』
「そうだな。改良点も見つかったし、ここまででいいだろう。それに……」
ある方角を見ると、トラックの元へ向かっているアビドス高校と先生の4人組が見えてきた。
「後は彼らの物語だ。これ以上は野暮ってもんだろ」
『私としては、先生たちと合流しても良かったのですが……』
「
『そうですか……頑張ってくださいね』
「ああ」
リアと今後の物語の話をして、先生とアビドスの連中……特に小鳥遊ホシノ*6に見つからないよう、帰路につくのであった。
……その筈だったんだが。
「いやぁ〜あんな遠くから百発百中だなんて凄いね、君の狙撃。」
「……バレるの早くね?これから撤収する所だったんだけど」
「残念だったね。おじさん、昔から目は良いんだよー」
「そうだったのか……」
帰る準備してたらホシノが他の皆に一声かけてこっちに跳んできた件。
あの……人間って高い所に登る時は道具を使うもんなんですけど……。
なんで三角跳びと壁走りで屋上に来れるんですかね……?
……冷静に考えたらヒナちゃんもできてた気がするし、キヴォトス最強格なら当然なのか。
「それで、何のようだ?」
「君が何を企んでいるのか知りたくてね。文字通り跳んできちゃったよ。だからさ、下手に誤魔化さない方が身の為だよ、ジョウ」
背筋が凍る思いとはこのことか。
こいつ、疑わしい奴を即座にコテンパンにしかねないような威圧を放ってくるんですけど?
「なんでこんな所にいるのかな?」
「……シャーレの先生の監視をしてたらアビドスで人を拐っている連中がいると、うちの情報部から連絡が来たのでな。待ち伏せして狙撃した」
「じゃあ、君がセリカちゃんを誘拐した訳じゃないんだね?」
「そうだ」
疑心暗鬼ホルスになってるっぽいけど、大体あってる話だし、信じてほしいなぁ。
「……まぁいいや、一先ず信じることにするよ。セリカちゃんを助けてくれてありがとうね。じゃ、またねー」
そう告げると仲間の元へ戻って行ったホシノ。
仲間思いの鳥ちゃんマジ怖いんだけど……。
そんなことを思いながら今度こそ帰路に着くのであった。
────── ────── ──────
「──と言うわけで完成しました。G3の機能拡張の設計書、そして我が自動小銃の新しい拡張パーツ……その名も『GB-EX〈ペガサス〉』」
「おー」パチパチパチッ
ここは夢の中の秘密の部屋。
ある時は重要な会話を、またある時はのんべんだらりと各々が好き勝手に遊ぶ空間となっている。
現在、テーブルの上には書類束と、アビドスで使用した武器をパーツを分解した状態で広げていて、それを見たセイアが称賛するように拍手をしていた。
「そしてこのパーツを銃に取り付けると……だ」カチャカチャ
「なるほど、記録映像で以前見たペガサスボウガンに似た姿になるのか」
「流石に本家みたいに風だけだと威力不足になるから、いつもの弾の威力を上げて射程距離を伸ばしただけなんだけどな」
「古代の力は現代のキヴォトスでも再現は難しいということか」
「実際、本家は宇宙から落ちてきた石の不思議パワーでできてるからねぇ。完全再現は難しいものよ。スコープ無しで狙撃するのも難しいから、右側に付けるアタッチメントパーツに付けることになったしな」
空気弾で戦うことができれば薬莢を回収する手間も省けるし、なんとか実現できないものか……。
「それで、この書類はなにかな?見たところ、G3に関する資料のようだが」
「そっちはG3に新機能を付けるための設計図だな。ペガサスを使うの為に遠くの物を見る時があるから、遠見や透視とかで感知能力を上げるシステムとか付けようと思ってる」
G3がスコープを使うのも絵的に違う気がするしな。
要はただのロマンだ。
「という訳で、前にCODEとかみたいな怪しい組織が無いかミレニアムの変な奴に調べてもらってたから、設計図を持っていくついでに聞いてみるよ」
「気をつけたまえ。あそこもかなり問題のある代物があるからね」
「分かってるって」
『名もなき神々の王女』の目覚めはまだだが、油断はできないからな。
前回の仮面ライダーG2について言及した時、G3みたいな長い名前を考えていたのですが、書くことを失念していたのでここに記載します。
対ゲヘナ学園反逆用圧縮快楽武装二式
略してG2
元々の名前は、仮面ライダーガヴ(オーバー&マスター)
圧縮とか快楽とか、闇菓子みたいですね
感想と評価お待ちしております。